上 下
339 / 574

港町リュライト

しおりを挟む
 ここは港町リュライト。

 クラスアップの為に大聖堂へと向かう冒険者や、近場にある火山から豊富な鉱物資源を求めて冒険者が集う活気のある町だ。

 アルセージにも時々ここからの貿易船が入り、ここの鉱石が取引されることもあると言う。

 俺たちがリュートの前に集まると、ここで3日ほど食糧補給のために滞在するらしいので、今のうちにこの町でやりたい事を済ませておけと言われた。

「やりたい事と言ってもなぁ...」

 俺はチラリと武器屋などを見てみたが特に欲しい物は売っていなかった。

 むしろ武器に使われている鉱石の方が気になったので入手場所を聞いてみると、近場の火山で採れるらしい事が分かった。

 情報提供料を支払うと俺はすぐさま仲間達の元へと戻り、2日間は採掘活動に費やすことを決定する。

 港町で火耐性の高い装備品を揃えて強化した物を着込み火山へと向かう。

 ~リュライト火山~

 港町リュライトから南方に位置する火山。

 度々噴火を起こしている活火山ではあるが、噴火しても町の方にまで影響が出る事はないらしい。

 というのも火山と町は遠くも近くもないくらいの丁度いい距離になっており、噴火したとしても影響が出る事は滅多にないようだ。

 それどころか噴火する度に鉱石が復活するらしく、この世界では活火山には大量の鉱山資源が必ずあると言われているらしい。

(噴火したら鉱石類が復活するなんてどういう原理だ?)

 いやまあ、この世界の自然のマグマにはそういう力があると理解していれば問題ないのだが、なんと今までに取っていた鉱石が同じ場所に生えて来るというのだから驚きだ。

 しかもちょっと前に噴火を起こしたばかりらしく、鉱石を採掘するのであれば最適のタイミングらしい。

「せっかくきたんだからたんまり稼がせてもらう事にしよう」

 一応ギルドで火山内の凶悪モンスターであるレッドゴーレムや溶岩原人などの討伐依頼も請け負っているのでまさに一石二鳥である。

 普通ならクッソ暑い場所だがケロナの水魔法によりある程度の暑さは緩和できているので凄く楽ができそうだ。

 俺たちはピッケルなどの工具を手に持ちながら、重労働に勤しむのだった。
しおりを挟む
感想 58

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

四人で話せば賢者の知恵? ~固有スキル〈チャットルーム〉で繋がる異世界転移。知識と戦略を魔法に込めて、チート勇者をねじ伏せる~

藤ノ木文
ファンタジー
 一ノ瀬敏夫(いちのせとしお)は、ある日ボイスチャットで繋がるネトゲー仲間と新作オンラインRPGのサービス開始時刻と同時に接続した。  仲間たちと話しをしながらキャラクタークリエイトを終えた次の瞬間、夏の日差しが照りつける大自然の中に立っていた。  自宅ではない場所に混乱していると、同じように混乱する仲間の声が聞こえてくる。  だが周囲を見渡すも友人たちの姿はどこにも無い。  どうやら自分たちは異世界に来てしまったようだ。  しかも転移した場所は4人ともばらばら、距離も合流が絶望的ときたもんだ。  それでも再会を誓う4人の異世界ライフ、ここに開幕。  これは突然異世界に飛ばされた4人の青年が、世界を救う――かもしれない物語である。   ※ヒロインが一部を除いてモンスター娘です。 ※過度なネコ成分が含まれます。

処理中です...