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俺って最低だな...
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(ああちくしょう...、なんで俺って奴は友人の死に関することになるとこうなっちまうんだ...)
システィには八つ当たりをしてしまったと完全に後悔している...。
(きっと嫌われたな...、俺の本心ってどうしてこうも醜く汚いんだろうか...、皆の悩みを解決したいっていう慾望が渦巻いてきてどんどん大きくなる...)
慾望。
俺はそう思っている。
生前から他人の悩みを聞いて解決したいという欲望は常に持ち得ていた。
別に感謝されたい訳じゃない。
ただ...、人の道を外れたくないという俺自身のエゴなのだ。
浅ましく醜く気持ちの悪い俺の願望。
その欲望が結果死を招く結果になってしまう事を俺は知っているというのに、やっぱり体は動いてしまうのだ。
今回の件もリウを救うという自分に酔っていただけなのかもしれないと思うと、やるせない気分になってきた。
その為に皆に死の危険があるギサラ討伐という旗を掲げ、その下に集まる皆に戦わせようとしているのは他ならぬ自分なのだ。
「俺って最低だな...」
俺は自分に対しそう評価する。
だけど...、その評価を聞いた彼女はそう思ってはいなかったようだ。
「そうじゃな...、今の感情的になっておるお主は確かに最低じゃ」
「...」
「だけど...、普段のお主の事はわしは好きじゃぞ」
「...はっ?俺の事が好き?」
「ああそうじゃ、お主がいたからわしはケロナという友人に出会えたし、アリカ☆の面々とも仲良くなれた事に間違いはあるまい?」
「それは...」
彼女のいう事は合っている。
俺がいなければアリカ☆は誰一人として生まれませんでした...。
「やめろ...」
そう呟いても彼女は言葉を呟き続けます。
「最初はわしもお主の事を過小評価しておったことは謝罪しよう、じゃがな、本当のお主の価値は力などではない、その優しい心にあるのじゃ」
ツンっと俺の胸を突きながら、そう呟く彼女の言葉は妙に体に染み込んでくる。
「やめろって!」
「それにお主のお陰で今では毎日綺麗なお風呂で体を洗えておるしな!、女子としては何気に一番嬉しい出来事じゃったぞ!」
笑みを浮かべながら俺の事を評価してくれているのは嬉しいけれど、まだ彼女の俺に対する不満を聞いていない。
「でもそんな俺にも不満はあるんだろう!?、言ってくれ!」
「ああ、あるぞ」
「なんなんだ?」
彼女は大きく息を吸ってから俺に対する不満を漏らしてくれたのだが...。
「今の不貞腐れたお主じゃ!、お主は馬鹿みたいに笑ってアホみたいな表情を浮かべながら能天気に生きておれば良い!、誰もお主にそんな顔にはなって欲しくないわ!」
彼女の激しくも熱く優しい言葉に俺はバブみを感じまくってしまった。
システィには八つ当たりをしてしまったと完全に後悔している...。
(きっと嫌われたな...、俺の本心ってどうしてこうも醜く汚いんだろうか...、皆の悩みを解決したいっていう慾望が渦巻いてきてどんどん大きくなる...)
慾望。
俺はそう思っている。
生前から他人の悩みを聞いて解決したいという欲望は常に持ち得ていた。
別に感謝されたい訳じゃない。
ただ...、人の道を外れたくないという俺自身のエゴなのだ。
浅ましく醜く気持ちの悪い俺の願望。
その欲望が結果死を招く結果になってしまう事を俺は知っているというのに、やっぱり体は動いてしまうのだ。
今回の件もリウを救うという自分に酔っていただけなのかもしれないと思うと、やるせない気分になってきた。
その為に皆に死の危険があるギサラ討伐という旗を掲げ、その下に集まる皆に戦わせようとしているのは他ならぬ自分なのだ。
「俺って最低だな...」
俺は自分に対しそう評価する。
だけど...、その評価を聞いた彼女はそう思ってはいなかったようだ。
「そうじゃな...、今の感情的になっておるお主は確かに最低じゃ」
「...」
「だけど...、普段のお主の事はわしは好きじゃぞ」
「...はっ?俺の事が好き?」
「ああそうじゃ、お主がいたからわしはケロナという友人に出会えたし、アリカ☆の面々とも仲良くなれた事に間違いはあるまい?」
「それは...」
彼女のいう事は合っている。
俺がいなければアリカ☆は誰一人として生まれませんでした...。
「やめろ...」
そう呟いても彼女は言葉を呟き続けます。
「最初はわしもお主の事を過小評価しておったことは謝罪しよう、じゃがな、本当のお主の価値は力などではない、その優しい心にあるのじゃ」
ツンっと俺の胸を突きながら、そう呟く彼女の言葉は妙に体に染み込んでくる。
「やめろって!」
「それにお主のお陰で今では毎日綺麗なお風呂で体を洗えておるしな!、女子としては何気に一番嬉しい出来事じゃったぞ!」
笑みを浮かべながら俺の事を評価してくれているのは嬉しいけれど、まだ彼女の俺に対する不満を聞いていない。
「でもそんな俺にも不満はあるんだろう!?、言ってくれ!」
「ああ、あるぞ」
「なんなんだ?」
彼女は大きく息を吸ってから俺に対する不満を漏らしてくれたのだが...。
「今の不貞腐れたお主じゃ!、お主は馬鹿みたいに笑ってアホみたいな表情を浮かべながら能天気に生きておれば良い!、誰もお主にそんな顔にはなって欲しくないわ!」
彼女の激しくも熱く優しい言葉に俺はバブみを感じまくってしまった。
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