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何があった!!
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私達は観客席からアリカ達の戦いを見守る事にしていた。
(...変な事をホウザの野郎がしてきたら一瞬で殺してやる...!)
そういう強い意志を胸に秘めた私が怖い目で会場を見下ろしていると、隣からリウの奴が私の膝に座りに来た。
「よいしょっと...、ねぇケロナ...、ね~ね達決勝戦勝てるかな?」
少し不安そうな表情をしているが「問題ない」と私は答えた。
すると少しだけ表情が明るくなり会場内にいるアリカを見つめ直す彼女。
「大丈夫だよねきっと...、だってリウのね~ねだもん!」
「ああ...、アリカは意外とやる奴だからな...」
(高確率で敵に捕まるのを除けばだが...)
もちろんそんな事をいちいち彼女に伝えたりしない。
余計な心配をかけさせたくないからだ。
リウにとってアリカは変えのないたった1人の姉なのだから当然だろう。
でも...、だからこそこう思ってしまう。
(普通こういうのって姉から妹に送る感情なんじゃないかな?、なんでリウの奴は姉であるアリカに保護意識ばっかり持っているんだ?)
これは正直謎である。
リウはアリカに甘える素振りこそ見せる物の、本質的には全く頼っていない。
寧ろアリカの方がだらしない部分が多く見られる為、リウの方がお姉さんと言われても不思議ではないのである。
(まあ...、身長差だけはしっかり姉してるからな、アリカの奴も)
寧ろ身長くらいしか姉らしい部分が見られないのは正直言って残念である。
まあ、アリカには他の人には感じない特別な何かを感じるのが魔物としての本能なのだろうけど、なぜ惹かれるのかよく分からない今は私にとって一人の小娘なのである。
(でもなぜだろう...、やっぱりアリカの奴はほっとけないんだよな...、一応親だからか?)
私はいつの間にか考え込んでいた。
よく考えれば別に助けに行く必要も無いはずなのに、毎回の如く私はアリカを助けに行っている。
そこがどれだけ危険な場所でも彼女の為ならば行こうと決心させるだけの理由を彼女が持っているとしか思えない。
でも...、それが何なのか分からないのか分からないのが歯がゆいのだ。
(この気持ちはなんだ?、もしかして今の私と同じような気持ちをリウも持っているのか?)
正直この感情の意味を人に聞くのはむず痒いが仕方ない。
「なぁ...リウってさ...」
「何?」
「アリカのことどう思...」
私が次の言葉を出そうとした瞬間!。
会場に煙が舞い上がり辺りが見えなくなった!。
「!?、アリカっ!!」
私が叫んでも悲鳴のせいで打ち消されてしまう。
「チッ!」
私はリウを両手で囲みながら全身に薄い水の膜を作り上げて難を逃れた。
...。
しばらくすると砂嵐の様に飛び交っていた煙は消え去り、辺りに静寂が訪れていた。
「なんだったの...今の...」
ようやく口を開いたリウをしっかりと抱きしめながら辺りを確認する私。
すると誰かが私達の方に近づいてくるのが見えた。
「ふむ...、これだけの人数がいてあの煙で気絶しなかったモンスターはお前たちくらいか...」
白髪の男が私たちの前に達意味深な事を呟いたので問い詰める。
「あの煙?、さっきの煙を起こした張本人は貴方なの?」
「...ああ、そうだ」
隠す気は全く無いらしく、静かにそう答える彼の姿に少々の焦りを隠せない私なのでした。
(...変な事をホウザの野郎がしてきたら一瞬で殺してやる...!)
そういう強い意志を胸に秘めた私が怖い目で会場を見下ろしていると、隣からリウの奴が私の膝に座りに来た。
「よいしょっと...、ねぇケロナ...、ね~ね達決勝戦勝てるかな?」
少し不安そうな表情をしているが「問題ない」と私は答えた。
すると少しだけ表情が明るくなり会場内にいるアリカを見つめ直す彼女。
「大丈夫だよねきっと...、だってリウのね~ねだもん!」
「ああ...、アリカは意外とやる奴だからな...」
(高確率で敵に捕まるのを除けばだが...)
もちろんそんな事をいちいち彼女に伝えたりしない。
余計な心配をかけさせたくないからだ。
リウにとってアリカは変えのないたった1人の姉なのだから当然だろう。
でも...、だからこそこう思ってしまう。
(普通こういうのって姉から妹に送る感情なんじゃないかな?、なんでリウの奴は姉であるアリカに保護意識ばっかり持っているんだ?)
これは正直謎である。
リウはアリカに甘える素振りこそ見せる物の、本質的には全く頼っていない。
寧ろアリカの方がだらしない部分が多く見られる為、リウの方がお姉さんと言われても不思議ではないのである。
(まあ...、身長差だけはしっかり姉してるからな、アリカの奴も)
寧ろ身長くらいしか姉らしい部分が見られないのは正直言って残念である。
まあ、アリカには他の人には感じない特別な何かを感じるのが魔物としての本能なのだろうけど、なぜ惹かれるのかよく分からない今は私にとって一人の小娘なのである。
(でもなぜだろう...、やっぱりアリカの奴はほっとけないんだよな...、一応親だからか?)
私はいつの間にか考え込んでいた。
よく考えれば別に助けに行く必要も無いはずなのに、毎回の如く私はアリカを助けに行っている。
そこがどれだけ危険な場所でも彼女の為ならば行こうと決心させるだけの理由を彼女が持っているとしか思えない。
でも...、それが何なのか分からないのか分からないのが歯がゆいのだ。
(この気持ちはなんだ?、もしかして今の私と同じような気持ちをリウも持っているのか?)
正直この感情の意味を人に聞くのはむず痒いが仕方ない。
「なぁ...リウってさ...」
「何?」
「アリカのことどう思...」
私が次の言葉を出そうとした瞬間!。
会場に煙が舞い上がり辺りが見えなくなった!。
「!?、アリカっ!!」
私が叫んでも悲鳴のせいで打ち消されてしまう。
「チッ!」
私はリウを両手で囲みながら全身に薄い水の膜を作り上げて難を逃れた。
...。
しばらくすると砂嵐の様に飛び交っていた煙は消え去り、辺りに静寂が訪れていた。
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ようやく口を開いたリウをしっかりと抱きしめながら辺りを確認する私。
すると誰かが私達の方に近づいてくるのが見えた。
「ふむ...、これだけの人数がいてあの煙で気絶しなかったモンスターはお前たちくらいか...」
白髪の男が私たちの前に達意味深な事を呟いたので問い詰める。
「あの煙?、さっきの煙を起こした張本人は貴方なの?」
「...ああ、そうだ」
隠す気は全く無いらしく、静かにそう答える彼の姿に少々の焦りを隠せない私なのでした。
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