TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

報告申し上げます！！

「サイラ王よ！！ご報告があります！！」

「なんだ！騒々しい...」

　王が慌ただしい兵士を玉座から見下ろす。

「じ...実は先ほど...、勇・者・様・達・が・全・滅・い・た・し・ま・し・た・！！」

　その言葉に場内がざわつき始める。

「なんと...勇者様が？」

「サイラ王国は大丈夫なのか？」

　などの不安の声が上がるなか、王だけは笑っていた。

「ふふっ...、はっはっは！、そうか！勇者ディンが敗れたか！」

　何処と無く壊れた様に笑う王を見た側近達は震えていた。

　その時の王の笑みが何処と無く醜悪に満ちていたからであろう。

「失敬失敬、笑って悪かったな皆の衆...、だが安心せよ、我らにはまだあ・の・お・方・達が存在するのだから...」

　王のもたらした言葉に兵士が顔を上げる。

「まさか...王よ！」

「ああ...、奴らが攻めて来た時には、我が王国の鐘・を・鳴・ら・そ・う・」

　王の言葉に側近達は頷く。

「確かに...、勇者様が敗れたからにはもうこれしかなさそうだ...」

「王の判断は正しい」

　などの肯定的な声が上がる中、若い貴族が否定的な言葉を述べた。

「ですが...、あれは禁忌なのでは...」

　そう言葉を漏らした瞬間！！。

　ザシュッ...。

　鈍い音と共に貴族の腹にナイフが突き立てられていた！。

「えっ...？、王よ...何故...」

「我が決断に水を指すな...」

　たったそれだけの理由...。

　それだけの為に若き命が一つ失われる王国。

　王の独裁政権であるサイラ王国の正体なのだ。

　王以外の決断は基本的に王が耳を傾けなければ受理される事はない。

　血の滴るナイフを布で拭く王の前に教会からの使者が訪れる...。

「これはこれは教皇殿...」

　白い髪を腰にまで伸ばした美しき少女...もとい教皇に目が行く者はが多数だったが、それ以上にこれが皆の驚く光景だったのだ。

「王が頭を下げた？」

　幼い彼女にお辞儀をする王の姿に場内がどよめく。

　誰もが見たことのない光景に皆が驚いていた。

「ふふっ...、皆が驚いていますよ、サイラ王...」

「...、ええもちろん気づいていますとも、では行きましょうか」

　幼い教皇とサイラの王が城内を退出する様を見ている事しかできない側近達であった...。