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晩御飯

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「ねぇ和希」

 優樹が急に声をかけてきたので俺は返事を返した。

「どうした?」

「今日の晩御飯どうしようかと思ってさ」

「ふむ...」

 俺は手持ちの素材を見る。

「薬草の山菜添え...はこの前食べたし、ゾンビ骨の唐揚げは不人気だったな...。ここは...」

 メニュー画面をスクロールさせてまともそうな材料を選ぶ。

「まあ、食べられるだろう」

 そう言いながらドラゴンの肉を取り出した。

「ドラゴンの肉ってすっごく臭くない? 本当に食べられるの?」

 と優樹が不安そうにしてきたので俺はこう答えた。

「薬草と魔法で誤魔化す」

 彼女の言う通りドラゴンの肉は雑食なので臭くて食べれた物じゃない。

 だけど食べられるようにできる方法はある。

 薬草と【デバフ】で匂いを消す。

【デバフ】で匂いを消せるのか不明だが試してみることにした。

 生肉の防御力を【弱体術師】である俺が下げて匂い消しの薬草の効能を【回復術師】である優樹が底上げする。

 後は火を焚いてしっかりと鍋の中で煮込むだけだ。

 普段ならこの時点で臭すぎて無理だが、意外と香辛料と薬草のいい匂いがしてきた。

(あれ? なんかいけそう?)

 思ったよりも美味しそうな匂いがしてきたので、久しぶりにまともな食事にありつけそうなのだった。
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