幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

【次元の巨人】

　俺が【次元の巨人】に向かって走り出すと...！

「なっ！？」

　いきなり俺の前に鮮血の槍が放り投げられてきた！

「誰だ！？」

　俺の言葉を聞いたであろう人物が姿を現す。

「高坂...か？」

　銀髪の少女にそう言われたので俺は応える。

「ああ、そうだが」

「...すまないが俺の奴隷化を解除してくれないか？」

「奴隷化？」

　俺は彼女にカーソルを合わせてみると、確かに『シュガー【奴隷】』と書かれている。

　別に彼女を奴隷としていた記憶などないので「シュガーの隷属を解除する」と言ってやった。

　それを聞いた彼女はすんごく喜んでいた。

「やった！　これで一気に貯めていたレベルを上げれる！」

　そう言いながら一気にレベルを上げる彼女。

「シュガー様！　勝手に一人で行かないでください！」

　そう言いながら現れたのは青髪の育ちの良さそうな少女だった。

　そんな彼女も俺をみると固まっていた。

「...【弱体術師】様？」

「...【弱体術師】？　俺が？」

　意味不明な事を言う彼女に俺はそう応える。

「はい、覚えていないのですか？」

「アルシェちゃん、和希は今...」

　優樹がアルシェとか言う少女に状況説明してくれたおかげで助かった。

　面倒な説明を俺がしなくていいからな。

「なるほど...、それで【回復術師】様も回復したと...」

「うん、やっぱり和希はいてくれるだけでも力になるよ」

　そう言いながら俺のことを熱い眼差しで見てくる優樹。

　俺は彼女の事をあまり知らないが、彼女は俺のことをよく知っているようだ。

「まあ、いいや。話は後にしよう。あの【次元の巨人】を倒した後に...な」

　俺の言葉を聞いていた彼女達の視線は【次元の巨人】にへと注がれるのだった。