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魔物少女と騎士団長の決闘③

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 なんだろうか? 

 これほどまでに晴れやかな青空だというのにこれから嵐が始まると思ってしまうような心境は?

 俺は安全な特等席で食事を取ってるはずなのにまるで安全じゃないと思ってしまう。

「では行きますよ、ケロナ様」

「OK、いつでも良いよ」

 木刀を構えるケロナに接近するリュートの素早さは高い!

(なんだあの速さ! シュナ以上かも知れないぞ!?)

 しかし、その速さで繰り出される攻撃をケロナは紙一重で避ける。

「やっぱりやるね」

「【炎剣】!」

 ケロナが余裕そうな笑みをこぼした瞬間に炎から炎が噴出してケロナを焦がす!

「ちょっ! 魔法もありなのか!?」

「【弱体術師】様、これは私とケロナ様の決闘です。口を挟まないで頂きたい」

 正直言ってこの時点で食事どころでは無い。

 俺が即刻中止を言い渡そうとすると...。

「和希! 私は大丈夫だから! もうちょっと続けさせて!」

 と言うケロナの声と共に激しい炎は掻き消えた。

「この程度の火炎ならマフラーの耐性だけで充分だよ」

 防御姿勢すらとっていない彼女が火の中から現れると、俺はホット一息を吐いた。

「流石ですねケロナ様。私の炎をあんな一瞬で掻き消してしまうとは」

「そっちこそ、私が死なない程度に加減してくれたんでしょ? じゃなかったら火傷くらいはしたかも知れないよ?」

 木刀でトントンと肩を叩いているケロナはこう呟いた。

「先攻を譲ったんだから、今度は私の番だよね?」

「...そうですね、どうぞ」

 いつのまにターンバトル形式になったのかは知らないが、彼女達の中でそう決まっていたのだろう。

 リュートもその提案に頷き防御の構えをとっている。

「【鳳凰刃・防の構え】!」

 ぐっと身構えている騎士団長の体がほんのり紅く輝いて見える。

「準備万端って訳だね。じゃあ行くよ!」

 ケロナは木刀を握りしめながら特攻していく!

 彼女が木刀を振り下ろした瞬間だった!

「【鳳凰刃・防破傷】!」

 ケロナの攻撃が決まる瞬間に剣から炎熱が発してケロナの全身を焼き焦がすのでした。
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