幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
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姫の帰還
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「なんだあれは!?」
空から接近してくる黒龍に驚く衛兵達。
「ドラゴンだ! ドラゴンが攻めてきたぞ!!!」
そんな言葉で城中が大騒ぎになる中、俺たちは中庭に着陸した。
静寂が辺りを包み込んでいるが衛兵達は武器を構えたままこちらを睨んでいる。
しかしそんな緊張感は一瞬にして切れてしまった。
なぜならばその黒龍の背に乗っている者の1人がこの城に置いて最も尊ぶべき存在だったからだ。
「お前たち! ここにおらせられるお方を誰だと思っている!! この国の姫であらせられるアルシェ=エトランゼ様なるぞ!」
と俺は声色を変えて叫んだ。
くっそ寒いセリフだがこれで俺たちの冤罪が消えるのであれば安いものだ。
「アルシェ様!? 窓から落ちたのだと捜索していたのに大丈夫だったのですか!?」
「窓...?」
頭の中が?マークになっているであろう姫さんとなんとなく理解できてしまう俺たち。
(窓から逃げたんだろうな)
(窓から逃げたんでしょうね)
(窓から逃げたんだろうね)
(((ラカラらしい)))
心の中の思考が完全に同調していることには全く気がつかないであろう俺たちは姫さんの解説により一躍ヒーローと言うことになった。
そしてエトランゼ王の元へと呼ばれる。
~エトランゼ王謁見の間~
「まずは我が王国の大事な一人娘であるアルシェを裏切り者であった騎士団長グレイスの魔の手から救っていただき感謝する」
頭を下げるエトランゼ王の姿を見てまだ話ができる相手だと判断した。
「そうだな。だが俺たちが欲しいのはそんな言葉じゃない。王の発言力で国中に【弱体術師】がエトランゼの姫を誘拐などしていなかったと言ってくれるだけで良いんだ」
俺の発言に衛兵が武器を向ける。
「貴様!!! 【弱体術師】の分際で王に対してなんと無礼な発言を!!!」
「...よい、武器を下げよ」
「しかし王よ! こいつはかの悪名高き【弱体術師】で...」
「2度は言わんぞ? 武器を下げよ」
「ぐっ...」
衛兵達は何か言いたげに俺の事を睨んできたが王の発言は遵守するように大人しく武器を下げた。
「我が王国の者達が失礼をした。我娘アルシェを救いくださったのは他ならぬ【弱体術師】様と【回復術師】様であるとわしから発言しよう」
その言葉に俺はほっと一息を吐いた。
「よかったね和希」
そして静かに後ろでそう呟く優樹に静かに笑顔を向ける。
「...そうだな」
俺が確かな達成感を得ていると王様がこんな事を宣言した。
「では、早速ここにいる者達に感謝の気持ちを伝える為の宴を開く! 今すぐ用意せい!」
空から接近してくる黒龍に驚く衛兵達。
「ドラゴンだ! ドラゴンが攻めてきたぞ!!!」
そんな言葉で城中が大騒ぎになる中、俺たちは中庭に着陸した。
静寂が辺りを包み込んでいるが衛兵達は武器を構えたままこちらを睨んでいる。
しかしそんな緊張感は一瞬にして切れてしまった。
なぜならばその黒龍の背に乗っている者の1人がこの城に置いて最も尊ぶべき存在だったからだ。
「お前たち! ここにおらせられるお方を誰だと思っている!! この国の姫であらせられるアルシェ=エトランゼ様なるぞ!」
と俺は声色を変えて叫んだ。
くっそ寒いセリフだがこれで俺たちの冤罪が消えるのであれば安いものだ。
「アルシェ様!? 窓から落ちたのだと捜索していたのに大丈夫だったのですか!?」
「窓...?」
頭の中が?マークになっているであろう姫さんとなんとなく理解できてしまう俺たち。
(窓から逃げたんだろうな)
(窓から逃げたんでしょうね)
(窓から逃げたんだろうね)
(((ラカラらしい)))
心の中の思考が完全に同調していることには全く気がつかないであろう俺たちは姫さんの解説により一躍ヒーローと言うことになった。
そしてエトランゼ王の元へと呼ばれる。
~エトランゼ王謁見の間~
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頭を下げるエトランゼ王の姿を見てまだ話ができる相手だと判断した。
「そうだな。だが俺たちが欲しいのはそんな言葉じゃない。王の発言力で国中に【弱体術師】がエトランゼの姫を誘拐などしていなかったと言ってくれるだけで良いんだ」
俺の発言に衛兵が武器を向ける。
「貴様!!! 【弱体術師】の分際で王に対してなんと無礼な発言を!!!」
「...よい、武器を下げよ」
「しかし王よ! こいつはかの悪名高き【弱体術師】で...」
「2度は言わんぞ? 武器を下げよ」
「ぐっ...」
衛兵達は何か言いたげに俺の事を睨んできたが王の発言は遵守するように大人しく武器を下げた。
「我が王国の者達が失礼をした。我娘アルシェを救いくださったのは他ならぬ【弱体術師】様と【回復術師】様であるとわしから発言しよう」
その言葉に俺はほっと一息を吐いた。
「よかったね和希」
そして静かに後ろでそう呟く優樹に静かに笑顔を向ける。
「...そうだな」
俺が確かな達成感を得ていると王様がこんな事を宣言した。
「では、早速ここにいる者達に感謝の気持ちを伝える為の宴を開く! 今すぐ用意せい!」
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