幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

クラスアップの儀

　俺が教皇に連れられて本殿の中に入ると、そこは凄く整備されており、まさしく大聖堂の根幹とも言えるような場所でした。

「なんだ？　ここは...」

　そう呟く俺に彼はこう呟く。

「ここで【弱体術師】様をクラスアップいたします。どうかその円の中心に立っていてください」

「...」

　俺は無言で円の中に歩いて向かう。

「ではこれよりクラスアップの儀を行う！」

　教皇の言葉と共に現場にあるステンドグラスから魔力が俺に注がれてくる。

(優しくて温かな光だ...)

　確かにここは夢で見たクラスアップを行う場所と酷使しているし、なんならこの円も夢で見ている。

　これはクラスアップを行う儀式で間違いないだろう。

　そう思っていると、教皇は続けてこう言いました。

「今この場に1人の熟練した者がいます。神よ！　この者に新たな可能性を与えたまえ！！！」

　その瞬間に木漏れ日が急に寒気となり俺にふりそそいだ。

(...なんだ？　急に悪寒が...！)

　俺に纏わりついてくる温かな光が徐々に冷気を帯びて俺を包み込む...！

「なんだ！？　やめろ！！！　俺に近づくな！！！」

　取り乱す俺を見て教皇はただ笑う。

「ハッハッハッ...。どうやら伝承は本当だったようですね」

「伝承だと！？」

「【弱体術師】をクラスアップすると【弱体の悪魔】にクラスアップ果たすと言う事ですよ」

「...ぐっ！　なぜそれを先に言わなかった！！！」

「決まっているでしょう？　【弱体術師】のまま処分すると勇者の1人を処分した事になりますからねぇ。クラスアップして【弱体の悪魔】にさえなってくれれば我々も手を下しやすいということです。【弱体の悪魔】ならば勇者パーティ...ひいては世界の敵と認識しても問題はありますまい。むしろ処分する大義名分となり、我が大聖堂が損害をこうむることはなく名声を手に入れる事ができますからね」

「貴様ぁぁぁ！！！」

「おぉ、怖い怖い、流石【弱体の悪魔】！　怒りの形相具合がまさしく悪魔だ」

　ニヤニヤと笑う奴にまんまと嵌められた俺のクラスアップが完了する。

『【弱体術師】から【弱体の悪魔】へとクラスアップを遂げました。【弱体の悪魔】となった事により【暗黒攻撃魔法・小】【暗黒攻撃魔法・中】【暗黒攻撃魔法・大】を取得しました。レベルの上限が解放され100以上に上がるようになりました。EXスキル【知力UP】【妨害魔力UP】【妨害魔力超UP】【全ステータスUP】を取得します』