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敗北感...

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「くそっ...パロムとか言ったか...、次は必ず勝つ...」

 私はそう思いながらユカの元に戻る私。
 羽を翻し元コルネロの屋敷へと向かうと、彼の背中が見えました。

「ユカ...」

「ああリュアお帰り!、...その表情なにかあったのか?」

 流石はユカです、自分のモンスターの体調管理には敏感なのは今も昔も変わりません。

「うん...実は...」

 私はことの経緯を話した。

「なるほど...、アリカ様はまた新たなモンスターを生み出されたのか...、しかも強化したリュアを圧倒しうるだけのパワーをもつ者をか...、ますますアリカ様に興味が湧いた!」

 なぜか笑みを浮かべる彼でしたが、今の私はそんなことよりも知りたい事があるのでした。

「ユカ...、どうすれば私はもっと強くなれますか...、まだまだ力が足りない...、せっかく最強種である黒龍に生まれたのだから私にはまだ伸び代があるよね?」

 あれだけ完膚なきまで叩きのめされたのは本当に久しぶりだった為、私の心は相当悔しい気分になっているのです。
 あの生意気な悪魔王を名乗る娘をひんひん言わしたいという欲求がどんどん自分の中で膨張し止まらない。
 彼はそう言う私にこう呟きました。

「すまないがリュア、俺にはお前をこれ以上強くしてやる事はできない」

「どうして?」

「そもそもの前提としてお前はまだ幼体だ、幼体であるお前の成長限界などとうの昔にきていた、それをアリカ様がどうやったかはわからないが底上げしてくれたのだ、お前はそれで間違いなく同世代では最強の個体になったといえよう...」

「でもパロムには負けちゃったよ...」

 彼は悲しそうに首を横に振りました。

「それはそのパロムっていう子が圧倒的に強かっただけさ、多分リュアとは比べものにならない程の年月と月日を生きているんだと思う、じゃなければリュアが簡単に負けるはずないからな」

「なに...、って事は私じゃパロムに勝てないっていうの...?」

「そうは言ってないだろ、ただ年月がかかると言っているんだ、リュアはまだ幼体、伸び代はまだまだ充分にある、成体になってから再挑戦してもいいんじゃないか?」

 いつか勝てるとしてもそれは何年先になるのだろうか?。
 その間にアリカを取られてしまわないかとっても不安なのだ。
 今の私にとってアリカ=ふぉーしゅん☆は女神にも等しい人物であり最高の嫁だと思っている。
 大切な人が突如現れた雌狐に化かされようとしているのかと思うといても立ってもいられないのだ。

「...、もう一度あいつに会って話をしてみる」

 これが今できるであろう最大限の行動だと私は考えた。
 力で勝てないのであれば言葉で勝つと言う意気込みである。

「よしっ!その域だ!、お前は俺が使役したモンスターの中でも最高峰のモンスターであると俺が断言する、行ってこい!リュア!」

 彼に頭を撫でられると、まるでお父さんに撫でられているような気分になる。
 たとえ本当の親ではないと分かっていても、彼のことは親の様に思えてならない。

「うんっ!分かった!」

 いつのまにかさっきまでの敗北感の様なものは消えていた。
 今の私にあるのは希望にも似たこの舞い上がる様な感情だけだ。
 さっきまでの弱々しい羽はなく、そこにあるのは空を舞う王者の翼。

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 私は元来た道を急いで戻るのだった。

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