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大聖堂の個室

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「...うっ」

 俺は意識が戻ってくるのを感じた。

 頭がズキズキと痛むのだがそれ以外に問題は無さそうだ。

「くそっ...。頭がいてぇ...」

 俺が目を覚ますとそこは見たことのない部屋だった。

「ここはどこだ?」

 俺が布団から出てうろついていると、見たことがない人物が部屋に入ってきました。

「おはようございます。【弱体術師】様」

 礼儀よくお辞儀をする優しそうな老人の登場に俺は眉をひそめる。

「お前は誰だ?」

「私は【サウライッツ大聖堂】の教皇でござざいます」

(教皇...。と言うことはこいつが大聖堂のトップなのか?)

 確かに他の町の司祭などと比べると服装が立派だとは思える。

「大聖堂のトップが俺になんのようだ?」

 俺の問いに微笑み教皇。

「いえいえ、ただ単に興味が湧いたのですよ。貴方にね」

「俺に? 知ってると思うが俺は嫌われて者の【弱体術師】だぞ? 教皇に好かれる道理はないな」

「ええ、もちろん貴方様の悪名はここまで轟いています。ですがまあ一応貴方様のお姿を見ておかねばと思いましてね」

 そう言いながら俺の姿を見つめる教皇は「はぁ」とため息を吐く。

「やはりそうですか。相当な【呪い】を体に溜め込んでいるようですね」

「見ただけで分かるのか?」

「ええ、もちろんですとも。伊達に教皇をやっていませんからね」

 彼はそう言いながら俺に外に出るよう声を出す。

「今日は日当たりも良いことですしどうですか? 少しお散歩でもされては」

 彼はそう言いながら俺を外へと連れ出すのだった。
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