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自己紹介

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 ガタゴトと僅かに揺れる馬車の中で目を閉じていると凄く癒される...。

 本来ならばこんな場所で眠れる訳がないと思うだろうが、今の俺は本当に疲れているのだ。

 疲れていれば人間はどこでだって眠れるだろう。

「和希寝ちゃったね」」

 優樹がそう呟くと馬車の中で会話が始まる。

「そうですね。まあその分僕たちが辺の警戒をしていればいいでしょう」

「兄ちゃんがこんな時間に眠ることってあるんだね」

「【弱体術師】様は今までずっと魔力を使っていたのですから精神的に疲れてしまっているのでしょう。しばらくすれば目を覚ますでしょう」

 皆が口々に話し出す中ケロナがこう呟いた。

「そういえばさ、和希と皆ってどう言う関係なの? 私ちょっと前にこのパーティに加入したばっかりだから分からないんだよね。これからしばらく一緒のパーティで動く以上最低限の事は知っておいた方がいいと思ってさ」

 その言葉に優樹から声を出した。

「じゃあまずは私から。私と和希は日本って国からこの世界に召喚された勇者で小さい頃からの幼馴染なんだ」

「幼馴染ってことはこの中で1番和希の事を知ってるんだね」

 その言葉に何故かラカラがムッとしていた。

「私だって兄ちゃんの事ちょっとは分かるし!」

「...? ラカラちゃん? なんで急に声を荒げたんですか?」

 優樹の言葉にハッとしたのか顔を赤らめる盗賊少女。

「なっ...! なんでもない!」

 プイッとそっぽを向くラカラを尻目にシュナが続く。

「次は僕の番ですね。この中では2番目に和希様とは付き合いが長いと思います」

「私は3番目だからね!」

 途中途中でラカラが話に入ってこようとするのを華麗にスルーするシュナ。

「僕は港町の領主の跡取りだったのですが、父様の命を受けて和希様に手を貸しています」

「ふ~ん...、何か訳ありのようだね」

「...分かってしまいますか?」

「うん、若干声のトーンが落ちたから少し悲しい過去でもあったのかと思ってさ」

「ハハッ、ケロナさんは読心術でも学ばれているのですか?」

「ううん、違うよ、子供の悲しそうな表情や仕草って言うのを私は嫌ってほど見てきたからね。あんまり過去の話はしたくないって感じの雰囲気をシュナから感じただけだよ」

 彼女はそう言いながらシュナの頭を撫で回した。

「よしよし、何か困った事があったら私を頼ると良いよ」

 シュナの頭をケロナが撫でていると年下にあやされているようにしか見えない。

「じゃあ次は...」

「私だね!」

 さっきから何度も声を出していたラカラが自己紹介に入るのでした。
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