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第二章 お祭り編
第七十五話 おつかいの試練
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「――今から景君一人で、あの八百屋さんに買い物に行って来てくれるかな?」
蓬さんが指さした先にある看板に描かれてるのは大きな野菜。紛れもなく、八百屋さんだ。
……今からあそこに、一人で。一気に蘇る緊張。人間をを見つめる視線を思い出して、かなり臆している。
正直、魚屋さんとかで特に何も無く買い物できたのも、商店街の人達と顔馴染みの蓬さんがいたからであって。
俺一人が買い物に向かったら、嫌な想像が頭の中を巡る。けれど、蓬さんは既に荷物を下ろしてしまっていて。
「……何を買ってくれば良いんですか?」
腹は全然括れてないけど、でも、訊くしかない……。
「はい、ここに全部書いてあるからね。多分この鞄で足りるはずだから!」
すると、(一応、荷物が重くて休憩してるはずなのに)涼しい顔をした蓬さんが手提げカバンと買い物メモを渡してくれる。見ればがま口財布も一緒に入っていた。
「にんじん」「ほうれん草」「きゅうり」……「かるたけ」。
読めない名前の野菜が無かったことにまずは一安心。
かるたけは……一体、どんな物だろう。
「他に何か気になることはあるかな?」
「あの……怖くないですよね? 八百屋さん……」
傍から見ると物凄く間抜けで要点も掴めない質問だけど、俺にとっては切実だった。
「ふふ、どうだろうね?」
蓬さんは、とても楽しそうに口笛を短く吹いた。こういうところは御珠様に少し似てるかも……。
……行くしか、ないか。
俺は覚悟を決める。なに、冷静に考えろ。八百屋さんに野菜を買ってくるだけなんだ。全然難しいことなんて無いじゃないか。なんて思えば思うほど、それは不安の裏返しで。
「……行ってきます」
「頑張ってね!」
と、蓬さんは小さく右手を振る。俺はまっすぐ前を向いて歩き出す。蓬さんが隣にいないからか、さっきまでより更に視線が刺さる、ざわめき声が届く、気がしてしまう。
気にしない、気にしない、気にしない……。
気付けば小走りになっていたらしく、あっという間に、八百屋さんの前に着いてしまった。
ぴたっと、足が止まる。ちょっと通り過ぎて、様子を伺おうかなと思ってた計画が狂う。
じーっと、店内で買い物してた五人のお客さんがこっちを見る。
俺はわざとらしく鞄からメモを取り出して視線を避けた。加速した鼓動が、体の内側から響いている。
店先にも店内にも沢山の野菜が並べられていて、どれも初夏の日差しの中で育ったからか、瑞々しくて美味しそうだ。
しかも、綺麗な立方体で真っ青な色をしている野菜や、外見はかぼちゃだけどスイカみたいな黒い縞が入っている野菜や、収穫した時の弦が厳重に巻き付いて中身が見えない野菜やら、目を引く珍しい物も沢山並んでいる。
こんな状況じゃなかったらゆっくり観察したいぐらいなんだけど……まずは人参を三本。
知ってる野菜が有るとやっぱり安心する。
俺は狭めの通路をぶつからないようにしながら、人参が沢山入ってるかごの前に行く。……触っても、良いんだよな。八百屋さんだし。俺は人参を手に取って、軽く吟味する。
以前、蓬さんに台所で教えて貰ったけど、野菜は基本的に色が鮮やかで手触りが滑らかなものが新鮮らしい。
どれも同じに見えなくもないけど……これと、これと、これが良さそうかな。
……さて、選び終えてしまった。
俺はさっきまで蓬さんがやっていた手順を思い出す。
品物を選んだら、店員さんに尋ねなきゃ――。
「あれ?」
店員さん、店員さんはどこだろう? 店の中を見回しても、前掛けをつけたり会計にいたりするそれらしい人は居なかった。
「……あのー、すみませんー……」
仕方なく俺は店の奥に行って、会計の奥ののれんの向こう側に話し掛ける。まあ、居るとしたらここなんだけど……。
「はい」
すぐに返事が聞こえてきて。ぬっと、店員らしき人が俺の前に姿を表した。
「……!」
思わず足がすくむ。
店の奥から出てきたのは、頭にハチマキ、腰に藍色の前掛けをした犬の獣人の男性。年は、三十代ぐらいだろうか?
全身の毛は茶色で、口の周りの毛だけが黒い模様になっている。
何より俺を驚かせたのは……八百屋さんには勿体無いほど屈強そうなその外見だった。十徹さんほどではないにせよ、見上げるほど高い身長。
筋骨隆々という表現がぴったりなぐらいガタイが良い体。
「お客様。何用ですか?」
「は、はひっ?!」
迫力の有る低く唸る様な声と、鋭い目つきで見つめられ、情けない返事をしてしまう。
そんな挙動不審の客に店員さんの視線はますます鋭くなるけれど……。
「お会計は、その人参三本でよろしいですか?」
「あ、ええと、まだ有りまして」
「それでは商品はこちらで預からせて頂きます」
俺がすぐに人参三本を犬の獣人に渡すと、何故か犬の獣人は目つきを更に険しくさせて。
「ごゆっくりどうぞ」
と、強く念を押された。
……すぐに買い物を済ませて出なきゃ。決めつけは良くないって身に染みてるつもりでも、怖い。超怖い……!
俺は速攻でほうれん草ときゅうりを選ぶ。ほうれん草は青々しくて葉っぱがしなっていないものを、きゅうりはなるべく太くしっかりしたものを。
俺は両手に抱えて会計に持っていく。
「他に欲しいものはありますか?」
じっと見据えられて、『ないです』と即答しそうになるのを堪えて俺は、このおつかいの最難関の「アレ」について尋ねた。
「あの、『かるたけ』というのは、どれでしょうか?」
確か蓬さんは、酢の物に入れるって言っていた。
「かるたけは――こちらですね」
犬の獣人が店頭に並べてあったかごを一つ手に取り持って来た。『茸』と名前に付いてるからある程度予測できたけど、やはりそれは、きのこだった。
大きさはしいたけぐらいだけど、かさは薄め。だけど柄は太くて中々食べごたえはありそうな、『緑』色のきのこ。かさも柄も全部が、まるで牧草の様な青々とした緑色で……。
え、ええ……これ、食べれるのか……?
「あ、あの」
「どうかされましたか?」
これ、食べれる物なんですかという質問を慌てて呑み込む。
「これ、どうやって食べるんですか?」
これはこれでやや間抜けな質問だと思うけど……犬の獣人は馬鹿にした様な素振りは一切見せずに。
「かるたけは空気の澄んだ森の奥で育つきのこで、その名前の通り重さが空気の様に軽く、味や食感も癖が無いため濃い味付けの料理と非常に相性が良いです。特に今の季節は旬なのでより緑色が濃くなっています。つまり普段よりも重量が無く他の食材や調味料ととよく絡むため、そのまま刺し身で食べたりあるいは炒め物や酢の物に入れるのは如何でしょうか」
それどころか、とても丁寧に説明をしてくれた。
「なるほど、ありがとうございます」
正直、今の解説でこの未知の食材への不安感はかなり解消された。
そして犬の獣人から渡されたかるたけは確かに、全く重みを感じさせなかった。まさに毒キノコです!と言いたげな赤や黄色なら絶対に買ってなかったけど、緑色なら大丈夫……だろう。でもこれ、あのヒザシウオと和えるんだよな……想像したら何か凄まじい組み合わせだ……。
「他にほしいものはございますか?」
「いえ、全部揃ったのでお会計をお願いします」
今度は正真正銘本当だ。ホッとしながら答えた。
「全部合わせて千百五十定ですね」
がま口を開けて一応確認。百、二百……うん、全然足りてるな。念のため数えてから俺は、会計の台の上に丁度の金額の小銭を置いた。
「丁度ですね。毎度ありがとうございます。鞄を拝借させて頂きます」
俺が手提げ鞄を犬の獣人に渡すと、そっと優しい手つきで買った野菜を入れてくれて――。
「あ、あの、それは買っていませんよ……?」
だけど、つるに包まれて中身の見えない不思議な野菜を三つ鞄に入れようとしたところを慌てて止めた。買う予定は無くても気になってはいたから、いつの間にか紛れ込んじゃっていたのか……?
「ああ……」
犬の獣人がピタッと手を止めて、こちらに視線を向けて。一瞬、緊張で背筋がピシッと伸びるけれど……。
「これは、おまけです。お気になさらずに」
犬の獣人はさらっとそう答えて、手提げ鞄を手渡してくれる。その表情は不思議と最初に見た時よりも柔らかに思えた。
「ありがとうございます!」
「いえいえ。またのお越しをお待ちしております」
深々としたお辞儀に、俺もしっかりとお礼をして店を出る。俺は急いで、遠くに見える通りの端に立つ蓬さんのところに向かう。
「お疲れ様!」
と、蓬さんが嬉しそうに手を振ってくれる。
行きと同じような小走りだけど、さっきとは反対に俺の心はとても軽やかだった。
蓬さんが指さした先にある看板に描かれてるのは大きな野菜。紛れもなく、八百屋さんだ。
……今からあそこに、一人で。一気に蘇る緊張。人間をを見つめる視線を思い出して、かなり臆している。
正直、魚屋さんとかで特に何も無く買い物できたのも、商店街の人達と顔馴染みの蓬さんがいたからであって。
俺一人が買い物に向かったら、嫌な想像が頭の中を巡る。けれど、蓬さんは既に荷物を下ろしてしまっていて。
「……何を買ってくれば良いんですか?」
腹は全然括れてないけど、でも、訊くしかない……。
「はい、ここに全部書いてあるからね。多分この鞄で足りるはずだから!」
すると、(一応、荷物が重くて休憩してるはずなのに)涼しい顔をした蓬さんが手提げカバンと買い物メモを渡してくれる。見ればがま口財布も一緒に入っていた。
「にんじん」「ほうれん草」「きゅうり」……「かるたけ」。
読めない名前の野菜が無かったことにまずは一安心。
かるたけは……一体、どんな物だろう。
「他に何か気になることはあるかな?」
「あの……怖くないですよね? 八百屋さん……」
傍から見ると物凄く間抜けで要点も掴めない質問だけど、俺にとっては切実だった。
「ふふ、どうだろうね?」
蓬さんは、とても楽しそうに口笛を短く吹いた。こういうところは御珠様に少し似てるかも……。
……行くしか、ないか。
俺は覚悟を決める。なに、冷静に考えろ。八百屋さんに野菜を買ってくるだけなんだ。全然難しいことなんて無いじゃないか。なんて思えば思うほど、それは不安の裏返しで。
「……行ってきます」
「頑張ってね!」
と、蓬さんは小さく右手を振る。俺はまっすぐ前を向いて歩き出す。蓬さんが隣にいないからか、さっきまでより更に視線が刺さる、ざわめき声が届く、気がしてしまう。
気にしない、気にしない、気にしない……。
気付けば小走りになっていたらしく、あっという間に、八百屋さんの前に着いてしまった。
ぴたっと、足が止まる。ちょっと通り過ぎて、様子を伺おうかなと思ってた計画が狂う。
じーっと、店内で買い物してた五人のお客さんがこっちを見る。
俺はわざとらしく鞄からメモを取り出して視線を避けた。加速した鼓動が、体の内側から響いている。
店先にも店内にも沢山の野菜が並べられていて、どれも初夏の日差しの中で育ったからか、瑞々しくて美味しそうだ。
しかも、綺麗な立方体で真っ青な色をしている野菜や、外見はかぼちゃだけどスイカみたいな黒い縞が入っている野菜や、収穫した時の弦が厳重に巻き付いて中身が見えない野菜やら、目を引く珍しい物も沢山並んでいる。
こんな状況じゃなかったらゆっくり観察したいぐらいなんだけど……まずは人参を三本。
知ってる野菜が有るとやっぱり安心する。
俺は狭めの通路をぶつからないようにしながら、人参が沢山入ってるかごの前に行く。……触っても、良いんだよな。八百屋さんだし。俺は人参を手に取って、軽く吟味する。
以前、蓬さんに台所で教えて貰ったけど、野菜は基本的に色が鮮やかで手触りが滑らかなものが新鮮らしい。
どれも同じに見えなくもないけど……これと、これと、これが良さそうかな。
……さて、選び終えてしまった。
俺はさっきまで蓬さんがやっていた手順を思い出す。
品物を選んだら、店員さんに尋ねなきゃ――。
「あれ?」
店員さん、店員さんはどこだろう? 店の中を見回しても、前掛けをつけたり会計にいたりするそれらしい人は居なかった。
「……あのー、すみませんー……」
仕方なく俺は店の奥に行って、会計の奥ののれんの向こう側に話し掛ける。まあ、居るとしたらここなんだけど……。
「はい」
すぐに返事が聞こえてきて。ぬっと、店員らしき人が俺の前に姿を表した。
「……!」
思わず足がすくむ。
店の奥から出てきたのは、頭にハチマキ、腰に藍色の前掛けをした犬の獣人の男性。年は、三十代ぐらいだろうか?
全身の毛は茶色で、口の周りの毛だけが黒い模様になっている。
何より俺を驚かせたのは……八百屋さんには勿体無いほど屈強そうなその外見だった。十徹さんほどではないにせよ、見上げるほど高い身長。
筋骨隆々という表現がぴったりなぐらいガタイが良い体。
「お客様。何用ですか?」
「は、はひっ?!」
迫力の有る低く唸る様な声と、鋭い目つきで見つめられ、情けない返事をしてしまう。
そんな挙動不審の客に店員さんの視線はますます鋭くなるけれど……。
「お会計は、その人参三本でよろしいですか?」
「あ、ええと、まだ有りまして」
「それでは商品はこちらで預からせて頂きます」
俺がすぐに人参三本を犬の獣人に渡すと、何故か犬の獣人は目つきを更に険しくさせて。
「ごゆっくりどうぞ」
と、強く念を押された。
……すぐに買い物を済ませて出なきゃ。決めつけは良くないって身に染みてるつもりでも、怖い。超怖い……!
俺は速攻でほうれん草ときゅうりを選ぶ。ほうれん草は青々しくて葉っぱがしなっていないものを、きゅうりはなるべく太くしっかりしたものを。
俺は両手に抱えて会計に持っていく。
「他に欲しいものはありますか?」
じっと見据えられて、『ないです』と即答しそうになるのを堪えて俺は、このおつかいの最難関の「アレ」について尋ねた。
「あの、『かるたけ』というのは、どれでしょうか?」
確か蓬さんは、酢の物に入れるって言っていた。
「かるたけは――こちらですね」
犬の獣人が店頭に並べてあったかごを一つ手に取り持って来た。『茸』と名前に付いてるからある程度予測できたけど、やはりそれは、きのこだった。
大きさはしいたけぐらいだけど、かさは薄め。だけど柄は太くて中々食べごたえはありそうな、『緑』色のきのこ。かさも柄も全部が、まるで牧草の様な青々とした緑色で……。
え、ええ……これ、食べれるのか……?
「あ、あの」
「どうかされましたか?」
これ、食べれる物なんですかという質問を慌てて呑み込む。
「これ、どうやって食べるんですか?」
これはこれでやや間抜けな質問だと思うけど……犬の獣人は馬鹿にした様な素振りは一切見せずに。
「かるたけは空気の澄んだ森の奥で育つきのこで、その名前の通り重さが空気の様に軽く、味や食感も癖が無いため濃い味付けの料理と非常に相性が良いです。特に今の季節は旬なのでより緑色が濃くなっています。つまり普段よりも重量が無く他の食材や調味料ととよく絡むため、そのまま刺し身で食べたりあるいは炒め物や酢の物に入れるのは如何でしょうか」
それどころか、とても丁寧に説明をしてくれた。
「なるほど、ありがとうございます」
正直、今の解説でこの未知の食材への不安感はかなり解消された。
そして犬の獣人から渡されたかるたけは確かに、全く重みを感じさせなかった。まさに毒キノコです!と言いたげな赤や黄色なら絶対に買ってなかったけど、緑色なら大丈夫……だろう。でもこれ、あのヒザシウオと和えるんだよな……想像したら何か凄まじい組み合わせだ……。
「他にほしいものはございますか?」
「いえ、全部揃ったのでお会計をお願いします」
今度は正真正銘本当だ。ホッとしながら答えた。
「全部合わせて千百五十定ですね」
がま口を開けて一応確認。百、二百……うん、全然足りてるな。念のため数えてから俺は、会計の台の上に丁度の金額の小銭を置いた。
「丁度ですね。毎度ありがとうございます。鞄を拝借させて頂きます」
俺が手提げ鞄を犬の獣人に渡すと、そっと優しい手つきで買った野菜を入れてくれて――。
「あ、あの、それは買っていませんよ……?」
だけど、つるに包まれて中身の見えない不思議な野菜を三つ鞄に入れようとしたところを慌てて止めた。買う予定は無くても気になってはいたから、いつの間にか紛れ込んじゃっていたのか……?
「ああ……」
犬の獣人がピタッと手を止めて、こちらに視線を向けて。一瞬、緊張で背筋がピシッと伸びるけれど……。
「これは、おまけです。お気になさらずに」
犬の獣人はさらっとそう答えて、手提げ鞄を手渡してくれる。その表情は不思議と最初に見た時よりも柔らかに思えた。
「ありがとうございます!」
「いえいえ。またのお越しをお待ちしております」
深々としたお辞儀に、俺もしっかりとお礼をして店を出る。俺は急いで、遠くに見える通りの端に立つ蓬さんのところに向かう。
「お疲れ様!」
と、蓬さんが嬉しそうに手を振ってくれる。
行きと同じような小走りだけど、さっきとは反対に俺の心はとても軽やかだった。
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