幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

愛川のせいじゃない！

「愛川のせい...だと！？」

　その言葉を聞いた俺は思わず石川の胸ぐらを掴んでいた。

「もう一回言ってみろ！！　お前の顔面をぶん殴るぞ！！！」

　俺の豹変ぶりに石川だけでなく全員が俺の顔を覗いてきた。

「な...何をするんだ！！！」

「人の嫁のせいだとか言った報いだと思え！！」

　俺の言葉に驚く優樹。

「和希の嫁！？」

　非常にショックを受けているようなのでちゃんと面を向かって言い直す。

「ああ、愛川は俺の嫁だ。あいつの事を何にも知らない癖に知ったような口を聞くな！」

　俺の言葉を聞いていた仲間達は一斉に声を上げる。

「和希様！？　愛川なんかと結婚されたのですか！？」

「兄ちゃん！！　それはないぜ！！」

「【弱体術師】様！？　なぜ愛川なんかと！？」

「おいおい、和希。愛川が可愛いのは分かるが結婚するような相手じゃない事くらいわかるだろ？」

　仲間達の散々な言われように俺は腹を立てる。

「なんなんだお前達は！　お前達は愛川の何を知っているんだ！？　お前達がなぜそんなに愛川に対してそこまで言うのか知らないが、俺はあいつを信じる！」

俺がそう言い切ると優樹が声を上げた。

「その愛川に私達は和希と引き裂かれていたんだよ」