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ルナサの紅茶
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「やっと終わった~...」
私が背筋を伸ばしてう~んと体をほぐしていると、メイドであるルナサが私達姉妹の為に紅茶を用意してくれていた。
「エクセリア様、ショコラ様、いつもお勉強ご苦労様です、紅茶を淹れましたのでどうぞお召し上がりくださいませ」
礼儀正しい口調でテキパキと仕事をこなす彼女を見て私はこういった。
「ルナサも一緒に飲もうよ!」
何気なく言ってみるのだが、帰って来る言葉は決まっていた。
「いえ、私は下流階級の人間、お二方と席を同じにするなどとんでもございません、本来ならこのような場所に立ち入ることも許されるはずがないのですが、仕事の為だけにここに滞在する事を許してもらっている身ですので、私の事はお構いなく」
それだけ言うと、彼女はそそくさと退出しようとするのでさらに追求した。
「私はルナサと飲みたいの!、これは命令よ!」
こんな偉そうな口を聞けるほど私はできた人間ではないが、こうでも言わないと彼女は一緒に紅茶を嗜んでくれないので仕方ない。
既に淹れられている紅茶に目をやりながら、私は冷める前に早くあなたの分も注ぎなさいと急かすと、彼女は大急ぎで自分の分のティーカップも持ってきました。
一応私の方が身分が高いので、目上の人の命令を無下にしては行けないと言う、この町のルールが彼女を縛り付けます。
この町では、階級が全てであり全ての主導権を握っているのでした。
私だって階級の上の人から婚姻を届けられれば従わなければならないし、別に下流階級の者達だけがこのルールに縛られている訳ではありません。
そう、この謎ルールのせいで色んな人に迷惑がかかっているのでした。
一応拒否権はあるのですが、目上の人からの命令を拒否すれば後でどんな目に合うかは分かりません。
なので拒否権はあってない様な物なのでした。
私は微笑みながら彼女が席に座るのを待ちます。
ようやく彼女も諦めたように席に座りました。
「エクセリア様、あまり長くならないようにしてくださいね、私は良いですけどあなたが下流階級の者とお茶を嗜んでいると噂になれば面倒な事になるのですから...」
「そう?、別にそれくらい良いと思うけど...、ショコラはどう思う?」
私は妹に話題をふります。
すると妹は考えるような素振りを見せた後、すぐに答えてくれた。
「別にをの位なら何も起きないと私も思うかな...、それにルナサとはちゃんと話して見たいし...」
少し恥ずかしそうに顔を赤らめた妹がとても可愛いと思う私。
「このこの~、ショコラは可愛いな~」
私が彼女の白い髪を掴みながら頰同士でスリスリしていると、鬱陶しいそうに私を突き放して来るのが本当に可愛いと思う。
「姉さんはもう少し妹離れしてくれませんか?」
冷たくあしらわれるのもなんというか乙だなと感じる私は変態なのだろうか?。
そんな私とショコラの変なやり取りを見ていたルナサが少し笑ったような気がしたので指をさして声をあげた。
「あっ!今ルナサが笑った!!」
「えっ!?本当!?」
妹が彼女の方向を向くと、口角が僅かに上がっていたのだが、笑っているとまでは言いがたい。
言うならば笑いを堪えてプルプルと震えていると言った状態か。
その様子を見た私たちの方が笑ってしまっていた。
「あはは~、ルナサ変な顔してる~!!」
「ルナサ、言っては悪いですが今面白い顔してますよ...w」
私は吹き出してしまい大いに笑っているが、妹は頑張って堪えて、手を口に抑えている。
そんな私達を見たルナサは少しむすっとした表情に早変わりしていた。
「エクセリア様は使用人である私で遊びすぎですよ...」
「ごめんごめん、だってルナサってば弄りがいがあるんだもん」
私は腹を抑えながら笑いを収めていくと、少しずつ普段の表情を見せるようになった私は紅茶を口にした。
彼女の淹れるお茶はとても美味しいと感じる。
私はお茶を飲み干すと、カップをそっと置いた。
「やっぱりルナサの淹れるお茶は美味しいな...」
そっと零した言葉だったが、それを聞いた彼女の表情はとても柔らかいものだったのを今でも覚えている。
私が背筋を伸ばしてう~んと体をほぐしていると、メイドであるルナサが私達姉妹の為に紅茶を用意してくれていた。
「エクセリア様、ショコラ様、いつもお勉強ご苦労様です、紅茶を淹れましたのでどうぞお召し上がりくださいませ」
礼儀正しい口調でテキパキと仕事をこなす彼女を見て私はこういった。
「ルナサも一緒に飲もうよ!」
何気なく言ってみるのだが、帰って来る言葉は決まっていた。
「いえ、私は下流階級の人間、お二方と席を同じにするなどとんでもございません、本来ならこのような場所に立ち入ることも許されるはずがないのですが、仕事の為だけにここに滞在する事を許してもらっている身ですので、私の事はお構いなく」
それだけ言うと、彼女はそそくさと退出しようとするのでさらに追求した。
「私はルナサと飲みたいの!、これは命令よ!」
こんな偉そうな口を聞けるほど私はできた人間ではないが、こうでも言わないと彼女は一緒に紅茶を嗜んでくれないので仕方ない。
既に淹れられている紅茶に目をやりながら、私は冷める前に早くあなたの分も注ぎなさいと急かすと、彼女は大急ぎで自分の分のティーカップも持ってきました。
一応私の方が身分が高いので、目上の人の命令を無下にしては行けないと言う、この町のルールが彼女を縛り付けます。
この町では、階級が全てであり全ての主導権を握っているのでした。
私だって階級の上の人から婚姻を届けられれば従わなければならないし、別に下流階級の者達だけがこのルールに縛られている訳ではありません。
そう、この謎ルールのせいで色んな人に迷惑がかかっているのでした。
一応拒否権はあるのですが、目上の人からの命令を拒否すれば後でどんな目に合うかは分かりません。
なので拒否権はあってない様な物なのでした。
私は微笑みながら彼女が席に座るのを待ちます。
ようやく彼女も諦めたように席に座りました。
「エクセリア様、あまり長くならないようにしてくださいね、私は良いですけどあなたが下流階級の者とお茶を嗜んでいると噂になれば面倒な事になるのですから...」
「そう?、別にそれくらい良いと思うけど...、ショコラはどう思う?」
私は妹に話題をふります。
すると妹は考えるような素振りを見せた後、すぐに答えてくれた。
「別にをの位なら何も起きないと私も思うかな...、それにルナサとはちゃんと話して見たいし...」
少し恥ずかしそうに顔を赤らめた妹がとても可愛いと思う私。
「このこの~、ショコラは可愛いな~」
私が彼女の白い髪を掴みながら頰同士でスリスリしていると、鬱陶しいそうに私を突き放して来るのが本当に可愛いと思う。
「姉さんはもう少し妹離れしてくれませんか?」
冷たくあしらわれるのもなんというか乙だなと感じる私は変態なのだろうか?。
そんな私とショコラの変なやり取りを見ていたルナサが少し笑ったような気がしたので指をさして声をあげた。
「あっ!今ルナサが笑った!!」
「えっ!?本当!?」
妹が彼女の方向を向くと、口角が僅かに上がっていたのだが、笑っているとまでは言いがたい。
言うならば笑いを堪えてプルプルと震えていると言った状態か。
その様子を見た私たちの方が笑ってしまっていた。
「あはは~、ルナサ変な顔してる~!!」
「ルナサ、言っては悪いですが今面白い顔してますよ...w」
私は吹き出してしまい大いに笑っているが、妹は頑張って堪えて、手を口に抑えている。
そんな私達を見たルナサは少しむすっとした表情に早変わりしていた。
「エクセリア様は使用人である私で遊びすぎですよ...」
「ごめんごめん、だってルナサってば弄りがいがあるんだもん」
私は腹を抑えながら笑いを収めていくと、少しずつ普段の表情を見せるようになった私は紅茶を口にした。
彼女の淹れるお茶はとても美味しいと感じる。
私はお茶を飲み干すと、カップをそっと置いた。
「やっぱりルナサの淹れるお茶は美味しいな...」
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