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ギガントキマイラ

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「クギャー」

 なんとも間抜けな声がこちらにまで聞こえて来るが油断はできない。

「ラカラ! 雑魚を蹴散らせ!」

 勿論俺がデバフをかけた後で...な。

 今の俺は【弱体化範囲増強・特大】の効果により1000人にまで同時に弱体魔法をかけることができる。

 一気に新軍速度が落ちた奴らにラカラがブーメランスキルを使うことで一瞬にして敵が溶けて面白い。

「兄ちゃん! こいつら柔らかい!」

「ああ! そのまま攻撃を頼む!」

 一応シュナが【キャットスピンS(サイクロン)】で敵を薙ぎ払い、アルシェが盾を展開しながら水魔法で梅雨払いをする。

 二人のお陰で俺たちは順調にギガントキマイラの所まで来られた。

「速攻で片付けてやる! デバフ! 【幻影剣】→【幻影乱舞】!!!」

 奴に各種バッドステータスが入り能力を著しく低下させた時だった。

「ピギャー!!!」

 一際甲高い声を上げたかと思えば威圧を放ってくる。

 若干尻込みしたが、その程度で驚く俺たちではない。

「ラカラ! 【影分身】からの【トゥリーハント】だ! 」

「分かった!! 【影分身】! 【トゥリーハント】!!!」

 5人に分身したラカラが一斉に飛び出し、【トゥリーハント】を放つ!

(6×5で30倍の攻撃力を味わえ!)

 更にそこにシュナの【キャットクローV】が炸裂した!

「グギャァァァァ!!!!」

 奴の悲鳴が聞こえたかと思うと倒れ伏した。

「...こんな物なのか? 佐藤や石川が来る前に終わったんだが...」

 俺は拍子抜けしてしまった。

 いや、だがこいつを倒しても戦争の終わりを告げるような現象は起きていない。

 魔物がまだ湧き出している。

「なっ!? ケロナがまだ戦っているのか!?」

 そう思いながら後ろを振り向く。

 足しかにまだケロナはクラーケンを倒していなかったが、それは海での戦いが厳しい物だからだろう。

「くそっ! 今応援に行くぞ!」

 俺がそう叫んだ時だった。

「ぐぁああああ!!!」

 急に高い声が聞こえてきたかと思うと目の間に白髪の少女がぼろぼろの姿で吹っ飛ばされてくるのでした。
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