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龍戦艦!ミユキの内部

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「おおっ!意外にちゃんとしてるな!」

 俺は今、ミユキの背中の上にある城内にいました。

 高価そうなアンティーク調の品数に黒光りする廊下と壁天井。

 そしてふかふかそうなソファや明らかに広い内部にご満悦の俺はゆっくりとソファに座りました。

「おっ!やっぱりふかふかだなこのソファ」

 俺が思わず声を上げると、不意に声を上げる者がいた。

「凄いですね!、家具とかもありますし、人数分以上の部屋を完備だなんて凄すぎます!」

 とサアヤは飛び上がって興奮してるのも納得である。

 彼女は廊下の先を指差してこう言いました。

「アリカ様!、奥の方まで探検してきてもいいですか?」

「ああ、別にいいぞ」

「やった!、ありがとうございます!」

 尻尾を左右に振り回しながら駆け出す姿は、まるで子供のようである。

(やれやれ...、今から戦いに行くんだってわかってんのかなあいつ...)

 浮かれている彼女の姿を見ていると先が思いやられますが、羽休めも確かに必要なのであまりとやかく言うつもりはありません。

 俺はおもむろにカウンター席に移動し、注文を店員に言いました。

 店員とは俺が先日雇用したモンスター娘達の中から、見てくれの良い者達をここの専属スタッフとして緊急配置した者達です。

 流石に身の回りの世話を自分でしているほど俺も暇ではないのである。

「コーラー頂戴」

「はいっ、アリカ様」

 獣人の娘達はなれない手つきで用意してくれる。

 その姿が愛らしく、ついつい見入ってしまう。

(ああ~、良いよな~獣人見習いメイド♡、ケモ耳とかめっちゃ触りたくなる♡)

 俺はメイド服から覗かせている尻尾や、ヘッドレスの邪魔になってそうな耳を見て嬉しい気分になっていると、隣にユカの奴が座ってきました。

「アリカ様、少し話いいですか?」

 何やら真剣そうな表情の彼を見て、一気に気分が180度ほど変わる俺。

「なんだ?ユカよ、俺に相談か?」

 いつものアリカちゃんボイスではなく、俺なりに頑張って魔王様ボイスを出してみるが、思ったほど変わっていない。

「...」

 何やら思いつめた表情でこちらを見てくる彼に対し、俺はただ目線を合わせ何も言わないでいると...。

「アリカ様、もしも俺とトーナメントで当たった場合、絶対に手を抜かないでください」

 いきなりそんな事を言われたので俺はびっくりした。

「いやいや、俺は手を抜かないぞ!、ユカと当たったとしても全力で行くから安心しとけって!」

 俺はにかっと笑い、彼の肩を叩いた。

「...それならいいんです、お時間とらせてすみません」

 彼は礼儀正しく一礼するとその場を去って行く。

(あいつ...何しに来たんだ?、俺が手を抜くわけないだろうに...)

 俺はモンスターマスターなんていう大層な称号を持っていますが、テイマーとしてはどう考えてもユカよりも数段下なので、手を抜く余裕なんてないのです。

(あいつ...やっぱり本気で俺の事を格上だと思い込んでいるんだな...、うわぁ...余計負けられなくなった...)

 流石に予選落ちだと彼にカッコがつかないと思った俺は、何がなんでも決勝トーナメントには出場しようと決心するのでした。
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