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仮想の栄華②

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 俺が杖を抜くと皆が驚いていた。

「なんだよ高坂!? 急にを抜きやがって!」

 佐藤の言葉に俺は笑う。

「剣? 俺が剣を装備できる訳ないだろ?」

 いや、正確には剣を装備したところでマイナス補正がかかり装備する意味がないと言う事だが...。

「はぁ...、お前が手に持ってる物はなんだよ?」

 あまりにも呆れたような声を上げられたので俺は一度自分が手にした物を見てみてる。

「なっ!?」

 確かに剣だった。

 それも俺が手に入れたことのない剣だったのでより驚く。

「こんな剣持っていたか?」

「おいおい、高坂、本当に大丈夫かよ? その剣手に入れる為に必死に鉱石集めしたのを忘れたのか?」

 佐藤にここまで呆れられるなんて初めてだっただけに屈辱である。

「なんだよ佐藤」

「もうすぐ戦争が始まるんだぜ? しっかりしてくれ」

 そう言われるとタイムリミットが来て俺たちは戦場に送り出された。

「ここは!?」

「和希!! ここはアルセージです!!」

「アルセージだと!? ここで戦争が起きるのは2回目だぞ!」

 そう叫ぶ俺に皆はキョトンとしていた。

「なんだよ!」

「和希? アルセージで戦争が起こるのは今日がだよ」

「なっ!? 優樹! お前は俺をからかってるのか!? 敵はクラーケンにヒノックス! そしてギガントキマイラだっただろうが!」

 俺の言葉に皆が困惑していた。

「何を言っているんですか? 高坂君?」

 石川が呆れたように言葉を漏らしていると...。

 海の方からクラーケンが出没した!

「なっ!?」

「ほら言ったろ! ほんでもってあっちからギガントキマイラがやってくるんだよ!」

 俺が指差した方向からギガントキマイラがやってきているのが見えた。

「すごいな高坂! まさかその情報を集める為にちょっと遅れたのか!?」

 佐藤が妙に驚いているので俺はため息を吐いた。

「もうそう言う事にしておいてくれ」

 俺はそう呟くとまずは倒しやすいギガントキマイラの方に走り出す!

「まずはギガントキマイラから倒す! 全員ついてこい!」

「分かった!」

「よっしゃ! 任せろ!」

「分かりました」

「カズ君! 分かったよ! とりあえずクラーケンの方にはこの子達を送っておくね!」

 彼女はそう呟くとアルミラージと吸血蝙蝠、そしてホワイトブルーバードを向かわせた。

「...ああ任せた!!! 取り敢えずキマイラにデバフをかけるから佐藤は突っ込め!!! デバフ!!!」

 俺は剣を掲げてデバフの詠唱を始めるのだった。
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