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これは...なんだ?

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 私はネアの中に蠢くモノを引っ張り上げました。

 その時...。

 ビチャ...。

「えっ?」

 生暖かい血液が中からトロトロと流れ出てきたのです。

 その中にあった小さな握り拳くらいの大きさのモノを取り出すとソレは脈を打っていました。

 ドクン...、ドクン...と小さな鼓動を打ち続けるソレはまさしく...。

(間違いない...、...!)

 私はそれを見た瞬間、ギロリとホウザの方を睨みつけ一瞬で背後に回りました。

「ひっ!」

 あまりも弱々しい男の声を聞きながら体を拘束し耳元でドスの効いた声で囁く私。

「おい...、あれは機械なのだろう?、なのにこの血は何だ?」

 血だらけになった私の手を見せて彼を威圧すると...。

「し...知らん!、ネアの中になんて思っても見なかったからな...」

 ...、彼が嘘を吐いている様には見えません。

 では次に質問を変え、気になった事を聞いて見る事にしました。

「...、この子をどこで手に入れた?」

 彼は顔を真っ青にしながら答え始めます。

と言う左目に×の傷がある白髪の人間の男から買ったんだ!」

「人間の男ギサラ?、その話は本当だろうな?、もし嘘だったら...」

 ガンっと鉄で出来た試合会場のステージをただの足蹴りで壊して見せました。

「お前の無駄にでかい腹もこうなるぞ?」

「ひぃぃ~!!!」

 今の彼の表情から読み取れるのは命への執着心だけ。

 何度もその顔を見てきた私がそう感じているので間違いありません。

 余りにも行き過ぎた行為をしてしまったので審判が介入してきました。

「リウ選手!!、貴女のモンスターが相手テイマーを脅したとみなし失格!!」

「ええ~!!」

 残念そうな表情を浮かべているリウを見て「すまない」と呟く私。

「悪かったなリウ...、アリカとただ遊びたかっただけなのに失格にしちまった」

 頭を掻きながら今の主人であるリウに謝罪する私だったが、彼女の顔はそこまで悪い物でも無かった。

「ううん...、確かにね~ねと戦えなかったのはちょっぴり残念だけど、皆と一緒に大会に参加できてよかったよ!」

 彼女は満面の笑みで私をにっこり見つめてくれているのを凝視してしまうと、つい照れ隠ししてしまう私...///。

(自分の欲望満たせなかったのにこの笑顔...、やっぱりアリカの妹だな...)

「さて...と」

 試合には負けましたが勝負に負けるわけには行きません。

 アリカの居場所を聞こうと彼の方を向くと、既に彼の姿が無くなっている事に気がつく私なのでした。





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