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初勝利

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「初勝利ですわ! 皆さん私の活躍を見てくださったでしょう!?」

 ギルド内でちょっとうるさいくらいに叫ぶアルシェに俺は言ってやる。

「アルシェ、少しうるさいぞ。はじめての依頼が上手く行ったことを喜ぶのは良いが油断はするな。お前は才能はあるが経験はまだまだなんだからな」

「...はい、肝に命じておきます」

 いきなり冷静になられたらそれはそれで困惑するからやめてほしい。

「アルシェって王族みたいだけどなんか親近感感じるな~」

 とラカラが呟くとアルシェはこう答えた。

「あっ、なんとなく分かります。ラカラさんって私の宝石箱から有用なアイテムばかり取って行ったのですよね?」

「まあね。アルシェと体が入れ替わっている時にちょっと宝石を取ってきちゃった。ああ、勿論返してほしかったら返すよ?」

 その言葉にアルシェは首を横に振る。

「いいです。今の私にはこの経験の方がどんな宝石よりも価値がある物ですから」

「そう? それなら私が貰っちゃおうっと」

 そう良いながら宝石をしまい込もうとしたラカラの頭を叩く俺。

「それは俺が預かる」

「ええ~? 何で兄ちゃんが宝石を預かるのさ?」

「それは良質な宝石だ。つまり防具のアクセサリーになる」

 その言葉を聞いたラカラは渋々俺に宝石を渡してきた。

 そんな一連の流れをみれいた優樹が静かに笑いながらこう呟いた。

「なんだか妹が増えたみたいだね。和希」

「厄介なガキが2人に増えたの間違いだろ?」

 俺の言葉にラカラとアルシェが視線を向けてくる。

「【弱体術師】様」

「兄ちゃん」

「「それってどういう意味!?」ですか!?」

 良い感じにハモるこいつらに苦笑しながらも俺はアルシェのステータスを再確認しているのでした。

 アルシェ=エトランゼ【エトランゼの姫】レベル13

 HP ・187

 MP・67

 力・140+250+125

 守り・270+175+200+300

 素早さ・97

 知力・645

 器用さ・30

 攻撃魔力・157

 回復魔力・370

 妨害魔力・0

 耐性『【光属性軽減】【水属性軽減】』

 EXスキル『【貴族の嗜み】【姫】【王族の心得】【夢見がち少女】【剣術の才能】【盾術の才能】【騎士】【由緒正しき血統者】【博識なる知識】【宝石鑑定】【装備補正・騎士】』

 攻撃スキル『【連続切り】【ホーリースラッシュ】

 補助スキル『【大防御】【魔力壁】【庇う】【挑発】』

 魔法『【回復魔法・小】【水魔法・小】【光魔法・小】』

 武器【エトランゼ王家の長剣】

 力+250

『綺麗な装飾の施された由緒正しきエトランゼ王家の長剣。業物に王家の刻印を刻み込んだ見事な逸品であり国の国宝であるそれはかなりの攻撃力を誇る』

 防具【アルシェの旅服】

 守り+175

『王家の者たちが愛用したとされる旅服をアルシェ様に用意していた物。一見普通の服のように見えるが裏布が魔法のコーティングにより強化されておりなかなかの防御力を誇る』

【エトランゼ王家の盾】

 守り+200

『綺麗な装飾の施された由緒正しきエトランゼ王家の盾。女神の様に美しいとされた初代エトランゼ女王の顔が彫られたその盾は防御力もさることながら美術品としての価値も高い。【自動修復】の加護が付与されているので多少荒く使ってもちゃんと修復されるのも強力である』
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