TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

サイラ王国民の洗脳解除法

「その者の名前はカズラ...、お前たち全員の偽りの王となりこのサイラ王国の消費税を爆上げしていた張本人であり、今回の件の主犯格だ！」

　俺がそう叫ぶと民衆の間を駆け巡りざわざわ音が大きくなっていくのを感じる。

「なに！？」

「カズラって！？、あの笑災の魔王が私たちの王に化けていたとでもいうの！？」

　いい感じに動揺と不安が蔓延している所に俺は言葉を挟む。

「ああ！、証拠なら教会の中を見に行こうや、まだカズラの死体があるはずだからな！」

　俺が自信満々に皆を引き連れて教会の中に向かうのだった。

　～サイラ大教会・鐘の間～

　皆がまず目にしたのは壊れしまった鐘と血を流し絶命している教皇パメラの死体だった。

「教皇様！！」

「サイラ王国の鐘が...、もうこの国は終わりだ...」

　心配している事は違えど、不安は加速的に増していく。

　王無き国、心の拠り所であった天使の消失、更には...。

「小娘風情がやってくれましたね...」

　何と！、死んでいたと思われていたカズラの奴がボロボロの状態で立ち上がっていたのでした！。

「！！」

「あっ..！、あれは！！」

「魔王カズラ！！」

　民衆全員の不安が爆発した瞬間だった。

　勇者が倒したはずの魔王が今現在この場に立っているという事実が混乱を招いてしまったのだ。

「うわぁぁぁ！！」

　何名かは教会無いから逃げて行き、何名かは動くこともできないほど驚いているような素振りを見せている。

　俺とシスティも驚いていたが、システィはすぐさま戦闘態勢を取った。

「まさか生きておったとはのう...」

「あれくらいで死んだと思われたら困るなシスティ...、俺はそう簡単に死なん！」

「ならもう一度冥界に送ってやろう...、わしの魔法でな！」

　ビリビリと魔王級の迫力が伝わってくるが、カズラは急に笑い出しこう呟く。

「はっはっはっ、面白い冗談だ...、システィ...、お前が一人で俺に勝てると思っているのか？」

「...」

　何故か黙りこくるシスティの後を擁護する俺。

「お前なんかシスティならイチコロだもんね～！！」

　カズラを指をさして調子の良い言葉を並べていると...。

「...小娘は黙ってろ！」

　と叱責されてしまいびびる俺。

「ひぃ！！」

「とは言えダメージがあるのもまた事実...、今回は引かせて貰おうか」

　カズラは笑極の力を使い死神を呼び出すとそれに乗って飛び去っていく...。

「またどこかで会おう！システィ！、それに...」

　ちらっと俺を見て彼はこう言うのだった。

「ケロナにもよろしく！」

「誰が言ってやるか！！」

　軽い男の様な表情を浮かべたまま彼は飛び去った。

　後に残されたのは壊された教会と、戸惑う市民たち、そして死んでしまった教皇の死体だけだった。