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防具の+値上げ

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 俺はクリスティーナ王国にある防具屋で1番安い防具を大量に買い込み全員の防具を+9にまで強化した。

 その後で俺はケロナにこう呟いた。

「取り敢えず全員分の武器防具は+値を最大にしたが、ケロナ。お前はどうする?」

「う~ん...、その+値を上げると武器や防具が強くなるんだよね?」

「ああ、だがそれは所有者であるケロナに任せる。それはお前の武器なんだからな」

「そっか...、それじゃあ頼むよ。私の武器を強化してくれ」

「...いいのか?」

「自分の武器が強化されるんだろ? だったら私は頼むよ。少しでも強くなって守り抜きたい物を守りたいからね」

 そう呟く彼女から刀を受け取った瞬間だった。

 ズシン! と刀を地面に落としてしまったのだ。

 彼女から刀を受け取った瞬間に凄まじい重量が俺に襲いかかったのだ!

「なっ!? なんだこの刀!? 重すぎるだろ!!!」

 しかも地面にめり込んでしまい俺じゃあ持ち上げられない。

「ああ、ごめんごめん。この刀は私だけの専用装備だった。私以外の人物が触れるとすっごく重たくなるから気をつけてね」

「言うのがおせーよ!!」

 そう言いながら刀を俺に渡して強化値を+9にはした。

 続いて服とマフラーも+9にしてから返した。

「ほらっ、できたぞ」

「ありがとうな和希。 おっ!? 確かに少し軽くなったかも」

 あれだけ重たい刀をくるくると振り回す彼女の動きはとても美しい。

 洗練された刀術を未だ見たことはないが、ケロナの体術を見る限り刀術もそれなりの物である事は分かってしまう。

「そういえばまだケロナが刀で戦っている所を見たことがないな。それは使わないのか?」

 何気なく聞いてみるとこう返された。

「いや...、これ使っちゃうと皆を巻き込みかねないから極力使わないようにしてるんだ」

 まあ、ケロナは素手だけでも充分強いからな。

 しばらくはそれでも問題ないだろう。

 さてと。

 強化値を上げ切ったからにはもうこんな町には用はない。

 さっさと次の町に向かってしまおう。

 俺は【擬似幻影龍】を召喚するとそのまま全員を乗せてエトランゼ王国まで戻るのでした。
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