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Ⅵ 決意
4.open your eyes★
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ジェイルは耳に噛みつくように言った。
「嫌ならちゃんと前をよく見て喋ったらどうなんだ」
「あぁ、わ、私は……!」
ルカは必死だった。もう、鏡の中の自分を他人だと思うしかない。
「だ、男性器を、勃起させています……胸を突き出し、指がっ乳首に触れるたび、感じて、性器が、揺れて、お腹に、跳ね返って……っ」
だが、その哀れな有様をさらす姿は、どうしてもルカだった。
頬を赤らめ、甘い吐息をつき、刺激を欲して腰を前後に揺すってしまっている。
小魚のように跳ねる性器が重いしずくを垂らしている様子はなんとも卑猥だった。こんな倒錯した状況で腰を振るなんてありえない、そう思うのに、鏡の中のルカは止まらない。
「あぁあっ」
ジェイルに性器をつかまれると、歓喜の声を上げてしまう。
「気持ちいいか、ルカ。気持ちいいなあ」
感じやすい亀頭の先を、ぬるりと手のひらが撫でた。
「あぁ……、ああっ、ひうぅっ……」
ヌチャッと糸を引いた手を、ジェイルはルカの胸に触れさせた。ルカは気も狂わんばかりだった。
パンパンに張り詰めた性器を放置され、濡れた手で胸ばかりいじられる。その手つきが、いやに優しかった。
「どうして欲しい。言ってみろ」
「も、もう、ゆるして……」
「ああ、なんでも許してやるさ。おまえは可愛いからな」
可愛い、と。言われたとたん、鏡の中の化け物の表情が、飴細工のように溶ける。
可愛いと言った。ジェイルが、ルカを可愛いと言った。愛してる、だけじゃなくて、可愛い、と。
頭が本格的におかしくなる。胸も性器もじんじんと張りつめて痛いのに、その痛みがやけに心地いい。
「ルカ、」
ジェイルに促される。鏡の中のルカは、はしたなく求めていた。
「ああっ、イきたいっイひたいぃ……っ」
「イきたかったら、どうする。大好きな女神様に祈って、そのまま我慢するのか」
「ふゃああんっ」
「俺はおまえを楽にしてやれるぞ。何度も手で優しくしごいてやっただろう。昨日は口でもしたな。おまえのは飴玉みたいに小さいから、何度も舌で射精に導いてやった」
「あぁあっ、あぁっ、あっ」
「俺を選べ。早く!」
その声の強さに、ルカは絶頂した。反らした胸をびくんびくんと波打たせ、性器を破裂させる。
ジェイルが呆れたように「おいおい……」と嗤った。
「こんなみっともない射精をしていいのか? ルカ様が」
その皮肉を、ルカは聞いていなかった。断続的な射精が止まらないのだ。鏡の中の自分自身を、ビュクッビュクッと小刻みな吐精で汚す。
「あぁ……んん……んっ……んあ、あっ」
ルカは自分の背骨が蛇になった気がした。腰ごと勝手によじれて、快楽が肋骨にまで響いてくる。
「あぁっ、ああんっ、イく、イッて、るっ、あ、あ、あ、今、らめぇっ!」
「うるさい。宿屋に迷惑だろうが」
「ひ、ぎっ」
ジェイルはルカの萎えかけた性器を情け容赦なくしごいていた。左手を亀頭に当てながら、右手で陰茎を荒っぽく擦り上げる。
「あんっイくっ、イくの、クるっ、やん、やん、やん、やぁんん……っ!」
「俺がいくら優しくしてやっても……ッ、痛い方がいいらしいな、おまえは……!」
「ああんんっ」
ジェイルはルカを激しく嬲りながら、無理やり鏡の前に立たせた。
「ほら、自分をよく見ろ。気持ちよくてたまんないってツラしてんだろうが。こんな酷いことされて……ッ、こんなによがってんだから、おまえは俺といるのが一番幸せだろうが! そうだと言えっ」
家畜のように尻を叩かれたルカは、鏡に縋り、弱弱しく二度目の射精をした。
「はぅ、うっ、あぁ、あぁんっ」
水っぽくて色も薄いそれが精液とは、ルカには思えなかった。ジェイルの精液を、彼の雄々しい射精を知っているからだ。テントで導かれた時も、ジェイルを喜ばせたくて、興奮させたくて射精していたふしがある。今もそうだ。
返事もできないルカの尻を、ジェイルがまた叩いた。それが痛いのに気持ちよくて、ルカは腰を高く上げてしまう。ジェイルが怒ってルカの尻に両手を添える。
「あぁ、あ、あ……っ!」
そうされて舌を出して喘ぐ鏡の中のルカは、あまりにも醜悪で、ジェイルの言ったとおり、とても幸福そうだった。
ルカの無防備な後穴に、ジェイルが濡れた指を突き入れる。自分の喘ぎ声が激しすぎるせいか、ルカの耳は遠くなり、代わりに視界が開けて、すべてのものが鮮明に映る。
ジェイルが怖い目をして、ルカを背後から犯す。
激しい離人感がルカを襲った。悪い霊にとり憑かれたルカを、ルカは鏡の中から見つめている。
「お願いです……もっと、私をいたぶってください、淫らな私を罰してください、ジェイル様……」
化け物が腰を左右に揺らし、排せつ用の穴でジェイルを誘惑している。ルカは修道士だ。なんとかやめさせようとするのだが、次の瞬間、あれっと思った。
はっと我に返ると、汗びっしょりになってジェイルに抱かれているのはルカ自身なのだった。
「え。あっ、や……」
鏡に向かって手を伸ばすが、もう戻れない。ジェイルが背後からルカを捕まえていて、耳に、目じりにたくさんの口づけを落とす。
「動くな。もういい。おまえは黙って俺に犯されていればいい」
ルカの目から、涙がこぼれた。ぎゅんと、腹の中のジェイルの性器を締め付けてしまう。
喜んでいるのだ。抗えない力に押さえつけられると、安心する。ルカは何もせずとも良く、体に与えられる責め苦を味わうだけでいい。忌み子の罪を思い知ることが罰で、罰を受ければ、許される気がした。
「こんなんで、また、おっ勃てやがって……」
尻を犯されて勃起してしまうルカを、ジェイルが怒ってくれる。だが、その怒り方はいつもと違っていた。
「俺はおまえに、こんなことをしたいんじゃないのに……!」
ジェイルの声の潤み方に、ルカは瞬いた。
萎えた性器がずるりと引き抜かれ、次の瞬間、ルカは後ろに向かって思い切り引き倒された。
ふと、思い出す。ジェイルは前にも同じようにルカを助けたことがあった。
橋の上で。身を投げようとしたルカを強い力で後ろに引っ張ったのだった。
あの時、ルカは橋に尻もちをついたけれど、今はジェイルに抱き留められている。
「どうしておまえは俺を置いて行こうとするんだ」
ジェイルの声には、深い怒りと呪いがこもっていた。
ルカにはなぜかそれが、愛というものだとわかる。
「そんなふうにされて俺がどんな気持ちになるかわかるか。考えもしないんだろうな。おまえは生まれつき強くて、傷つくことがないから、自分を顧みないし、すぐにそうやって俺を憐れむ。自分を害する者に対してさえ、弱者だと憐れみ蔑んでいる」
「そんな、ちがう」
ルカは思わず返事していた。
「じゃあなぜ俺に何も説明しない」
その問いかけに、ルカは答えることができない。
「なぜ抗わない。化け物だなんだと言って自分だけ特別扱いしやがって。ふざけるな。ふざけんな……っ」
神をも恐れぬジェイルが、泣いているのだ。
「俺はおまえが、ただ目を開けていてくれるだけでいいのに」
「嫌ならちゃんと前をよく見て喋ったらどうなんだ」
「あぁ、わ、私は……!」
ルカは必死だった。もう、鏡の中の自分を他人だと思うしかない。
「だ、男性器を、勃起させています……胸を突き出し、指がっ乳首に触れるたび、感じて、性器が、揺れて、お腹に、跳ね返って……っ」
だが、その哀れな有様をさらす姿は、どうしてもルカだった。
頬を赤らめ、甘い吐息をつき、刺激を欲して腰を前後に揺すってしまっている。
小魚のように跳ねる性器が重いしずくを垂らしている様子はなんとも卑猥だった。こんな倒錯した状況で腰を振るなんてありえない、そう思うのに、鏡の中のルカは止まらない。
「あぁあっ」
ジェイルに性器をつかまれると、歓喜の声を上げてしまう。
「気持ちいいか、ルカ。気持ちいいなあ」
感じやすい亀頭の先を、ぬるりと手のひらが撫でた。
「あぁ……、ああっ、ひうぅっ……」
ヌチャッと糸を引いた手を、ジェイルはルカの胸に触れさせた。ルカは気も狂わんばかりだった。
パンパンに張り詰めた性器を放置され、濡れた手で胸ばかりいじられる。その手つきが、いやに優しかった。
「どうして欲しい。言ってみろ」
「も、もう、ゆるして……」
「ああ、なんでも許してやるさ。おまえは可愛いからな」
可愛い、と。言われたとたん、鏡の中の化け物の表情が、飴細工のように溶ける。
可愛いと言った。ジェイルが、ルカを可愛いと言った。愛してる、だけじゃなくて、可愛い、と。
頭が本格的におかしくなる。胸も性器もじんじんと張りつめて痛いのに、その痛みがやけに心地いい。
「ルカ、」
ジェイルに促される。鏡の中のルカは、はしたなく求めていた。
「ああっ、イきたいっイひたいぃ……っ」
「イきたかったら、どうする。大好きな女神様に祈って、そのまま我慢するのか」
「ふゃああんっ」
「俺はおまえを楽にしてやれるぞ。何度も手で優しくしごいてやっただろう。昨日は口でもしたな。おまえのは飴玉みたいに小さいから、何度も舌で射精に導いてやった」
「あぁあっ、あぁっ、あっ」
「俺を選べ。早く!」
その声の強さに、ルカは絶頂した。反らした胸をびくんびくんと波打たせ、性器を破裂させる。
ジェイルが呆れたように「おいおい……」と嗤った。
「こんなみっともない射精をしていいのか? ルカ様が」
その皮肉を、ルカは聞いていなかった。断続的な射精が止まらないのだ。鏡の中の自分自身を、ビュクッビュクッと小刻みな吐精で汚す。
「あぁ……んん……んっ……んあ、あっ」
ルカは自分の背骨が蛇になった気がした。腰ごと勝手によじれて、快楽が肋骨にまで響いてくる。
「あぁっ、ああんっ、イく、イッて、るっ、あ、あ、あ、今、らめぇっ!」
「うるさい。宿屋に迷惑だろうが」
「ひ、ぎっ」
ジェイルはルカの萎えかけた性器を情け容赦なくしごいていた。左手を亀頭に当てながら、右手で陰茎を荒っぽく擦り上げる。
「あんっイくっ、イくの、クるっ、やん、やん、やん、やぁんん……っ!」
「俺がいくら優しくしてやっても……ッ、痛い方がいいらしいな、おまえは……!」
「ああんんっ」
ジェイルはルカを激しく嬲りながら、無理やり鏡の前に立たせた。
「ほら、自分をよく見ろ。気持ちよくてたまんないってツラしてんだろうが。こんな酷いことされて……ッ、こんなによがってんだから、おまえは俺といるのが一番幸せだろうが! そうだと言えっ」
家畜のように尻を叩かれたルカは、鏡に縋り、弱弱しく二度目の射精をした。
「はぅ、うっ、あぁ、あぁんっ」
水っぽくて色も薄いそれが精液とは、ルカには思えなかった。ジェイルの精液を、彼の雄々しい射精を知っているからだ。テントで導かれた時も、ジェイルを喜ばせたくて、興奮させたくて射精していたふしがある。今もそうだ。
返事もできないルカの尻を、ジェイルがまた叩いた。それが痛いのに気持ちよくて、ルカは腰を高く上げてしまう。ジェイルが怒ってルカの尻に両手を添える。
「あぁ、あ、あ……っ!」
そうされて舌を出して喘ぐ鏡の中のルカは、あまりにも醜悪で、ジェイルの言ったとおり、とても幸福そうだった。
ルカの無防備な後穴に、ジェイルが濡れた指を突き入れる。自分の喘ぎ声が激しすぎるせいか、ルカの耳は遠くなり、代わりに視界が開けて、すべてのものが鮮明に映る。
ジェイルが怖い目をして、ルカを背後から犯す。
激しい離人感がルカを襲った。悪い霊にとり憑かれたルカを、ルカは鏡の中から見つめている。
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はっと我に返ると、汗びっしょりになってジェイルに抱かれているのはルカ自身なのだった。
「え。あっ、や……」
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ルカの目から、涙がこぼれた。ぎゅんと、腹の中のジェイルの性器を締め付けてしまう。
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「こんなんで、また、おっ勃てやがって……」
尻を犯されて勃起してしまうルカを、ジェイルが怒ってくれる。だが、その怒り方はいつもと違っていた。
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ジェイルの声の潤み方に、ルカは瞬いた。
萎えた性器がずるりと引き抜かれ、次の瞬間、ルカは後ろに向かって思い切り引き倒された。
ふと、思い出す。ジェイルは前にも同じようにルカを助けたことがあった。
橋の上で。身を投げようとしたルカを強い力で後ろに引っ張ったのだった。
あの時、ルカは橋に尻もちをついたけれど、今はジェイルに抱き留められている。
「どうしておまえは俺を置いて行こうとするんだ」
ジェイルの声には、深い怒りと呪いがこもっていた。
ルカにはなぜかそれが、愛というものだとわかる。
「そんなふうにされて俺がどんな気持ちになるかわかるか。考えもしないんだろうな。おまえは生まれつき強くて、傷つくことがないから、自分を顧みないし、すぐにそうやって俺を憐れむ。自分を害する者に対してさえ、弱者だと憐れみ蔑んでいる」
「そんな、ちがう」
ルカは思わず返事していた。
「じゃあなぜ俺に何も説明しない」
その問いかけに、ルカは答えることができない。
「なぜ抗わない。化け物だなんだと言って自分だけ特別扱いしやがって。ふざけるな。ふざけんな……っ」
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