196 / 361
妹の選択
しおりを挟む
「ヤヨイ!今日は一緒に店を見て回らないか?」
「お姉ちゃんと?、うん!いいよ!」
私は妹のヤヨイと打ち解ける事が出来た。
最初こそ不安だったが、意外と仲は良好でこれといった心配もなさそうである。
これならばもっと早くに正体を明かすべきだったと後悔しているほどだ。
「仲がいいですね!」
私が声のした方向に顔を向けて見ると金髪のシスターが立っていた。
「あっ!アルエッタ!」
「その様子でしたら上手いこと正体を明かせたのですね!エルシー」
私はとぼけている彼女の近くの歩み寄りコソコソ話で言ってやった。
「あんたね!、貴方的には私の事を思って妹に私が姉だと伝えてくれたのかもしれないけど、せっかくの感動が台無しだったじゃない!」
「ふふっ、私的には失敗して欲しくなかったからですよ、身寄りがあるのであれば早くこの協会から出て行った方があの子も幸せですからね」
「あんた...」
彼女は少し寂しそうな表情でヤヨイを呼び出す。
「ヤヨイちゃん!ちょっと来てください!」
「?、なんですか?シスターアルエッタ」
さっきまでとぼけたような表情をしていた彼女の顔が急に真剣になり、ヤヨイの肩を持ち瞳を見据える。
「このエルシーが貴方の実の姉である事は以前言いましたよね?」
「うん...」
「身寄りができた以上貴方には選ぶ権利があります、一つは成人するまで教会で住む権利、そしてもう一つは...」
彼女が私の顔を見ながら呟きました。
「貴方の姉と共に生きていく権利です!」
私の耳にその言葉が聞こえて来た時心の底から打ち震えた。
遂に私に贖罪のチャンスがやって来たのだと思えたからである。
幼き日からずっと心の片隅に残っていた記憶が見せる真実。
それはずっと私を苦しめ続け、死ぬまで解けない物だと思い込んでいた。
それがようやく晴れる時が来たのだ。
「さあ...選びなさい...、どちらを選ぼうとも貴方の自由意志、私はそれを尊重しましょう...、エルシーもそれで良いですね?」
「ああ...、それでいいよ...、ヤヨイが自分で選ぶんだ」
「えっと...私は...」
妹がどちらを選ぼうとも後悔はない。
こればかりは彼女の人生なのだから彼女が選ぶべきだと思う。
仮に私が選ばれた場合、私の一生をかけて彼女を愛そう...。
さあ彼女の決断の時がやって来た...。
ゴクリと息を飲みながら彼女の答えを待つ私とアルエッタ。
暫く考えた後にこう呟く妹。
「お姉ちゃんかシスターアルエッタか...うん...私、決めた...」
「お姉ちゃんと?、うん!いいよ!」
私は妹のヤヨイと打ち解ける事が出来た。
最初こそ不安だったが、意外と仲は良好でこれといった心配もなさそうである。
これならばもっと早くに正体を明かすべきだったと後悔しているほどだ。
「仲がいいですね!」
私が声のした方向に顔を向けて見ると金髪のシスターが立っていた。
「あっ!アルエッタ!」
「その様子でしたら上手いこと正体を明かせたのですね!エルシー」
私はとぼけている彼女の近くの歩み寄りコソコソ話で言ってやった。
「あんたね!、貴方的には私の事を思って妹に私が姉だと伝えてくれたのかもしれないけど、せっかくの感動が台無しだったじゃない!」
「ふふっ、私的には失敗して欲しくなかったからですよ、身寄りがあるのであれば早くこの協会から出て行った方があの子も幸せですからね」
「あんた...」
彼女は少し寂しそうな表情でヤヨイを呼び出す。
「ヤヨイちゃん!ちょっと来てください!」
「?、なんですか?シスターアルエッタ」
さっきまでとぼけたような表情をしていた彼女の顔が急に真剣になり、ヤヨイの肩を持ち瞳を見据える。
「このエルシーが貴方の実の姉である事は以前言いましたよね?」
「うん...」
「身寄りができた以上貴方には選ぶ権利があります、一つは成人するまで教会で住む権利、そしてもう一つは...」
彼女が私の顔を見ながら呟きました。
「貴方の姉と共に生きていく権利です!」
私の耳にその言葉が聞こえて来た時心の底から打ち震えた。
遂に私に贖罪のチャンスがやって来たのだと思えたからである。
幼き日からずっと心の片隅に残っていた記憶が見せる真実。
それはずっと私を苦しめ続け、死ぬまで解けない物だと思い込んでいた。
それがようやく晴れる時が来たのだ。
「さあ...選びなさい...、どちらを選ぼうとも貴方の自由意志、私はそれを尊重しましょう...、エルシーもそれで良いですね?」
「ああ...、それでいいよ...、ヤヨイが自分で選ぶんだ」
「えっと...私は...」
妹がどちらを選ぼうとも後悔はない。
こればかりは彼女の人生なのだから彼女が選ぶべきだと思う。
仮に私が選ばれた場合、私の一生をかけて彼女を愛そう...。
さあ彼女の決断の時がやって来た...。
ゴクリと息を飲みながら彼女の答えを待つ私とアルエッタ。
暫く考えた後にこう呟く妹。
「お姉ちゃんかシスターアルエッタか...うん...私、決めた...」
0
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
王女の夢見た世界への旅路
ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。
無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。
王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。
これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。
※小説家になろう様にも投稿しています。
ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~
碓氷唯
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる