幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

おまけ①

　ボードゲームの後、俺と愛川は2人で帰り道を歩いていた。

「まさかあそこで石川が資源を全部吐き出すなんてね。しかもそれで1発勝負のギャンブルに勝って総資産3倍にして逆転してくるなんてさ。あ～あ、ちょっと堅実に戦い過ぎちゃったかな...」

　などと言いながら2位の愛川が口を開く。

「ぐぬぬ...。それは強者の余裕か？」

「んっ？　そういえばカズ君は4位だったね。まさか蜜香ちゃんにも抜かされるなんて思わなかったよ」

　そう、ゴールは先にしたのだがまさかの資産差で俺が繰り下がってしまったのだ。

「蜜香も段々とゲームが上手くなってきたよな」

「うん、でもまあ私には勝たせてあげないけどね」

　自信たっぷりにそう呟く愛川の笑顔はとても様になっている。

　その表情は毎日見ている俺でさえ美人だと思えた。

　高1なのに大人の女性にも引けを取らないほどの美貌を持つ女子が愛川なのだ。

　鼻歌を歌いながら俺との帰り道を楽しんでいる彼女の表情はすごく明るい。

「あっ！　カズ君、クレープ買って帰ろうよ！」

「クレープ？　今月金欠なんだが...」

「大丈夫だよ。私が奢ってあげるからさ！」

　などと言われた俺は彼女の施しを受けることにするのだった。