幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
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駄菓子屋さん
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学校の帰りにある古い駄菓子屋さんのドアを開いて声をかける。
「おばちゃーん! アメくじちょうだい!」
「はいはい、頑張るんだよ」
そう言いながらくじを出してくる。
俺は大きいの狙おうとしっかり吟味するがやはりわからない。
「これだ!」
そう言いながら紐を上に上げると、下に付いているアメが上に上がる。
上に上がったのは小さなパイン味だった。
「げぇ~!! パイン味かよ!」
「ほっほっほっ、残念じゃったのう」
おばちゃんが笑いながら◯◯に呼びかける。
「お嬢ちゃんはやらないのかい?」
「えっと...私は...」
「勿論やるぞ! おばちゃん! 追加の10円だ!」
俺はなけなしの10円でもう一度くじを引く権利を得る。
「よしっ! ◯◯! 俺の仇を打ってくれ!」
「よく分からないけどこれを引けば良いんだよね?」
◯◯がくじを引くと大きなイチゴ味のアメが上がってきた。
「おおっ! イチゴ味じゃん! 1番うまいんだよなコレ!」
「お嬢ちゃん頑張ったのう、ほれアメじゃ」
おばちゃんから大きなアメ玉を渡された◯◯は少し照れくさそうな表情を浮かべながらもそれを受け取る。
外に出た俺は早速パイン味の小さなアメを口に入れた。
「いや~、やっぱり微妙だわ。パイン味」
俺がそう呟いていると◯◯が俺に大きなアメ玉を渡してきた。
「やっぱり貰うのは悪いよ。これはカズ君のお金で買ったんだもん」
「おいおい、たかが10円だぞ?」
「それでもお金はお金だよ」
俺はため息を混じりにアメ玉を彼女に返す。
「だからこれはお前への報酬だ。受け取ってくれ」
「でも...」
「お前なぁ、お前がいなかったら俺はもっと長い時間教室に拘束されてたんだぞ? それを考えたら安いの! 受け取らないっていうんだったら...」
「えっ? 何!?」
「えい!」
俺は彼女の口に無理やり大きなアメ玉をぶち込んだ。
「はいっ! これでアメ玉はお前の物だ。ちゃんと食べろよ」
コロコロと口の中でアメ玉動かす彼女の瞳から小さな涙が出ていたので驚く俺。
「あっ!? 痛かったか!? 悪い!」
無理やり食べさせたのでもしかしたら痛かったのかも知れない。
俺が慌てていると彼女は涙を拭いてこう呟いた。
「ううん...嬉しいだけ、なんでだろうね? カズ君から貰える物ってなんでも嬉しいんだ」
「...そうか? まあ喜んでくれたのなら俺も嬉しいけどな」
俺はパタパタと服の首元をはたいた。
「しかし熱くなってきたな。そろそろ夏休みだし今年は優樹も誘って皆で海にでも行くか?」
俺の提案に彼女はニッコリと笑顔になっていた。
「うん、良いね、でも私は...」
「どうしたんだ? 夏休みは長いんだ。1日くらい使っても問題ないだろう?」
「...うん、大丈夫だよ」
「よしっ! じゃあ決まり! 明日優樹にも言うからな!」
俺がはしゃいでいる中、彼女は静かにこう呟いた事を俺は知らない。
「優樹はいなくても良いじゃない?」
「おばちゃーん! アメくじちょうだい!」
「はいはい、頑張るんだよ」
そう言いながらくじを出してくる。
俺は大きいの狙おうとしっかり吟味するがやはりわからない。
「これだ!」
そう言いながら紐を上に上げると、下に付いているアメが上に上がる。
上に上がったのは小さなパイン味だった。
「げぇ~!! パイン味かよ!」
「ほっほっほっ、残念じゃったのう」
おばちゃんが笑いながら◯◯に呼びかける。
「お嬢ちゃんはやらないのかい?」
「えっと...私は...」
「勿論やるぞ! おばちゃん! 追加の10円だ!」
俺はなけなしの10円でもう一度くじを引く権利を得る。
「よしっ! ◯◯! 俺の仇を打ってくれ!」
「よく分からないけどこれを引けば良いんだよね?」
◯◯がくじを引くと大きなイチゴ味のアメが上がってきた。
「おおっ! イチゴ味じゃん! 1番うまいんだよなコレ!」
「お嬢ちゃん頑張ったのう、ほれアメじゃ」
おばちゃんから大きなアメ玉を渡された◯◯は少し照れくさそうな表情を浮かべながらもそれを受け取る。
外に出た俺は早速パイン味の小さなアメを口に入れた。
「いや~、やっぱり微妙だわ。パイン味」
俺がそう呟いていると◯◯が俺に大きなアメ玉を渡してきた。
「やっぱり貰うのは悪いよ。これはカズ君のお金で買ったんだもん」
「おいおい、たかが10円だぞ?」
「それでもお金はお金だよ」
俺はため息を混じりにアメ玉を彼女に返す。
「だからこれはお前への報酬だ。受け取ってくれ」
「でも...」
「お前なぁ、お前がいなかったら俺はもっと長い時間教室に拘束されてたんだぞ? それを考えたら安いの! 受け取らないっていうんだったら...」
「えっ? 何!?」
「えい!」
俺は彼女の口に無理やり大きなアメ玉をぶち込んだ。
「はいっ! これでアメ玉はお前の物だ。ちゃんと食べろよ」
コロコロと口の中でアメ玉動かす彼女の瞳から小さな涙が出ていたので驚く俺。
「あっ!? 痛かったか!? 悪い!」
無理やり食べさせたのでもしかしたら痛かったのかも知れない。
俺が慌てていると彼女は涙を拭いてこう呟いた。
「ううん...嬉しいだけ、なんでだろうね? カズ君から貰える物ってなんでも嬉しいんだ」
「...そうか? まあ喜んでくれたのなら俺も嬉しいけどな」
俺はパタパタと服の首元をはたいた。
「しかし熱くなってきたな。そろそろ夏休みだし今年は優樹も誘って皆で海にでも行くか?」
俺の提案に彼女はニッコリと笑顔になっていた。
「うん、良いね、でも私は...」
「どうしたんだ? 夏休みは長いんだ。1日くらい使っても問題ないだろう?」
「...うん、大丈夫だよ」
「よしっ! じゃあ決まり! 明日優樹にも言うからな!」
俺がはしゃいでいる中、彼女は静かにこう呟いた事を俺は知らない。
「優樹はいなくても良いじゃない?」
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