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やまないで、
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激しい雨がもう何時間も続いている。天気予報ではあと数日は雨が降り続けるらしい。というのに、天音といったら雨が止むまでここにいると言って聞かなかった。一体いつまでその遊びを続けるつもりだろう。昨日の夜から、もう丸一日経ってしまった。
「天音、明日も明後日も雨だって」
天気予報を表示した携帯電話の画面を見せてやると、天音は特に興味もなさそうにふーんと答えた。明日の朝はやく天音はこの家を出て仕事に行く。そして夜もまだ雨が降っていたら帰ってくるのだろうか。それともここには来ないのだろうか。
「もう寝ていい?」
天音は眠そうに言ってベッドに潜り込む。雨のせいで少し肌寒い。ベッドはゆとりがあるとはいえ二人寝ることは想定されていないサイズだ。ぎゅうぎゅうとくっついてもやはり狭い。地場も意見することを諦めて隣に入った。電気を消せば暗い部屋にひたひたと雨音が聞こえている。部屋の空気は湿っていて少し冷たい。
「雨やまないね」
地場が呟く。雷の音が遠く鳴っていた。天音の呼吸に合わせて背がゆったりと動いている。屋根を叩く雨音を聞きながら目を閉じた。
「…………やんでほしいの?」
十分な沈黙をもって天音が問う。そんな質問は卑怯だ。ここにいて欲しいかいて欲しくないか、選べと言っているようなものだ。やんでほしいと言えば天音は明日もうここに帰ってこないのだろうか。
「……明日雨だって言ったじゃん」
咎めるような口調で言い、地場は布団を引っ張り上げた。取られそうになって天音は慌てて端を掴む。地場、と呼び掛けられても知らないふりをしていれば天音は笑って背を向けた。
「はいはい、おやすみ」
そう言った声は少し優しい。雨音が弱まり始めていた。携帯電話の天気予報はなぜだか外れることが多い。それでも地場が望めば明日は雨が降るのだ。青空の下でも、二人の間でだけは。
「天音、明日も明後日も雨だって」
天気予報を表示した携帯電話の画面を見せてやると、天音は特に興味もなさそうにふーんと答えた。明日の朝はやく天音はこの家を出て仕事に行く。そして夜もまだ雨が降っていたら帰ってくるのだろうか。それともここには来ないのだろうか。
「もう寝ていい?」
天音は眠そうに言ってベッドに潜り込む。雨のせいで少し肌寒い。ベッドはゆとりがあるとはいえ二人寝ることは想定されていないサイズだ。ぎゅうぎゅうとくっついてもやはり狭い。地場も意見することを諦めて隣に入った。電気を消せば暗い部屋にひたひたと雨音が聞こえている。部屋の空気は湿っていて少し冷たい。
「雨やまないね」
地場が呟く。雷の音が遠く鳴っていた。天音の呼吸に合わせて背がゆったりと動いている。屋根を叩く雨音を聞きながら目を閉じた。
「…………やんでほしいの?」
十分な沈黙をもって天音が問う。そんな質問は卑怯だ。ここにいて欲しいかいて欲しくないか、選べと言っているようなものだ。やんでほしいと言えば天音は明日もうここに帰ってこないのだろうか。
「……明日雨だって言ったじゃん」
咎めるような口調で言い、地場は布団を引っ張り上げた。取られそうになって天音は慌てて端を掴む。地場、と呼び掛けられても知らないふりをしていれば天音は笑って背を向けた。
「はいはい、おやすみ」
そう言った声は少し優しい。雨音が弱まり始めていた。携帯電話の天気予報はなぜだか外れることが多い。それでも地場が望めば明日は雨が降るのだ。青空の下でも、二人の間でだけは。
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