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カザイの大地

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「ついに着いたのか!」

 俺が身を乗り出してよーく地上を観察していると、ユカの奴がやっと姿を現しました。

「おはようございます、アリカ様」

「ユカ、さっきカザイの竜騎士達が来て、俺に入国用の書名を書けと言ってきたんだが...、何か知らないか?」

「入国用の書名を...ですか?」

「ああ」

 一瞬眉を潜め考える彼だったが、すぐ様こちらを向き、こう呟きました。

「もしかしたら、何かの手違いで書名が遅れているのかもしれませんね」

(むぅ...、だがユカが俺の書名を送り忘れるとは思えないし...、やはり向こうの手違いか?、でも俺の名前は知っているみたいだったし...、よく分からんな...)

 難しい事を考えるのは苦手な為、考えるのはやめます。

「とりあえず...、楽しみだな!新大陸!」

 俺がウキウキしながら笑顔を振りまくと、彼は少し深刻そうな顔でこう言ってきました。

「アリカ様、会場についたら絶対にお供から離れないで下さいね、特に他のテイマーのモンスターについては絶対に手を出してはいけません」

「?、何だ急に改まって...、それに俺が他のテイマーのモンスターに手を出すわけないだろ」

「いえ、アリカ様の性格上、手を出してしまう可能性があると思うので...」

「???」

 彼の言っている意味がよく分かりませんが、とにかく約束しておきましょう。

「わかった、俺は他のテイマーには一切手を出さない!、ただ正当防衛の場合は別だからな!」

「はい!、それならば大丈夫です」

 俺たちは話していると、ついに会場が見えてきました。

「おっ!あれが会場だな!でっけー!」

 俺は眼前に広がる大きな建物に目を輝かせます。

(あそこで今から熱狂的なバトルが繰り広げられるんだろうな~!、くぅ~、燃えてきた~!!)

 まだ見ぬレアモンスターやテイマー達との熱いバトルにはやくも期待が高まってしょうがない俺。

「ピンポンパンポ~ン!!、長らくお待たせ致しました、カザイのバトルトーナメント会場上空に着きましたので、今から降下致します、アリカ様とユカ様は船内にお戻り下さい」

 俺とユカはミユキに言われた通り船内に戻り身支度を整える。

(さあ...、俺がカザイの大地に降り立つまであと数分、はやくバトルしてみて~!)

 ゲームでよくやっていたモンスター同士のバトルをこの目で見られるなんてワクワクします。

「よしっ!準備OK!」

 俺がそう呟くとミユキは徐々に降下して行き、俺たちが降りれるように階段を掛けてくれました。

「本機はカザイトーナメント会場に着陸致しました、ご搭乗の皆様お疲れ様でした」

「よし!行くか!」

 俺たちアリカ組は、ついにカザイの大地へと足を踏み入れるのでした。

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