TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪②

【冥帝】と蒼蛙の2人は俺を挟みながら談笑を続ける。

　まだ【笑極の魔王】の館内だというのに随分呑気なものだ。

　まあ、カズラは一応仲間になっている事だし、突然手を出してくる事はないと思う。

　けれども、やはり他の王国や軍団に比べると信頼に欠けるのも事実。

　別に俺はシスティの言いたいことを完全に否定している訳ではないのだ。

　かの有名なナポレオンも「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」と語っているのを思い出す。

　カズラは決して無能ではないが、もしも俺たちの邪魔をしてくる行動を取った場合それ以上に邪魔な存在になるだろう。

　それにカズラはケロナとシスティの2人がかりでようやく撃退できる程の強者だ。

　それだけの強者がもし裏切れば戦況が一気に傾く可能性がある事も覚悟しての採用である。

　勿論、そんな不安が杞憂に終われば戦力の大幅底上げになるので勝率は一気に向上するだろう。

　詰まる所カズラの存在は俺たちにとって諸刃もろはの剣な訳だが、それを俺は報酬で補っているつもりだ。

　彼は本気で俺がケロナを送ってくるつもりだと期待しているのだろうが、俺が送るのはケロナとそっくりな蛙人を作成し送るつもりである。

　嘘は付いていないように言葉を選んだので大丈夫だとは思う。

　奴は蒼い蛙人を要求してきただけに過ぎない。

　だから俺は蒼い蛙人を送るだけだ。

　そこに嘘も偽りもない。

　奴が俺の能力を知らないだろうからこそ選べた選択肢である。

　奴はきっと俺の事をただの可愛い幼女くらいにしか思っていないのだろう。

　だからそこに付け入る隙があると思わせてから、俺の巧みな言葉使いで彼を欺く事にしたのだ。

　嘘をついた訳ではない、欺いただけだから後で許してもらうつもりである。

　もしも許してもらえなかった場合には仕方がないがケロナにカズラを倒してもらう事にするつもりだ。

　他力本願のようで格好悪いがそれが一番確実なのである。

　まあ、場合によってはまたくすぐられてもいいかもしれない。

　ケロナをあげる訳にはいかないから、俺の体で支払おうという魂胆だ。

　正直なところ彼のくすぐり責めは逸品なのでもう一度味わいたい♡。

　本気のくすぐりは2度と受けたくないが、そこそこのくすぐり体験は程よかったのを思い返す。

　何事も程々が一番だよね。