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夫婦で過ごすバレンタインデー
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祝日に出勤をした代休で、バレンタインデーが休みになった。
三連休の最終日、とうとうお互いに用意したチョコレートを開封する日が来た。
朝食べれば今日のエネルギーとして消費されるので、ゼロカロリーというのが、妻との共通認識だ。
トーストとサラダの朝食を済ませたあと、おかわりのコーヒーのお供にチョコレートを食べる。
コーヒーは、チョコレートと一緒に、妻がコーヒー専門店で買ってきてくれたオリジナルブレンドだ。
飲みやすく、チョコレートの味の邪魔になりにくい気がする。
念のため、コーヒーの味をリセットしたい時用に、白湯も用意している。
最初は、妻が買った、花のパウダーで色づけされたチョコレートと、私が買ったエディブルフラワーつきのチョコレート。
花の色が食欲をそそる。
エディブルフラワーつきのほうは、フルーツ味がデザートっぽい気がする。
チョコレートは一応、お互いへのプレゼントの体にしてはいるが、実際には分け合って食べる。
でも、自分が買った物を、自分が最初に食べることはしない。
プレゼントである以上、受け取った相手が優先だ。
次は、妻が買ったコーヒーチョコと、私が買ったキャラメルアソート。
どちらも甘みがちょうどいい。
午前中最後の分は、妻が買った日本酒ボンボンと、私が買った焼酎ボンボン。
酒が使われていても、飲酒とは違うので、午前中でも問題はない(ということにしている)。
チョコレートタイムのあとは、夫婦で散歩に出た。
散歩専用道と呼べる歩道があり、並んでゆったりと歩くことができる。
人口240万人を超える大都市でも、幅の広い歩道がある地域を選んで住んでいる甲斐がある。
気温は5℃を下回っているが、これから少しは気温が上がってくる。
それに、人気がないので、寄り添って歩けば寒くない。
途中、四阿で休憩する時に飲む紅茶を、保温ボトルで持ってきてもいる。
歩道の片隅で咲いているシクラメンやパンジー・ビオラ・エリカの花を写真に収める妻に歩を合わせながら、ゆっくりと歩く。
椿の生け垣が美しい家が目に入る。
「椿の季節よね。今年もまた、乙女椿や源平椿を撮りたいわ」
と妻が言う。
妻には写真のファンが居る。
正確には、写真のファンも。
元々、文章のファンが居たところに、ガラケー時代からの写真ファンが増えた。
もちろん、私も妻のファンのひとりだ。
一緒に歩いている時に妻が撮影するのなら、協力は惜しまない。
四阿で休みながら、スマホの画面でいち早く妻の写真を見られるのは、夫の特典だ。
表には出さない写真も、私は見ることができる。
妻が公表しない撮影場所も、私だけは知っている。
ファン冥利に尽きる。
それぞれのボトルから紅茶を飲みながら、帰る道順を話し合う。
公園に立ち寄れる道順に決めた。
三連休の最終日、とうとうお互いに用意したチョコレートを開封する日が来た。
朝食べれば今日のエネルギーとして消費されるので、ゼロカロリーというのが、妻との共通認識だ。
トーストとサラダの朝食を済ませたあと、おかわりのコーヒーのお供にチョコレートを食べる。
コーヒーは、チョコレートと一緒に、妻がコーヒー専門店で買ってきてくれたオリジナルブレンドだ。
飲みやすく、チョコレートの味の邪魔になりにくい気がする。
念のため、コーヒーの味をリセットしたい時用に、白湯も用意している。
最初は、妻が買った、花のパウダーで色づけされたチョコレートと、私が買ったエディブルフラワーつきのチョコレート。
花の色が食欲をそそる。
エディブルフラワーつきのほうは、フルーツ味がデザートっぽい気がする。
チョコレートは一応、お互いへのプレゼントの体にしてはいるが、実際には分け合って食べる。
でも、自分が買った物を、自分が最初に食べることはしない。
プレゼントである以上、受け取った相手が優先だ。
次は、妻が買ったコーヒーチョコと、私が買ったキャラメルアソート。
どちらも甘みがちょうどいい。
午前中最後の分は、妻が買った日本酒ボンボンと、私が買った焼酎ボンボン。
酒が使われていても、飲酒とは違うので、午前中でも問題はない(ということにしている)。
チョコレートタイムのあとは、夫婦で散歩に出た。
散歩専用道と呼べる歩道があり、並んでゆったりと歩くことができる。
人口240万人を超える大都市でも、幅の広い歩道がある地域を選んで住んでいる甲斐がある。
気温は5℃を下回っているが、これから少しは気温が上がってくる。
それに、人気がないので、寄り添って歩けば寒くない。
途中、四阿で休憩する時に飲む紅茶を、保温ボトルで持ってきてもいる。
歩道の片隅で咲いているシクラメンやパンジー・ビオラ・エリカの花を写真に収める妻に歩を合わせながら、ゆっくりと歩く。
椿の生け垣が美しい家が目に入る。
「椿の季節よね。今年もまた、乙女椿や源平椿を撮りたいわ」
と妻が言う。
妻には写真のファンが居る。
正確には、写真のファンも。
元々、文章のファンが居たところに、ガラケー時代からの写真ファンが増えた。
もちろん、私も妻のファンのひとりだ。
一緒に歩いている時に妻が撮影するのなら、協力は惜しまない。
四阿で休みながら、スマホの画面でいち早く妻の写真を見られるのは、夫の特典だ。
表には出さない写真も、私は見ることができる。
妻が公表しない撮影場所も、私だけは知っている。
ファン冥利に尽きる。
それぞれのボトルから紅茶を飲みながら、帰る道順を話し合う。
公園に立ち寄れる道順に決めた。
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