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しおりを挟む「・・・留守?」
通されたリビングの静けさを美優が疑問に思えば、両親は急用で出掛けたとのこと。
(残念なような、ほっとしたような・・・)
圭の両親との初対面に、ここまでの道のりを緊張しながらやって来た美優は、若干むくれた。
「着く前に連絡してくれても良かったのに!緊張しながら来たんだからね!」
「───たら(ボソボソ」
「何?」
「居ないって言ったら来てくれないかもって・・・。会えると思ってたのに会えないなんて嫌だったから。」
「わ、私だって会えないのは嫌だから来るわよ!」
「そっか。いらない心配だったな。」
「うん。」
「あ~・・・その・・・えっと・・・・・・」
(ここまでは計画通り。後は・・・・・・冷静に・・・冷静に・・・)
「お俺のへ部屋でゆゆっくりしよう!」
「・・・うん。」
(つ、突っ込まない方いいよね?)
「じゃあ先に行って待ってて。飲み物とか持ってくからさ。あ、俺の部屋は上がって右だから。」
「分かった。早く来ないと引き出しとか漁っちゃうかもね~」
「マジ止めて。」
無人の部屋──そこは圭が暮らす空間であり、寝起きをしてる場所で、当然ベッドが置かれている。
(うう・・・落ち着かない・・・)
圭の両親が不在でなければ、ベッドが目に入ったとしても、美優もここまでソワソワした気分にはならなかっただろう。
圭の両親に挨拶し──まぁ多少は雑談なんかをした後は、圭の部屋で寛いで、ちょっとキスなんかしたりして時間まで過ごすと思ってたのに、蓋を開けてみれば完全に二人きりで、そんな状況でベッドが目に入ってしまえば、変なことに考えがいってしまいそうになるのは仕方がない。
(べ、別に欲求不満とかじゃないんだからね!)
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