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優樹のチョコレート

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 その後もなんの不安もなく航海は続き1週間がたった。

 公開の途中にも魔物は現れるのでレベル上げには丁度いい。

 ちょっとずつでも経験値が貯まっていくのは正直嬉しい点ではある。

 俺が適当に船の内部を歩いていると...。

「あっ! 和希!」

「優樹か、何かようか?」

 俺の言葉に彼女は笑顔で返してきた。

「いやさ、以前和希にチョコレート作ってあげるって言ったでしょ?」

「ああ」

「ケロナちゃんに教わりながら美味しい生チョコの作り方を教えて貰ったの! まあ生チョコってよりは生レイアンって言えば良いのかな? でも私からしたらこれは生チョコだから問題なし! 受け取ってよ和希!」

 俺は可愛らしいラッピングがされてある袋を受け取って開けてみる。

 なるほど確かに生チョコらしい見た目をしている。

 俺はそれを手にとって食べてみる。

 程よい甘みが口の中を突き抜いて凄く美味しい...!

「優樹!」

「うん!」

「めっちゃ美味いな! 腕を上げたと思うぞ」

「えへへ、ありがとう」

 少しニヤけ顔の彼女を見ているとこちらまで少し嬉しくなる。

「優樹」

「何?」

「...また来年もよろしくな」

 俺はバレンタインが来る度にこの言葉を優樹に呟いている。

「うん! また作ってあげるね!」

 俺は彼女にお礼を呟いた後でこう思うのでした。

(...そう言えば優樹以外からもバレンタインにチョコを貰っていたような気がする)

 彼女と別れが後、自室でそう思った時でした。

「...なんだ?」

 メニュー画面が突然開いて【弱体術師の旅路】に加筆が施されたのは...。
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