278 / 361
エレネアという少女④
しおりを挟む
俺たちを見送る為にエレネアは一階までわざわざ降りてきてくれました。
「別にいいぞ、俺がいるんだし」
「いえ、なんとなく見送りたい気分なだけ」
「そうか...」
なんとなく気まずい雰囲気になりつつも彼女は一緒に歩いてくれる。
そこに敵意や悪意はなく、一緒に歩いていても不快感ひとつしない為、普通の人間といるのとさほど変わらないような気がした。
一階の入り口付近まで近づいた次の瞬間!。
「!?」
バチッという電撃音とともに先ほどの魔法陣が再び現れていた。
「何あれ...」
突然のことで惚けている妹に向かって魔法陣が接近してきました。
「まずい!」
俺が先回りして雷耐性の盾を構えたのですが、不思議な事に魔法陣は俺を躱して妹の方に突撃して行ったのです。
「なっ!?」
「あっ...」
あまりにも突拍子すぎて対処出来ない俺達の目の前でカリンは魔法陣に飲まれてしまいました。
「お兄ちゃん!」
「カリン!」
俺が手を伸ばしましたが、俺の手が届く事はありませんでした。
妹を捉えた魔法陣はもう一度大きく光輝くと、全体に大きな電撃を放ちました。
「効くかよ!」
俺の盾が電撃を防いでくれるので、なんとか耐えますが、その際に意味深な言葉が聞こえてきたのです。
<我らが主人と同じ血...、ついに見つけた...>
「「えっ...?」」
俺だけではなくエレネアにも聞こえてたみたいでした。
「がぁぁ!!」
妹の激しい声が聞こえてきた事で我に帰った俺はすかさず魔法陣に攻撃しようとしたのですが...。
「!?、俺を無視してどこへ行く気だ!」
魔法陣は1人でにカリンを連れ去り地下へと進んでいきます。
「あの場所は...!」
俺は急いで地下に潜りましたが、時すでに遅し。
白髪の例の少年が妹の血を吸い、赤い瞳を見開いていました。
「ごちそうさま...」
彼はそれだけ呟くと妹を床に落としてこちらを見てきました。
「さっき見てたよ、姉さんを殺したよねあんた...」
身震いするほどの殺気を彼から感じる俺。
「許さないよ...、姉さんが奪って行った二つの羽が無駄になったじゃないか...、この例は死をもって返してもらう事にするよ...」
彼がそう呟くと、4本の白い羽が光輝き、彼の魔法が発動した。
「深淵のカタール...」
彼がそう呟くと、とても天使とは思えない負の感情が彼の背後に立っていました。
「なんだあれは...」
俺はその存在を見て思わず息を飲みます。
これまで色々な魔物や化け物と戦ってきましたが、この感じは初めて感じる物だったのです。
ゆっくりと目を開くそれは、黒くてドロッとしたスライムのようにさえ思えますが、無数にある赤い瞳が気持ち悪さを倍増させていました。
「別にいいぞ、俺がいるんだし」
「いえ、なんとなく見送りたい気分なだけ」
「そうか...」
なんとなく気まずい雰囲気になりつつも彼女は一緒に歩いてくれる。
そこに敵意や悪意はなく、一緒に歩いていても不快感ひとつしない為、普通の人間といるのとさほど変わらないような気がした。
一階の入り口付近まで近づいた次の瞬間!。
「!?」
バチッという電撃音とともに先ほどの魔法陣が再び現れていた。
「何あれ...」
突然のことで惚けている妹に向かって魔法陣が接近してきました。
「まずい!」
俺が先回りして雷耐性の盾を構えたのですが、不思議な事に魔法陣は俺を躱して妹の方に突撃して行ったのです。
「なっ!?」
「あっ...」
あまりにも突拍子すぎて対処出来ない俺達の目の前でカリンは魔法陣に飲まれてしまいました。
「お兄ちゃん!」
「カリン!」
俺が手を伸ばしましたが、俺の手が届く事はありませんでした。
妹を捉えた魔法陣はもう一度大きく光輝くと、全体に大きな電撃を放ちました。
「効くかよ!」
俺の盾が電撃を防いでくれるので、なんとか耐えますが、その際に意味深な言葉が聞こえてきたのです。
<我らが主人と同じ血...、ついに見つけた...>
「「えっ...?」」
俺だけではなくエレネアにも聞こえてたみたいでした。
「がぁぁ!!」
妹の激しい声が聞こえてきた事で我に帰った俺はすかさず魔法陣に攻撃しようとしたのですが...。
「!?、俺を無視してどこへ行く気だ!」
魔法陣は1人でにカリンを連れ去り地下へと進んでいきます。
「あの場所は...!」
俺は急いで地下に潜りましたが、時すでに遅し。
白髪の例の少年が妹の血を吸い、赤い瞳を見開いていました。
「ごちそうさま...」
彼はそれだけ呟くと妹を床に落としてこちらを見てきました。
「さっき見てたよ、姉さんを殺したよねあんた...」
身震いするほどの殺気を彼から感じる俺。
「許さないよ...、姉さんが奪って行った二つの羽が無駄になったじゃないか...、この例は死をもって返してもらう事にするよ...」
彼がそう呟くと、4本の白い羽が光輝き、彼の魔法が発動した。
「深淵のカタール...」
彼がそう呟くと、とても天使とは思えない負の感情が彼の背後に立っていました。
「なんだあれは...」
俺はその存在を見て思わず息を飲みます。
これまで色々な魔物や化け物と戦ってきましたが、この感じは初めて感じる物だったのです。
ゆっくりと目を開くそれは、黒くてドロッとしたスライムのようにさえ思えますが、無数にある赤い瞳が気持ち悪さを倍増させていました。
0
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
王女の夢見た世界への旅路
ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。
無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。
王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。
これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。
※小説家になろう様にも投稿しています。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる