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追い詰められた悪人②

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「プハァ...」

 私は静かに横たわる三匹の姿を見下ろしながら、ホウザの奴に近づいてこう呟きました。

「返事は首をYESなら縦にNOなら横にって行え...、返事が遅いと殺す...、騙すと殺す...、変な挙動をしても殺す...、時間をかけすぎても殺す...、ちょっとでも長生きしたいだろう?」

 私の問いに対し彼はコクリと首を縦に振りました。

「アリカのいる場所に連れて行ってくれるよな?」

 こくり...。

 彼は静かに首を縦に振りました。

 私は気配を消して周囲には感知されない様にした後、常にホウザの背後から彼だけに殺意をかけ続けます。

 これだけしても絶対に裏切らないという保証はない為、最新の注意をかけながらゆっくりと彼に付いて行きました。

 ~更に地下~

 彼のいた建物の内部には更に地下に降りる階段が隠されていてその中に入っていく私とホウザ。

 現時点でそこまで目立った反抗はとっていないので、もうそろそろ信頼してもいいのかと思いますが、所詮恐怖による信頼関係なんぞクソの役にも立たないと思いながら更に圧をかけました。

「早くしろ...、あんまり私に長い時間を消費させるなよ...」

 ...、こくり。

 彼は確かな冷や汗を流しながら、私を本物らしくアリカの元へと案内してくれました。

 彼がセキリュティのロックを外し中に入ると、そこには縛り上げられたアリカの姿が確かに存在しています。

「まずはお前が先に部屋に入りアリカに近づいて拘束を解け、その後アリカを素直に引き渡しさえすれば解放してやる...」

 ...、こくり。

 彼は私の指示通りアリカを解放すると、解放された彼女が私を見つけて鼻水を垂らしながら近づいてきました。

「ケロナ~!!!、ありがとう~!!!」

 涙を流しながら感動的な再会を果たした私と彼女ですが、私に近づいて来る彼女に私はとある事を聞きました。

「アリカ...、私の苗字はなに?」

「ケロナの苗字?、あまみん☆!」

 嬉しそうに手を上にあげながら高らかに私の苗字を宣言する彼女こそが本物のアリカでしょう。

「心配かけやがって...、これで捕まるの何度目だ!」

 私が彼女に注意するとビクビクしながら「ごめんなさい」と答えたのでよしとしましょう。

「全く...、少しは自分の立場を考えてから行動しろよな...、だいたいホウザと一緒に行動するなんて頭おかしいぞ...」

「えっ?、どこから俺の行動見てたの!?、ってかそういえば、ケロナは今日用事があるって言ってなかったっけ!?」

 いきなり取り乱す彼女に私は順を追って話すことにするのでした。



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