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3章 王立学院編ー後編―

38<ジェラルドの我慢>

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早く触れてほしい。全身をその手で、その舌で触れてジェラルドのものにしてほしい。アイスブルーの瞳はギラギラと輝いて瞳孔が開ききっている。

俺の真後ろに膝立ちになって、いやらしい水音を絶え間なく立てる俺の後孔を黙ったままじっと見ている。ジェラルドの獣のような荒い息づかいと俺の嬌声が部屋の中に響く。

「あ、ああっ、や、んっんっ」
刺すような視線に背中がゾクゾクする。こんな姿を見せつれて気持ちよくなっているなんて、俺は本当にド変態なのかもしれない。

ジェラルドが一歩近づく。小刻みに震える右腕がゆっくりと伸び、俺の尻に触れそうになる。だがジェラルドはそれをもう片方の手で抑えた。

「クソ……ッ! 今じゃない。理性を失うなッ!!」
その言葉は俺ではなく自身に向けられているようで、ジェラルドは自分で自分の頬を強く打ち始めた。

バシッ、バシッと頬を打つ音が何度も部屋に響く。終わった頃には、彼の目には欲望ではなく、理性の光が灯っていた。

「解除、薬……持って、きたぞ」
近づくほどにオメガのフェロモンがきついのだろう。ジェラルドは全速力で走った後のように汗だくで、顔を真っ赤にして肩で息をしている。

ポケットから小さな黒いボトルを取り出したジェラルドは、さらに俺に近づく。
「はや、く……飲んで、くれ……っ」

「やあ……なんでぇ、ほし、の……それじゃ、ない……っ」
薬なんか飲みたくない。せっかく戻ってきてくれたのに、目の前のアルファは俺のナカには来てくれない。泣きながらさらに尻を高く上げてぐちゅぐちゅと音を響かせて卑猥な姿を晒し続ける。

だがジェラルドは怒ったような声で俺を制した。
「ダメ、だ……っ! おまえは今、普通じゃない。絶対、後悔する……っく」
何をそんなに我慢する必要があるのだろうか。ジェラルドは真っ赤な顔で歯を食いしばって耐えている。目を閉じて何度も大きく息を吐いたり吸ったりした後、俺の腰に両手をかけてぐるりと体を反転させた。

その拍子に孔から指が音を立てて抜けてしまう。嫌だ。早く埋めなきゃ。仰向けになった俺は膝を曲げて脚をМ字に開き、再び片手を秘部に伸ばす。だがジェラルドにその手を強く掴まれた。

「駄目だ」
「や、だぁ……おねが、いっ、さわってぇ……」

俺を掴むジェラルドの手は俺以上に熱くなっている。ぎゅっと握り返すとハッとした表情でこっちを見た。彼の手を秘部へと導き、もう少しで触れるというところまできた瞬間、勢いよく手を振り払われた。

どうして拒否されるんだろう。悲しくて涙が溢れてしまう

「……っも、やだぁ……身体、へん……っ、おねがい……っ、あっ……早く…挿れて……っ」

両手で尻たぶを左右に開いて見せつけながら俺はみっともなくジェラルドに懇願する。

「くそ……っ」
ジェラルドはぎりっと音が出そうなほどに下唇を噛み締めて俺を睨むようにじっと見た。
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