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妹の答え
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『妹が好き』
その言葉はあまりにも深く、あまりにも尊い...。
だが...、決して口に出していい物ではなのも事実。
言葉を飲み込む事も考えたが、僕は声に出した。
その事に後悔はない。
僕は本当に...、心のそこから...。
『パルナが好き』
なのだから...。
僕の思いを告げられた妹の表情筋は固まったまま動かない...。
寂しいまでの空気が2人を包み込む中、ようやく妹が口を開く。
「お兄ちゃん...」
後が続かない言葉...。
その後に続く言葉が欲しいのに呟いてくれないもどかしさに僕の心は揺さぶられる。
妹の答えがどちらだとしても後悔してはいけない。
いや...、してはならない。
僕達は本来血の通った兄妹。
いま近親の禁忌を犯し、僕達は一度深く繋がってしまった事に違いはない。
いくら不可抗力だとはいえ、一度繋がってしまえば責任を伴う。
だけど...、そんな責任なんかは今は関係ない。
僕は本心から彼女の事が...。
『好き』
なのだ。
この想いだけは止められない。
僕は静かに手を差し伸べる。
「パルナ...、言葉が出ないのであればただ握りしめてくれるだけでいい...」
妹は僕の手をひたすらに眺め続けた...。
まるで傍観者の様に...、されど彼女の瞳に映るそれは、傍観者とは程遠い物。
数秒の沈黙の後、僕の手に微かな温もりが篭る。
「パルナ...」
「お兄ちゃん...、ずるいですよ...、お兄ちゃんばっかり好きだなんて言って...、私も...お兄ちゃんの事が『大好き』です」
溢れる涙を人差し指で拭きながら、僕の頰に触れてくる...。
「嬉しい...、人生でこれ以上に幸福な言葉をかけられた事はありません...、ありがとう...、お兄ちゃん」
なんとも言えない表情を浮かべる妹の顔を、僕は静かに眺める。
白くて綺麗な髪に青い瞳。
見慣れた筈の妹の顔がいつもとは違って見える...。
そう...、一言で表すならただ...。
『美しい』
と言うほかないだろう...。
その言葉はあまりにも深く、あまりにも尊い...。
だが...、決して口に出していい物ではなのも事実。
言葉を飲み込む事も考えたが、僕は声に出した。
その事に後悔はない。
僕は本当に...、心のそこから...。
『パルナが好き』
なのだから...。
僕の思いを告げられた妹の表情筋は固まったまま動かない...。
寂しいまでの空気が2人を包み込む中、ようやく妹が口を開く。
「お兄ちゃん...」
後が続かない言葉...。
その後に続く言葉が欲しいのに呟いてくれないもどかしさに僕の心は揺さぶられる。
妹の答えがどちらだとしても後悔してはいけない。
いや...、してはならない。
僕達は本来血の通った兄妹。
いま近親の禁忌を犯し、僕達は一度深く繋がってしまった事に違いはない。
いくら不可抗力だとはいえ、一度繋がってしまえば責任を伴う。
だけど...、そんな責任なんかは今は関係ない。
僕は本心から彼女の事が...。
『好き』
なのだ。
この想いだけは止められない。
僕は静かに手を差し伸べる。
「パルナ...、言葉が出ないのであればただ握りしめてくれるだけでいい...」
妹は僕の手をひたすらに眺め続けた...。
まるで傍観者の様に...、されど彼女の瞳に映るそれは、傍観者とは程遠い物。
数秒の沈黙の後、僕の手に微かな温もりが篭る。
「パルナ...」
「お兄ちゃん...、ずるいですよ...、お兄ちゃんばっかり好きだなんて言って...、私も...お兄ちゃんの事が『大好き』です」
溢れる涙を人差し指で拭きながら、僕の頰に触れてくる...。
「嬉しい...、人生でこれ以上に幸福な言葉をかけられた事はありません...、ありがとう...、お兄ちゃん」
なんとも言えない表情を浮かべる妹の顔を、僕は静かに眺める。
白くて綺麗な髪に青い瞳。
見慣れた筈の妹の顔がいつもとは違って見える...。
そう...、一言で表すならただ...。
『美しい』
と言うほかないだろう...。
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