幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

生命リンク

『生命のリンクが完了しました』

　そのメッセージが終わると俺のレベルが急激に上がっていた。

「な...なんだ！？」

「レベルが急激に上がってる！？」

　俺も優樹もお互いのレベルが629程度になった事を確認していた。

　それ以外にステータスも装備分以外は全て一致していたのでより驚いた。

「何だこれ...。まさかHPも共存しているのか？」

　一応試して見るためにMPを消費してみる。

「【魔力覚醒＋500】！！」

　すると...。

「和希！　私のMPも減ってる！！」

　優樹がそんな事を言い出したので、恐らく俺と優樹のステータスが共有に状態となっている事は明白だ。

「...これは俺と優樹の全能力を共有するEXスキルを取得したみたいだな」

　お互いの全てのEXスキルとステータス補正、そして＋値なども共有しているようだった。

　そう考えると...。

「優樹...。お前弱くないか？」

「えへへ...。実はずっと精神崩壊しててさ。今急に立ち上がれるようになったからレベル上げてなかったんだ」

「マジかよ...。そんな状態で戦えるのか？」

　そう呟く俺に彼女はこう答えた。

「和希が側にいる。これ以上心強い事はないよ」

「へいへい。それは良かったな」

　俺には良くわからない現象だが、恐らく彼女に取っての俺は精神的主柱でもあったのだろう。

「やれるのか？」

「和希と一緒なら！」

　そう答えた彼女の表情はとても凛々しく、先ほどまで廃人と化していた少女とは別物なのだった。