俺が悪役令嬢だった件

知花虹花

文字の大きさ
上 下
47 / 85

その47

しおりを挟む
 俺が毎日のように図書館に通ってたのに急に図書館に行かなくなったので、司書の先生が病気じゃないかと心配して教室まで様子を見に来てくれた。

 わざわざ俺の席の前まできてくれた。

 優しいんだな、ただの生徒なのに気にかけてくれるなんて・・・

 もっとも図書館には、入学してからも毎日のように行ってたから、急に来なくなったら俺じゃなくても、さすがに気になるか・・・

 それにしても・・・さすが、攻略対象だな。

 超イケメンがきたことに、教室中の女子学生が浮き足立つ。

 そもそもこのクラスは、攻略対象のオランやレオン、一応在籍しているがなかなか教室にはいらないエルフの留学生、魔法学の教師もいるから他のクラスよりイケメン慣れしているはずなんだけどな。

 それにしても、俺が図書館で見ていたときはそんなにイケメンだと思わなかったけどなあ。

 そういえば図書館にいたときは、基本、本に夢中だったからあんまり顔を見てなかったせいもある。

 それに考えてみたら、俺だって普段からイケメンに囲まれていると、多少のイケメンが来ても驚かなくなったけどな。

 図書館司書の先生とはいえ、どうやら図書館館長の仕事と司書の仕事を兼任しているらしく、いつも忙しそうにしているから、俺の様子を見に来るほど暇じゃないはずなのにな・・・

 それでもまあ、俺が図書館にいるときは、ちょこちょこ話をしたから、ほかの教師よりは結構親しみやすいと思っているんだが。

 図書館とは違って一般の生徒が混じる教室だとやはりオーラが違うな。

 紫の瞳に、知的そうな眼鏡を掛けて、紫の司書の制服がクールで似合っているって、一部の女子が噂していたな。

 あの眼鏡はオランのところで、特注で作ってるっていってたなあ。

 どうやら、図書館の本を浄化するのに必要らしいのだが、本人曰く、

 「伊達眼鏡です」

 っていってたな。

 俺の目の前にいる図書館司書の先生に、座って話をするのは失礼かと思って立ち上がろうとすると、オランが止める。

 なので、隣の席にいたオランを見ると、俺が何かやらかしたという顔でレオンにアイコンタクトを送ってた。

 俺は何もやらかしてなどいないのだが、ふと気が付くと、いつの間にかレオンは俺の隣の奴と席替えしていて、俺の傍から離れない。

 ちなみにオランも珍しく距離が近い。

「ちょっと、二人共、近いんだけど・・・」

 ハッキリ言って、俺の場所だけ狭い。

 チャイムがなり、ちょうど魔法学の教師がはいってきて関係ない人は出ていってくれといった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

忘れられた妻

毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。 セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。 「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」 セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。 「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」 セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。 そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。 三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?

つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。 彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。 次の婚約者は恋人であるアリス。 アリスはキャサリンの義妹。 愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。 同じ高位貴族。 少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。 八番目の教育係も辞めていく。 王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。 だが、エドワードは知らなかった事がある。 彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。 他サイトにも公開中。

処理中です...