幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

【世界最後の守り手】

「【世界最後の守り手】かな」

「...なにその職業。聞いたこともないけど」

　顔がひきつっている彼女を見ながら私は得意げに答える。

「私も知らない。けれど確かにそう職業欄に書いてあるよ」

　私のステータス画面には確かにそう書かれている。

　いや、それだけではない。

　皆の就いていた職業にも今の私は就いているようだ。

　だからこそ勇者や賢者の専用呪文も私は扱うことができる。

　勿論回復術師の魔法だってね...。

　私は【優樹の拳EX】を発動すると彼女に拳を向けた。

「愛川結美。悪いけどここで貴方を滅ぼす。それが世界と私達全員の総意らしい」

「...そう。悪いけど私もただでやられるつもりはないから」

　彼女を纏う空気の感触が変貌していく...。

「我、愛川結美が命ずる。我が僕達よ。真なる力を解放せよ！」

　彼女は仲間の魔物達の力を解放させる。

　魔力のオーラを身に纏いながら私にこう言い放った。

「これが私の全開。ここからは本気で行くよ。優樹！！！」

「...私も本気でいかせてもらう。結美！！！」

　両者の間に火花が散る中、最後の戦いが始まるのだった。