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乱気流

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 アリカ達が決勝トーナメントに勝ち上がっている頃...。

 ~カザイ上空~

 風が揺れる...。

 それはごく自然の出来事...。

 当たり前すぎて誰も気にしない程に...。

 だけど、この他愛のない風が強く揺れ動けばどうだろうか?。

 家屋をなぎ倒し、山を崩し、人も大地も崩壊させる程の力を持つ存在がこの地に舞い降りた時、全ての生命は私にひれ伏すのである。

(我が名はエア...、カザイの四醒竜が1人...)

 空に浮かぶ自身の巨体を唸らせながらカザイの大地を疾走していた。

 この大地に生きる全ての生き物は我らが主導権を握る...、増えすぎたら定期的に潰さなくてはならない...。

 まあ...、そう思いながら行動をしているのは四醒竜の中でも我だけなのだが...。

 四醒竜エアは今カザイの上空を舞っていた。

 もちろん理由は単純明快である。

 増えすぎた生命の調整。

 つまり破壊である。

(100年前も200年前も同じことをした...、今度も同じ事をすれば良い...)

 それが死せし四天の醒竜達全員の上に立っていた竜王様の言葉なのだから...。

(竜王様は言った...、我ら四天の竜を撃破できる者が現れるまではカザイの地にて100年に一度天災を起こせ...と...)

 それが我ら四天の竜が死せし竜王様と交わした約束なのである。

 なのに...。

(まだ他の三竜は目覚めて無いようだな...、全く...、我がまた起こしに行かなくてはならないか...)

 我はため息を吐いた。

 毎回この日が来る度に、我が他の三竜を起こしてあげているのである。

 わりと本気で面倒なので自分で起きて欲しいものなのだが、基本的に竜と言う生命体は自由な者が多く規律がない。

 個人個人が天災級の力を持っているとなれば尚更である。

 実際、下界の人間どもは我らが縄張り争い争っているのだと論分を出した者がいるそうだ...。

 そう思うと馬鹿馬鹿しく感じてならない。

(我らは四天の竜を倒せる者の下に着く為だけに天災を起こしているに過ぎないと言うのに...、全く人間と言う者達は深読みがすぎるな...)

 そう思いながらカザイの上空飛んでいると、ふと雲の中に他のドラゴンの影が見えた。

(誰だ?)

 最初こそ他の三醒竜の誰かかと思ったのだが、そんな感じがしない。

(確認して見るか...)

 我は雲の中に突撃し、謎の虚影を追うのだった。





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