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第2部
【5】妄想女の擬似デート?⑪ー4(~伊月視点)
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【5ー⑪】
「はあ~ 若先輩。アイツ『生徒会』に来ると思う? 俺、ほんとマジで嫌なんだケド。アイツも俺の事そう思っていればいいのに。 そうしたら絶対に来ないでしょ?」
そんな心底嫌そうな表情の俺とは逆に若村先輩は楽しげな表情だ。ーー面白くない。
「クスッ、伊月には残念だけれど彼は きっと来ると思うよ? だって伊月が逆の立場でも、きっとそうしただろ?
そうだなあ、出来れば橘の弟君も一緒なら尚の事 申し分ないね。彼も有島君同様に優秀な人材らしいからね。
伊月は嫌かもしれないけれど、これで『生徒会』も一層 賑やかになって、俺も最後の高校生活が楽しみになってきたよ」
「やっぱり若先輩の本音は そこか! 色々言ってたけど、最後に行き着くのは自分が楽しいってだけじゃん!」
「それは あくまで『付属』ってだけだよ。俺は3年の『生徒会長』として今後の『生徒会』の運営を考えての事だし、伊月の為にも協力しているんだよ?」
「それは どうだか。有島も可愛い後輩なんでしょ? それなら結局、アイツにも協力するって事じゃん」
ふくれっ面で そっぽを向く俺に若村先輩は小さなため息と共に肩を竦める。
「生徒会長としては『公平』じゃないとね。う~ん、まあ、協力というよりかは どちらも見守るって事かな。
だけど個人的には伊月の味方だから相談なら乗るって言ったよね? だから伊月にだけ特別に俺の妹に頼んで、今、橘が夢中になっている乙女ゲームの『春人』クンを見せてあげようと思っているんだけど、それって『協力』とは言えないかな?」
「え? それマジで?」
思わぬ言葉に若村先輩の方に視線を向ける。
「うん。妹がゲームをしている所を見せてくれるかは聞いてみない事には分からないけど、ゲーム自体は貸してくれると思うんだ。だから今度、俺の家においで?
『春人』クンが参考になるかどうかは分からないけど、橘の恋する相手が どんな男なのか知る事で傾向と対策とか色々研究出来るだろ?
ーーああ、俺がこんな事をするのは伊月だけだからね。さすがに俺も自分から進んで乙女ゲームで遊ぶ趣味は全く無いからさ」
「若先輩!! さすがは俺の見込んだ先輩!! ホントに俺の味方だったんだ!? 超~嬉しいっす! もう見捨てられたかと思った!」
「言っただろ? 伊月とは同じ『生徒会長』で仲間だし、昨年呉羽がいた時も伊月にはお世話になった事もあるからね。 俺個人にしてみれば伊月を応援したいんだよ。
ただ役職的には贔屓はしないからかといって見捨てたわけじゃないからね?
だから伊月も有島君が『生徒会』に来ても後輩苛めは無しだよ?仲良くなれというのは感情的には難しいかもしれないけれど、それでも同じ仲間として皆と平等に接してあげて欲しい。恋敵で争うのはプライベートだけだからね」
「はあ~ 分かってるよ。勿論、公私混同はしないし、きちんと『生徒会長』としての責任は果_たすから安心していいよ。
だけどさ~俺がよくってもアイツが どうだか分かんないじゃん? 逆に俺の方が苛められそうだし」
「フフッ、そこは兄貴分として大目に見てあげたら? だけど有島君も見たところ真面目でしっかりしている感じだから その辺の分別はきちんとすると思うな。
それに、もしそうじゃなくても、そこは橘が教育してくれるよ。彼女、怒ると結構怖いしね。しかも有島君は橘には全面的に頭が上がらないみたいだから、彼女は抑え役にしても適役だよ。
ーーってそういえば、伊月も橘には頭が上がらないんだったな。やっぱり橘には『生徒会』に戻ってきてもらって下級生の教育を手伝ってもらわないとね。それなら伊月も俄然やる気が出るだろ?」
「うう~ 珠里ちゃんが戻ってくるなら我慢出来るかも………」
「うん。それは任せてよ。橘の性格からして大丈夫だとは思うけど、一応 ゴリ押しか泣き落としで承諾させとくから」
「………つくづく若先輩が恋敵じゃなくてよかったよ。若先輩が恋敵だったら絶対に敵わないどころか、あの珠里ちゃんでさえもイチコロかもしんない」
「う~ん、それはどうだろうね? 彼女は基本的に年下好みのようだから、俺みたいなタイプは橘の好みとは全く合わないんじゃないかな?
それに俺の場合、橘は恋愛対象として見るにはあまりにも可愛いすぎて「苛めたい」とか全然思わないんだよ。寧ろ親心の方が勝って心配っていう感情の方が強いかな?
だから俺としてはさ、例えて言うなら橘はお見合い相手として結婚は出来るけど、彼女への愛情は『家族愛』で『恋愛』じゃないって言えば分かる? しかもそこに呉羽が現れたりなんかしたら、俺、正直言って浮気するかもしれない」
それを聞いて俺は呆れた顔で非難の視線を向けて睨む。
「………若先輩、『誠実』はどこ行ったんすか? 優しくて爽やか好青年路線で世に通っているんだから、イメージがた落ちするような事言わんで下さい。
俺、若先輩にだけは絶対に珠里ちゃん渡さねぇーーっつーか、誰にも渡すつもりないけど」
すると若村先輩は小さく肩を竦めて見せる。
「だから『例え』だって言ったろ? そんな顔で睨まなくても大丈夫だから。実際は俺の彼女は呉羽なんだし『本命』を捕まえているのに浮気なんかするわけないよ
ーーって言いたかっただけ」
「若先輩は何かと危ないんだよ。 言動とか態度とかさ、思わず女がコロッと落ちてしまいそうな雰囲気醸し出してるし、しかも基本的に女には すごく優しいだろ?
だからマジで忠告するケド、本当に呉羽先輩に誤解される前に少し控えた方がいいんじゃない?
呉羽先輩は、それこそ珠里ちゃんみたいに単純じゃないからさ。一度拗れると理解を得るのは結構、難しいんじゃないの?」
「う~ん。中々に耳の痛い助言だね。それは俺も気を付けようとは思っているんだけど、
だからといって理由もなく女の子に素っ気なくなんて出来ないし困っているのなら放っても置けないし、これは俺の性格だから思うようにはいかないんだよ。
呉羽が年上で同学年でないのが まだ救いなのかな?
それに呉羽は一見、融通が利かなそうに見えるけれど、ああ見えても理解はあるんだよ。じゃなかったら俺達とっくに別れてるかもね?」
「それは呉羽先輩が忍耐強いからです!」
「ははは、本当にそうだよね。実は俺も彼女には頭が上がらないんだよ」
若村先輩は爽やかにニコニコと笑いながらあっけらかんと話すので、こちらの方は まるで拍子抜けである。
ーー若先輩、本当に分かっている上で言っているんだろうか? この人の こういう能天気っぽいところも『天然』なのか『ワザと』なのか今だに分かんないもんな。
これが珠里ちゃんなら間違いなく『天然』って分かるんだケド。
「取り敢えず若先輩の事を気にする余裕は俺には無いんで自分の事だけに専念せてもらいます。
ーーまあ、若先輩が彼女に振られたらその時は慰めてあげるんで相談して下さい。
とにかく、まずはその乙女ゲームの『はると』だな。珠里ちゃんの心を鷲掴みにしているその魅力とやらを解明する方がアイツを牽制するより効果有りかもしれない。しかも共通の話題なら興味も引けるし。
ーーよし! 若先輩、妹ちゃんに頼んでもらって協力のほど、お願いします!」
「う~ん。なんか「振られたら」とか気分は複雑だけど、取り敢えず了解。だけど あくまで乙女ゲームだから男の伊月が果たしてゲームキャラに同感出来るかは分からないけど、家に帰ったら後で連絡するよ」
「若先輩! サンキュー! やっぱり持つべき味方は頼りになる上司だな。そうと決まれば早く帰ろうよ。“善は急げ”っていうでしょ?」
「“急がば回れ”っていうのもあるけどね。まあ、それでも伊月が元気になってよかったよ。伊月が暗かったら、それこそ周りにいる人間もどうにも暗くなってしまうからね」
「俺は珠里ちゃんと同じくポジティブ精神モットーだから、いつまでも引き摺ってなんていられませんって。とにかく前に進まないと何も始まらないでしょ?」
「そういう所が伊月の強みだよね。 だからなのかな? 同じタイプの橘との相性がすごく良いのは。恋敵は手強いかもだけれど、伊月も負けてないから頑張れ」
「うおおお! 若先輩から誉められたああ~」
俺は感動のあまり周囲の視線も気にせず両手でガッツポーズを取りながら全身で今の気持ちを表していると、若村先輩の やや呆れ気味の声が掛けられる。
「ーーねえ伊月。ここがどこだか忘れてない? 恥ずかしいから俺は先に行くよ?」
「ああ! 若先輩ゴメン! 待って待って!」
そんな俺は自分を置いて先に歩いて行く若村先輩の後ろを慌てて追いかけたのだったーーー
【5ー続】
「はあ~ 若先輩。アイツ『生徒会』に来ると思う? 俺、ほんとマジで嫌なんだケド。アイツも俺の事そう思っていればいいのに。 そうしたら絶対に来ないでしょ?」
そんな心底嫌そうな表情の俺とは逆に若村先輩は楽しげな表情だ。ーー面白くない。
「クスッ、伊月には残念だけれど彼は きっと来ると思うよ? だって伊月が逆の立場でも、きっとそうしただろ?
そうだなあ、出来れば橘の弟君も一緒なら尚の事 申し分ないね。彼も有島君同様に優秀な人材らしいからね。
伊月は嫌かもしれないけれど、これで『生徒会』も一層 賑やかになって、俺も最後の高校生活が楽しみになってきたよ」
「やっぱり若先輩の本音は そこか! 色々言ってたけど、最後に行き着くのは自分が楽しいってだけじゃん!」
「それは あくまで『付属』ってだけだよ。俺は3年の『生徒会長』として今後の『生徒会』の運営を考えての事だし、伊月の為にも協力しているんだよ?」
「それは どうだか。有島も可愛い後輩なんでしょ? それなら結局、アイツにも協力するって事じゃん」
ふくれっ面で そっぽを向く俺に若村先輩は小さなため息と共に肩を竦める。
「生徒会長としては『公平』じゃないとね。う~ん、まあ、協力というよりかは どちらも見守るって事かな。
だけど個人的には伊月の味方だから相談なら乗るって言ったよね? だから伊月にだけ特別に俺の妹に頼んで、今、橘が夢中になっている乙女ゲームの『春人』クンを見せてあげようと思っているんだけど、それって『協力』とは言えないかな?」
「え? それマジで?」
思わぬ言葉に若村先輩の方に視線を向ける。
「うん。妹がゲームをしている所を見せてくれるかは聞いてみない事には分からないけど、ゲーム自体は貸してくれると思うんだ。だから今度、俺の家においで?
『春人』クンが参考になるかどうかは分からないけど、橘の恋する相手が どんな男なのか知る事で傾向と対策とか色々研究出来るだろ?
ーーああ、俺がこんな事をするのは伊月だけだからね。さすがに俺も自分から進んで乙女ゲームで遊ぶ趣味は全く無いからさ」
「若先輩!! さすがは俺の見込んだ先輩!! ホントに俺の味方だったんだ!? 超~嬉しいっす! もう見捨てられたかと思った!」
「言っただろ? 伊月とは同じ『生徒会長』で仲間だし、昨年呉羽がいた時も伊月にはお世話になった事もあるからね。 俺個人にしてみれば伊月を応援したいんだよ。
ただ役職的には贔屓はしないからかといって見捨てたわけじゃないからね?
だから伊月も有島君が『生徒会』に来ても後輩苛めは無しだよ?仲良くなれというのは感情的には難しいかもしれないけれど、それでも同じ仲間として皆と平等に接してあげて欲しい。恋敵で争うのはプライベートだけだからね」
「はあ~ 分かってるよ。勿論、公私混同はしないし、きちんと『生徒会長』としての責任は果_たすから安心していいよ。
だけどさ~俺がよくってもアイツが どうだか分かんないじゃん? 逆に俺の方が苛められそうだし」
「フフッ、そこは兄貴分として大目に見てあげたら? だけど有島君も見たところ真面目でしっかりしている感じだから その辺の分別はきちんとすると思うな。
それに、もしそうじゃなくても、そこは橘が教育してくれるよ。彼女、怒ると結構怖いしね。しかも有島君は橘には全面的に頭が上がらないみたいだから、彼女は抑え役にしても適役だよ。
ーーってそういえば、伊月も橘には頭が上がらないんだったな。やっぱり橘には『生徒会』に戻ってきてもらって下級生の教育を手伝ってもらわないとね。それなら伊月も俄然やる気が出るだろ?」
「うう~ 珠里ちゃんが戻ってくるなら我慢出来るかも………」
「うん。それは任せてよ。橘の性格からして大丈夫だとは思うけど、一応 ゴリ押しか泣き落としで承諾させとくから」
「………つくづく若先輩が恋敵じゃなくてよかったよ。若先輩が恋敵だったら絶対に敵わないどころか、あの珠里ちゃんでさえもイチコロかもしんない」
「う~ん、それはどうだろうね? 彼女は基本的に年下好みのようだから、俺みたいなタイプは橘の好みとは全く合わないんじゃないかな?
それに俺の場合、橘は恋愛対象として見るにはあまりにも可愛いすぎて「苛めたい」とか全然思わないんだよ。寧ろ親心の方が勝って心配っていう感情の方が強いかな?
だから俺としてはさ、例えて言うなら橘はお見合い相手として結婚は出来るけど、彼女への愛情は『家族愛』で『恋愛』じゃないって言えば分かる? しかもそこに呉羽が現れたりなんかしたら、俺、正直言って浮気するかもしれない」
それを聞いて俺は呆れた顔で非難の視線を向けて睨む。
「………若先輩、『誠実』はどこ行ったんすか? 優しくて爽やか好青年路線で世に通っているんだから、イメージがた落ちするような事言わんで下さい。
俺、若先輩にだけは絶対に珠里ちゃん渡さねぇーーっつーか、誰にも渡すつもりないけど」
すると若村先輩は小さく肩を竦めて見せる。
「だから『例え』だって言ったろ? そんな顔で睨まなくても大丈夫だから。実際は俺の彼女は呉羽なんだし『本命』を捕まえているのに浮気なんかするわけないよ
ーーって言いたかっただけ」
「若先輩は何かと危ないんだよ。 言動とか態度とかさ、思わず女がコロッと落ちてしまいそうな雰囲気醸し出してるし、しかも基本的に女には すごく優しいだろ?
だからマジで忠告するケド、本当に呉羽先輩に誤解される前に少し控えた方がいいんじゃない?
呉羽先輩は、それこそ珠里ちゃんみたいに単純じゃないからさ。一度拗れると理解を得るのは結構、難しいんじゃないの?」
「う~ん。中々に耳の痛い助言だね。それは俺も気を付けようとは思っているんだけど、
だからといって理由もなく女の子に素っ気なくなんて出来ないし困っているのなら放っても置けないし、これは俺の性格だから思うようにはいかないんだよ。
呉羽が年上で同学年でないのが まだ救いなのかな?
それに呉羽は一見、融通が利かなそうに見えるけれど、ああ見えても理解はあるんだよ。じゃなかったら俺達とっくに別れてるかもね?」
「それは呉羽先輩が忍耐強いからです!」
「ははは、本当にそうだよね。実は俺も彼女には頭が上がらないんだよ」
若村先輩は爽やかにニコニコと笑いながらあっけらかんと話すので、こちらの方は まるで拍子抜けである。
ーー若先輩、本当に分かっている上で言っているんだろうか? この人の こういう能天気っぽいところも『天然』なのか『ワザと』なのか今だに分かんないもんな。
これが珠里ちゃんなら間違いなく『天然』って分かるんだケド。
「取り敢えず若先輩の事を気にする余裕は俺には無いんで自分の事だけに専念せてもらいます。
ーーまあ、若先輩が彼女に振られたらその時は慰めてあげるんで相談して下さい。
とにかく、まずはその乙女ゲームの『はると』だな。珠里ちゃんの心を鷲掴みにしているその魅力とやらを解明する方がアイツを牽制するより効果有りかもしれない。しかも共通の話題なら興味も引けるし。
ーーよし! 若先輩、妹ちゃんに頼んでもらって協力のほど、お願いします!」
「う~ん。なんか「振られたら」とか気分は複雑だけど、取り敢えず了解。だけど あくまで乙女ゲームだから男の伊月が果たしてゲームキャラに同感出来るかは分からないけど、家に帰ったら後で連絡するよ」
「若先輩! サンキュー! やっぱり持つべき味方は頼りになる上司だな。そうと決まれば早く帰ろうよ。“善は急げ”っていうでしょ?」
「“急がば回れ”っていうのもあるけどね。まあ、それでも伊月が元気になってよかったよ。伊月が暗かったら、それこそ周りにいる人間もどうにも暗くなってしまうからね」
「俺は珠里ちゃんと同じくポジティブ精神モットーだから、いつまでも引き摺ってなんていられませんって。とにかく前に進まないと何も始まらないでしょ?」
「そういう所が伊月の強みだよね。 だからなのかな? 同じタイプの橘との相性がすごく良いのは。恋敵は手強いかもだけれど、伊月も負けてないから頑張れ」
「うおおお! 若先輩から誉められたああ~」
俺は感動のあまり周囲の視線も気にせず両手でガッツポーズを取りながら全身で今の気持ちを表していると、若村先輩の やや呆れ気味の声が掛けられる。
「ーーねえ伊月。ここがどこだか忘れてない? 恥ずかしいから俺は先に行くよ?」
「ああ! 若先輩ゴメン! 待って待って!」
そんな俺は自分を置いて先に歩いて行く若村先輩の後ろを慌てて追いかけたのだったーーー
【5ー続】
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