大きな町で小さな喫茶店を趣味で営む水系最強超能力者ツカサさんの経営戦略！！以前所属していた組織の残党から能力を狙われていますが問題ありません

『ルゥナ』

「これでとりあえず一件落着って感じかな？」

「そうだな、後は...」

　二人で、地面に横たわっているノエルを見つめた。

「まあ、それは帰って待ちましょうか。ノエルも疲弊しているみたいだし休ませてあげましょう」

「分かった。ノエルは私が運ぼう」

「ありがとうレイカ」

　こうしてアジトを潰した私達が帰路に着こうとしていると...！

　バチバチバチと言う音がいきなりなり響いた！！

「これは一体！？」

　ツカサが驚きながらそう言う。

「わからない。でも、嫌な予感しかしない」

　私の勘がそう言っている。

　その瞬間だった！

　電撃を纏う金髪の女の子が私達の前に現れてニヤリと笑ったのは。

「へぇ～！ アンタ達やるじゃん！ まさか『マッドマン』を倒しちゃうなんてさ！」

「お前は誰だ！？」

　私は警戒しながらそう言った。

「アタシの名前は、ルゥナ。コードネームは『クイーン』よ。よろしくね！」

「何だと？ 『クイーン』ってことはお前があの組織のボスなのか！？」

「そーゆーこと♪ それにしても、凄いじゃない！ こんな早くに倒されるなんて思わなかったわ！ 流石は『コア・チルドレン』と言ったところかしら？」

「やっぱり、あなたが例の組織の一員だったのね。悪いけどここで倒すわ！」

　私が拳を強く握りしめ構えをとった。

「ふぅん...。あんたが噂の『コア・チルドレン』でも有名なレイカなんだぁ。面白そうな子ねぇ」

「余裕ぶってるんじゃない！ 行くぞ！！」

　私は両の手に炎を纏い殴りかかる。

　だが、その攻撃はいとも簡単に止められてしまう。

「なっ！？」

「あら？ 思ったより弱いんだね！ もっと強いのかと思ってたから拍子抜けしちゃったよ～」

「くそっ！」

　何度も攻撃を仕掛けるが、全く歯が立たない。

　まるで赤子の手を捻るかのようにあしらわれている。

　このままではまずいと思った私は一旦距離をとる。

「どうしたのぉ？ もう終わりぃ？ じゃあ今度はこっちからいくよぉ！！」

　そう言って、両手を前に突き出して、何かを唱え始めた。

「我が名は『ルゥナ』。我が身に宿りし雷の力を解き放ち敵を打ち砕け！ サンダーボルテクス！！」

　すると、彼女の周りに電気が集まり始めやがてそれは槍のような形へと変化を遂げる。

　そして、私に向かって飛んできたのだ！！

「ぐあっ！」

　なんとかガードするがそれでもかなりのダメージを食らう。

「ちょっと本気出すから、覚悟してよね！」

　彼女はそういうと再び詠唱を始めた。

「我の名は『ルゥナ』。我が内に眠る力を呼び覚まし敵を殲滅せよ！ サンダーボルテクス！！」

　またもや彼女の周りには雷が集まっていきそれが槍の形へと変化した。

　先程よりもかなり大きなサイズだ。

　その大きさは約5メートルくらいあるだろうか？

「くらえっ！」

　その言葉と共に巨大な槍が私めがけて飛んでくるのだった。