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情報提供者(プロバイダー)【改】

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 ~コルネロ亭~

 俺は今幼女盗賊団の巣穴に足を踏み入れた。

 ここに来た理由はただ一つ、親分であるコルネロにアリカ=ふぉーしゅん☆の人相書きを見せ情報を売ることだ。

 このコルネロという男は豪腕である事と幼女が大好きという特異な性癖で広く知られている。

「コルネロ様はいらっしゃるかな?」

「誰だお前は?」

 門番に止められるがイキのいい幼女の話を持って来たというとすんなり通してくれた。

 そして奥の部屋で待つようにと言われ、そこで待っていると親分であるコロネロが姿を現した。

 そいつはずっしりとした腹の持ち主だったので少し笑いそうになったが、勿論笑わない。

 もしクスリとでも笑えばその瞬間俺は八つ裂きにされるだろう。

 奴は腐っても盗賊団の首領として長年やってきた実力者なのだから...。

「お前か?、俺好みの幼女の情報を持ってきたという奴は...」

「左様でございます、コロネロ様」

 俺は口頭でアリカ=ふぉーしゅん☆の風貌を語った後に、ピースサインで映し出されている俺自身の記憶を見せ信用を得た。

 魔法で自分の記憶の一部を他者に見せることの出きる能力を俺が持って生まれたのは幸運だった。

 目で視認するだけで誰にでも情報提供ができるので、ほとんど疑われる事なくスパイ活動のような事が出来るのが強みだ。

 現に彼女の容姿の記憶を見たコルネロはだらしない顔で喜んでいる。

「お気に召しましたかな?」

「ああ...、お前には報酬をたんまりとやろう...」

 金の入った小袋を俺に投げつけて彼は去って行った。

 金さえもらえればもうこんな所に用はないのでさっさと帰る。

 彼の出て行った部屋の向こう側からは少女達の悲鳴が聞こえるが、俺は知らない振りをして逃げるように立ち去った。

(自分の身を自分で守れない奴が悪いんだぜ...、俺は悪くねぇ...、俺は悪くねぇんだ...)

 この仕事はあまり気分の良いものではない。

 そこら中の幼女を片っ端からこの目に映して、その情報を変態共に売って回る。

 昔っから何人の子供達を売ってきたかわからないが、俺にはこうして生き延びる他なかったのである。

 戦闘力が高いわけでもなく見た目がいいわけでもない。

 ただ、この能力のお陰でこんな世界でも生き抜けたという事実だけが俺の本音である。

(すまないなアリカ...、俺の今日生きる為の糧となってくれ...)

 渡された小袋の中身を確認しながら、俺はコルネロ亭を去るのだった...。
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