幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
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異世界初めての朝
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~朝~
俺が目覚めると【勇者】が召喚できた事で国中が盛り上がっていた。
今日は勇者の旅立ちの日と言うことで町中の人々が正門に集まっているようだ。
全く【勇者】って言ったってあの佐藤だぞと言いたい。
しかし、町人達は【勇者】と言う肩書きに完全に騙されてしまっているようだった。
佐藤達を見送る皆の顔はその全てが羨望の眼差しである。
しかも王宮から装備を貰ったのかかなり良さげな鎧を身につけていた。
あいつはこれだけ愛されていると言うのに、なぜ俺はこんな目に遭わなくてはならないのだろうか?
そう思うと無性に腹が立ってきた。
「じゃあ行ってくるぜ! 魔王は俺に任せな!」
そう言いながら出発する奴らの後をつけてみる事にした。
(勇者って言うんだからかなり強いだろ)
そう思いながら昨日のスライムと佐藤が戦う所を見ていたのだが...。
ザシュッ!
「おっ!? なんだよゆーじゃんか」
(まじか! たったの一撃!?)
今度は石川がスライム5匹をまとめて魔法で焼き払う。
その後も小さな火球を自在に操りどんどん倒していくのが分かった。
「おっとレベルが上がりましたね、新たなスキルと魔法を手に入れました」
「こっちもだ、電撃の剣技を使えるようになったみたいだな」
(くそっ! 俺はあのスライム1匹倒すのに15分もかかるってのに!!!!)
2人が笑いながら自分達のレベルが上がった事を喜んでいたが、ただ1人周りを見回している者がいた。
「おいおい、もうあんな奴の事忘れろって」
「...」
そう優樹だ。
「【弱体術師】なんて言うハズレ職業を引いた彼が悪いんだ。俺たちは辺り職を引いただけに過ぎない。まあ小鳥遊さんも当たり職業かと言われたら苦しいですけどねぇ」
ニヤニヤと笑いながら馬鹿にするような目で優樹を見つめている石川に腹を立てる俺。
しかし優樹は言い返さない。
(なぜだ? ああ言う時はすぐに言い返していた優樹があいつらに何も言い返さないんだ?)
そう思っていると佐藤が高笑いを上げながらこう叫んだ。
「ハハッ! あの小鳥遊がまさか俺たちに力負けするとはな! 異世界さまさまだぜ!」
(なんだと!?)
「そうですねぇ、【回復術師】になってくれたお陰でお得意のカラテの威力がなくなってしまったようで...、とても残念でしょうね~」
なんだだって!? 優樹は【回復術師】になったせいで攻撃する能力を失ってしまったのか!?
そう思いたくはないがそう思うしかないだろう。
そうでなければ優樹は必ずこう言う状況で言い返すに決まっている。
「まあなんだ。俺たちも鬼じゃない。着いてきてくれるのなら経験値を少し譲ってやってもいい。まあ俺たちも少しは楽しませてもらうがな...」
その言葉に俺は吐き気を催した。
「そうですねぇ...、俺たちを回復してもらいましょうか。小鳥遊さんは可愛い方ですしねぇ」
「そうだよな石川。元の世界で散々痛めつけられた分、こちらではこきを使ってやろうぜ」
「「はははは!!!」」
奴らが笑いながらどんどん進んでいく様を見ていることしかできない自分に腹が立った。
「クソっ!!!!」
力のない拳を地面に叩きつけて吠える事しかできない現状に俺はギリギリと歯を食いしばっているのでした。
俺が目覚めると【勇者】が召喚できた事で国中が盛り上がっていた。
今日は勇者の旅立ちの日と言うことで町中の人々が正門に集まっているようだ。
全く【勇者】って言ったってあの佐藤だぞと言いたい。
しかし、町人達は【勇者】と言う肩書きに完全に騙されてしまっているようだった。
佐藤達を見送る皆の顔はその全てが羨望の眼差しである。
しかも王宮から装備を貰ったのかかなり良さげな鎧を身につけていた。
あいつはこれだけ愛されていると言うのに、なぜ俺はこんな目に遭わなくてはならないのだろうか?
そう思うと無性に腹が立ってきた。
「じゃあ行ってくるぜ! 魔王は俺に任せな!」
そう言いながら出発する奴らの後をつけてみる事にした。
(勇者って言うんだからかなり強いだろ)
そう思いながら昨日のスライムと佐藤が戦う所を見ていたのだが...。
ザシュッ!
「おっ!? なんだよゆーじゃんか」
(まじか! たったの一撃!?)
今度は石川がスライム5匹をまとめて魔法で焼き払う。
その後も小さな火球を自在に操りどんどん倒していくのが分かった。
「おっとレベルが上がりましたね、新たなスキルと魔法を手に入れました」
「こっちもだ、電撃の剣技を使えるようになったみたいだな」
(くそっ! 俺はあのスライム1匹倒すのに15分もかかるってのに!!!!)
2人が笑いながら自分達のレベルが上がった事を喜んでいたが、ただ1人周りを見回している者がいた。
「おいおい、もうあんな奴の事忘れろって」
「...」
そう優樹だ。
「【弱体術師】なんて言うハズレ職業を引いた彼が悪いんだ。俺たちは辺り職を引いただけに過ぎない。まあ小鳥遊さんも当たり職業かと言われたら苦しいですけどねぇ」
ニヤニヤと笑いながら馬鹿にするような目で優樹を見つめている石川に腹を立てる俺。
しかし優樹は言い返さない。
(なぜだ? ああ言う時はすぐに言い返していた優樹があいつらに何も言い返さないんだ?)
そう思っていると佐藤が高笑いを上げながらこう叫んだ。
「ハハッ! あの小鳥遊がまさか俺たちに力負けするとはな! 異世界さまさまだぜ!」
(なんだと!?)
「そうですねぇ、【回復術師】になってくれたお陰でお得意のカラテの威力がなくなってしまったようで...、とても残念でしょうね~」
なんだだって!? 優樹は【回復術師】になったせいで攻撃する能力を失ってしまったのか!?
そう思いたくはないがそう思うしかないだろう。
そうでなければ優樹は必ずこう言う状況で言い返すに決まっている。
「まあなんだ。俺たちも鬼じゃない。着いてきてくれるのなら経験値を少し譲ってやってもいい。まあ俺たちも少しは楽しませてもらうがな...」
その言葉に俺は吐き気を催した。
「そうですねぇ...、俺たちを回復してもらいましょうか。小鳥遊さんは可愛い方ですしねぇ」
「そうだよな石川。元の世界で散々痛めつけられた分、こちらではこきを使ってやろうぜ」
「「はははは!!!」」
奴らが笑いながらどんどん進んでいく様を見ていることしかできない自分に腹が立った。
「クソっ!!!!」
力のない拳を地面に叩きつけて吠える事しかできない現状に俺はギリギリと歯を食いしばっているのでした。
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