幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

おまけ③

　～とある日のボードゲーム部～

「高坂さん！　次のゲームは何をするんですか！？」

　そう言いながら俺の名前を呼ぶのは蜜香だ。

　彼女はこのボードゲーム部発足にあたり出会ったばかりの人物ではあるのだが、人当たりの良さのおかげで隠キャの俺でも楽に話せるのだ。

「そうだな、5人だけど人狼でもやる？」

「人狼ですか？　5人だとちょっと寂しいですよね」

「まあな、一回のやりとりでだいたい絞られちゃうからな...」

　そう考えるとやっぱり他のゲームの方が良いだろう。

「じゃあまた人生ゲームでもやりましょうか？」

「そうだな～人生ゲームは分かりやすくていいんだが、たまには将棋や囲碁みたいな硬派なゲームにうつつを抜かすのも悪くない」

「将棋や囲碁は2人でしか遊べないじゃないですか～！」

「それは...そうだな」

「だったらアレなんてどうですか！？　陣取りゲーム！」

「ああ、パズルを置いていって最後に1番手持ちが少ないやつの勝ちってアレか？」

「アレなら多人数でもできますし、盛り上がりますよ！」

「...そうだな、佐藤達が来たらやるか。じゃあ準備をしておいてくれ」

「分かりました！　部長！」

　蜜香の元気な声を聞いているとこちらも元気になってくる。

　俺はそんな彼女の笑顔を見ながら、静かに遊び相手を待つのだった。