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【弱体術師】同士の戦い

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「あら? カズ君...。まさか私と【弱体術師】と言う職業で戦うつもりかしら?」

「...」

「悪いけどカズ君と私じゃあ練度が全く違うのよ? カズ君に勝ち目があると思う?」

「確かにな...」

 そんな事は言われなくても分かっている。

 事【弱体術師】の扱いについて彼女の右に出る者はいないと俺は思っているのだが、それでも一度は彼女を状態異常にかけてチャンスを作らなくてはならないのだ。

 そうしなければ【勇者の一撃】を防がれてしまった以上、勝ち目はない。

「カズ君、それ本気でできると思っているの?」

「できなければ負けるだけだ」

「...」

 俺の表情を見ていた彼女の表情が蕩けていく。

「あぁ...♡ やっぱり良い♡ こんな絶望的な状況でも貴方がいるだけで何とかしてくれそうな感じがする...♡」

 身悶える彼女は今まで何回も見てきたが、今日見る彼女の姿は今まで以上に異端に思えた。

 俺はこの2ヶ月の間、仲間達の感情に触れてきた。

 しかし、彼女の今の感情は優樹に見られた友情などではなく、凶悪な愛情の塊だった。

 行き過ぎた愛情は黒と桜色の2種類で構成されており、一歩間違えれば黒く濁る感じの配色だった。

 いや...、既に黒に飲まれているな...。

 俺が優樹と声を掛け合う度に彼女の感情は黒く染まって行くのが分かる。

 徐々に黒の配色が強まっていく中、俺と話している時だけは真っピンクになる事に俺は恐れを抱いていた。

...。

と言うか何で俺は人の感情が配色として見えているのだろうか? よく分からない。

『EXスキル【感情の視認】を習得しました』
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