TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

意味わからん...

「おい...、そもそも何故俺たちに値段をつけたんだ？、まるで意味がわからんぞ...」

「えっ？、だってモンスターって野生の物以外は基本売り物でしょ？」

　俺と彼女の認識のズレがあるのだろう。
　さっきから話が噛み合わない。
　一旦時間を置いてから彼女に事実を告げる。

「あのなぁ...、モンスターは売りもんじゃないぞ、皆生きてるし動物さ、値段をつけるなんて間違ってるだろ？」

　俺はそう思う。
　前の世界では動物に値段をつけて命の売買をしていたる所を何度か見て来たが、あれもなかなか度し難い事をしていると思えてならなかった。
　動物とはいえそれもまた命。
　そこに人間と言う種族は値段をつけて売買しているが、あれは自然に対して喧嘩を売っている様にしか見えないのだ。
　こちらもそうなのかと思うと吐き気がする。
　サラは俺の言葉を聞くと驚いた様な表情で口を開いて来た。

「えっ！？そうなの！？、でも国はモンスターを商品だって言ってるよ！」

　俺はそれを聞いて呆れかえってしまう。

「いやいやそんな訳...」

　俺が否定しようとすると話に割り込んでくるユカ。

「いえ、アリカ様、この大陸ファリア大陸ではモンスターの尊厳は殆どありません、モンスターが一斉駆除された歴史もありますし、顔の良いモン娘であるならば富裕層の慰み物として売りに出されている所も何度かみてきました」

「なにぃ！！それは本当か！？」

　俺は怒りのあまり興奮した声で彼の顔を見ていた。
　彼は澄ました顔で話を続けます。

「本当です、現に今この小娘はそう言っていたでしょう？、これが今のファリア大陸の現状であり真実です」

　あまりの衝撃を受けた俺は拳を握りしめた。

「なるほど...、そうか...、そう言うことだったのか...」

　俺はサラにもう一度聞く。

「本当にこの国はモンスターを商品だと言っているんだな？」

　念を押す様に彼女に聞くと、彼女は戸惑いながら答えてくれた。

「そ...そうだけど...」

　俺は大きく深呼吸をしてユカにこう呟いた。

「ユカよ...、俺は決めたぞ！、この国を侵略しモンスターによるモンスターのためのモンスターによる政治を行なってやるんだ！、そうすれば恐らく世界はいい方向に変わっていくはずだ！」

　自信満々に俺が呟くと、彼も同意してくれた。

「やりましょう！！、そうすれば俺ももっと良いモンスターを手に入れる事ができますし、お互いにwin-winですね！」

　俺とユカはお互いの手を取り合ってモンスターによって支配されたこの世界の未来を考えた。
　勿論支配すると言っても人間を根絶やしにするとかではない、ただモンスターにも人権の様な物を与え共存の道を詮索する為に侵略を行うのだ。

「そうだ！！、今日から俺が侵略者アリカ=ふぉーしゅん☆と名乗ろう！なんかかっこいいからな！」

「良いですね！！アリカ様カッコいいです！」

　俺とユカで持ち上がっていると、サラが横から口出しして来た。

「無理だって！！この大陸の1番でかい王国には世界を救った勇者だっているし、点在する町にもそれぞれ英雄だのが存在するんだよ！？、無理無理絶対に無理！！」

「そうかな？...、やって見なくちゃわかんねぇ！！」

　よし、取り敢えずの侵略プランを考えようとした時に彼女が目に留まった。

「お前、そういえば貴族なんだったよな？」

「そうだけどどうしたの？」

「だったら話は早い！一芝居手伝え！」

　首をかしげる彼女の姿を見ながら、侵略への第一歩を歩もうとする俺だった。