上 下
621 / 968

サイラ艦隊の性能

しおりを挟む
 ~サイラ軍艦の上~

 俺たちは甲板に上がり潮風に浸る。

 波を割いて悠々海上を走る鋼鉄の獣の存在感は圧巻だ。

 そこにミユキなどに見られる生物的な温かみはないが、ないからこそのロマンがある。

 何本も船体から伸びた黒光りしている魔導砲の格好よさが太陽の光に反射して凄く格好いい...♡。

(あ~...ダメダメ格好良すぎ!)

 俺がうっとりと魔導砲を見ていると、演習が始まった。

 300メートル先に浮いてある木材で作られた小舟を撃ち抜くと言うのだ。

 正直あんな小さい小舟を撃ち抜く事が出来るのか心配である。

 大体軍艦とは相手の艦隊や他の国の領海権を得るために扱う物だ。

 あんな小さな小舟を撃ち抜くと為の力ではない。

 だってそうだろう?。

 人を一人で撃ち殺すのに実際戦車なんていらない、小銃一つあれば事足りるのだ。

 戦車とは相手の牙城を打ち崩すために行使される力。

 決して一人の人間を撃ち殺す為に行使されていい兵器ではないのだ。

 まあ...、あの取り回しの悪さで人間一人を撃ち抜くのが難しいだけかもしれないけど...。

 長々と話したが、何が言いたいのかと言うとあんな小舟をこんな大きな主砲で撃ち抜けるのか疑問があると言う事だ。

 どう見ても過剰火力だし、正直なところ副砲でも充分だろう。

 それを敢えて主砲で狙って見せるという事は、それだけ自信があると言う現れなのだろうと思う。

『目標!!300メートル先の小舟を!角度良し!放てぇ!!』

 音の拡散魔法をかけた船長の声が船内中に駆け巡り、一斉射撃が始まった。

 ドンドンドドン!、と凄まじ爆音が鳴り響き、目の前の海上に水柱が何本も立つ。

 火薬の焼ける匂いと煙が上がる中、300メートル先にあった小舟は完全に砕け散っていた。

 当たればこうなるのは当然なのだが、あんなに小さい小舟を大きな主砲で捉えたという事実こそが大きい。

「すげ~な...、ちなみにミユキはできるか?、あんな小さくて波で不規則に揺れ動く小舟を一回の砲撃で綺麗に当てる事なんて」

「い...いえ、あそこまで綺麗に当てることはできません、沈めるだけなら簡単に行えますけど、1発だけであそこまで綺麗に着弾させる事は難しいでしょう」

「だよな...、流石に命中精度は本職である彼らサイラ海軍の方が圧倒的に高そうだ」

 目の前に走る圧倒的な破壊力と命中精度を見ていると、こんなに心強い戦力が味方に加わってくれて良かったと思うのでした。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...