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22.ぐちゃぐちゃ(R18性表現)

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「あっ、あっ、あっ、あっ」

 リリィの口淫は凄まじかった。ゴズメルは、自分の口から洩れる甘い声に耳をふさぎたくなる。生えていない時よりいっそう女であることを意識させられてしまう。目に涙がにじみ、膝から下がびくびくと痙攣する。

 胡坐は崩れ、腰はよろよろとしか振れない。水に浮かぶ魚の餌みたいにリリィに食いつかれるままになる。

「んやらぁ、あぁ、あ、イぐっ、イッぢまううっ、チンポ犯されてイぐぅっ……」

「ン、く……っ」

 ぶしゅっ、ぶしゅっと潮とともに噴き出す精液を、リリィは口で受け止めてくれた。生臭いものを飲み干す表情は陶然として、射精し終えた性器をいつまでも吸い立てている。それも、鼻先が陰毛で隠れるほどの頬張りかただった。

「も……ど、どんだけ好きなんだよ……この、スケベ……っ」

 ゴズメルがリリィの口から性器を取り出そうとすると、彼女の瞳は濡れた三日月のように細まった。フーッフーッと細い息を漏らしながら、芳醇な性の匂いを必死に吸い込もうとしているのが目に見えてわかる。ゴズメルは「あぁ……?」と涙目で凄んだ。

「なんか、変なスイッチ入ってんだろ……こらぁ……」

「ん……うん……」

 ようやく口から取り返しても、お気に入りのオモチャを前にした犬のようにクンクンと嗅いだり、頬を摺り寄せたりしてくる。綺麗な顔が自分のイチモツにくっついてくる様子に、ゴズメルは平常心ではいられない。

「あ、おい、ちょっとっ……何すんだよぉ……」

「あん、だって私の……私専用のおちんぽ……あん、ちんぽ、ちんぽぉ……」

「……!」

 愛らしい恋人の痴態に、ゴズメルの視界はぐらっと揺らいだ。ぞくぞくする。

――いじめたくて、仕方ない。

(ダ、ダメだ、なに考えてんだ。この子はあたしのお嫁さんなんだぞ。まさか、ひどいことなんて……!)

 撫でたいのだ。大事に大事に愛して、可愛い卵を産んでほしい。いじめたりするなんてもってのほかだ。

 ゴズメルは震える手を伸ばす。万が一にも爪で傷つけるのが怖くて、手の甲で頬を撫でる。リリィはとろんとした表情を浮かべ、自分の顔より大きな手に寄り添った。太い腕に抱き着き、中指の爪にキスする。

「ゴズメル……」

「あ……」

 リリィはゴズメルの手を裏返してしまった。手のひらの匂いを吸い込む彼女は、満足気だった。手汗を舌で舐めとりながら、ころんと横になる。小さな島のようになだらかな体を、ゴズメルは見下ろした。

 手のひらはリリィに導かれ、ふたつの小高い丘をこえ、窪んだ泉に辿り着く。リリィの股はしとどに濡れていた。ぬるついたものが下着に染みて、糸を引いている。

(いつの間に)

 息を飲むゴズメルを、リリィはそっと誘った。

「ここ、寂しいの……」

「ン……ッ」

「おちんぽください……リリィのおまんこに、おちんぽを挿れて……ぐちゃぐちゃにしてほしいの……」

「リ、リリィ……!」

 発情した雌のように、リリィはゴズメルを誘っていた。ゴズメルの手は腿の間に挟まれている。ぬるついたものが下着に染みて、糸を引いていた。

 ゴズメルが無言で手を動かすと、「あ、あ」とリリィが腰を浮かせる。

「お願い、ぶって……!」

 仰向けで膝の裏を抱いたリリィが、おむつがえを待つ赤ん坊のように尻を揺らして誘う。ゴズメルはもう我慢の限界だった。苛立ちに股間を盛り上げながら、リリィの尻をひっぱたく。

「あぁああんっ」

「こんの、ドスケベ女……っ!」

 ゴズメルの手は止まらなかった。愛液の滴る尻を、バシッバシッと左右に叩く。

「叩いてくれとか、いったい何考えてんだっこのド変態っ!」

 叩けば叩くほど、リリィは高い声で悦がった。ゴズメルは確信する。

(あたし、前にも同じようにしたことがある……!)

 怒りと、哀しみと、愛しさが胸にこみあげてくる。混沌とした思いに、ゴズメルの手はますます力を増した。

(だって、こんな酷いこと、ほかの誰にもしたことない)

 力が強くて、うっかり他人を傷つけてしまうことはある。しかし、こんな苛立ちを発散するかのように愛をぶつけるなど、ありえない。

「クソッ! マジでふざけんなっ!」

 愛とも憎しみともつかない思いが胸から噴き出してくる。ゴズメルは、激怒していた。

「あ、あたしのチンポを口で世話して、顔に潮を浴びせられて、こんなに股濡らしてんのかよっ。今も叩かれてんのに雑魚マンコをヒクヒクさせて……っ」

「はいっ、はいっ……ごずえう、ごえんなひゃい、ごえんらひゃいいっ、あぁんっ」

「口先だけで謝ってんじゃないっ! このスケベ女っ……チンポと精液の臭いで、脳みそまでマンコになったのかっ……!?」

「あ、あ……!」

「なっ、なんでこんなことやらせんだよ!? あたしは、あんたのこと、好きなのに、こんなに愛してるのに……!」

 愛しているからだ、と自分の問いに自分の心が答えて、しかしゴズメルはそんな歪んだ理屈を受け入れたくはなかった。ガニ股で腰をへこつかせて犯され待ちするリリィから下着をむしりとる。

「も、あんた、ヤだ……っ、サイアク……好き……っ! ……ッ!」

 荒れ狂う海に飛び込むような口づけだった。汗を跳ね散らかして抱き合い、全身で愛し合う。ゴズメルの男性器が女性器をかすめた時、リリィは泣き叫んでもがいた。

「あんっ、ふゃあっ、んゃああっ!」

「るせえ今さら暴れんなっ、セックスすんだぞっ、大人しくチンポに従え!」

 久しぶりすぎて、こんなに濡れていても痛いのだろうか。ゴズメルの男根が太すぎ、翅を開かないと辛いのかもしれない。だがゴズメルにも余裕がなかった。愛するひとにとてもひどいことをしているのに、勃起が止まらない。涙が出てくる。嫌がられても抱きたい。自分の穢いところも、醜いところも、すべてを受け入れさせたい。

 捻じ伏せてでも、リリィのすべてを自分のものにしたい。

「リリィ……!」

「ああんっ」

 ゴズメルはリリィに襲いかかった。手に触れる肩の細さに、ゴズメルはおののく。

(こんな小柄な子に、あたし、興奮して……)

 気が咎めて、震えている柔らかい女性器を一息に貫くことなどできない。だが逃がしてやろうとも思えない。

「あぁ……くそ……んもぉ……っ」

 ゴズメルは体重をかけて身動きをとれないようにしながら、浅いところをちゅぷちゅぷと犯した。

「ン……ッ、ほらぁ……痛くないだろ……言うこと聞けば、あたしがちゃんと気持ちよくしてやるんだからぁ……」

「あ、ゴズメル……っあぁ!」

 厚かましいのか優しいのか自分でもよくわからない。ベタッとした汗にまみれながら、ゴズメルはリリィの陰核を指で撫でた。とろとろした愛液が漏れて、きゅんっと内襞が締まる。

「おッ、すっげ先っぽ、イイッ……」

 クリトリスを撫でれば撫でるほど、リリィは甘く喘ぐ。反対に、ゴズメルの喉からは汚い声が漏れた。もっと優しくしたいし、同じくらい強い気持ちで、めちゃくちゃに犯したい。その意志とは裏腹にゴズメルはきゅんきゅんに締まる女性器に捕まって、全身が溶けてしまいそうだった。

「ひもぢ……リリィのまんこ、ンッ、ぎもぢ……オッ……」

「ごずめるぅ……」

「あ、ぐ、っ」

 リリィの舌が、ゴズメルの顎をぺろっと舐めた。ビクビクと震えたゴズメルの唇を吸い、甘く囁く。

「もっと、きて……」

「!」

 奥を責めてくれ、と。いじめている相手に甘えられて、ゴズメルは赤面した。こんなのが当たり前だと言うのだろうか。びっくりしすぎて、ますます怒ったような声が出てしまう。

「い、いいよ別にっ、無理すんな! 痛いんだろ……」

「ううん……もう平気よ、来て……。ね、来てほしいの……」

 リリィは恥ずかしそうに吐息して、ゴズメルに抱き着いた。二人の性器は充血しきって、擦り付けあう間にも破裂してしまいそうだった。

「もっと、来て……あなたをもっと感じたいの……私を、精子で溺れさせて……!」

「リリィ……!」

 マゾヒスティックな要求に、ゴズメルのほうこそ感じた。リリィの紡ぐいやらしい言葉がバフとなって、男根がますますそそりたつ。ゴズメルはのしかかればいいだけだった。

 それだけで睾丸は鉄球のように重くなり、腰が上下に動く。太腿にぶつかるたび、バチンバチンと激しい音を立てる。

「ンァ……ッ、アッ、この、出す、ナカに出すからな……っ、あたしの精子で孕めっ、孕めっ……!」

「あぁあ……! ゴズメルっ……!」

 腰を振りたくりながら、ゴズメルはリリィの乳房を両手で掴みあげていた。母性を刺激する手つきに、リリィは胸を反らして悦がり泣く。深く突かれるほどに、自ら腰を差し出して女性器に男性器を受け入れる。

「ぁう、ア、いく、いくぅっ……! 愛してる、ごずめる、愛してる……っ!」

「んぐ、ぐ、ぐうううっ!」

 グズグズに溶けるひと突きのあとは、二人とも言葉がなかった。突いた側も突かれた側も互いにすべてを出し切って崩れ落ち、それでもまだつながっていたいとばかりに強くからだを押し付けあう。

「あぁ、リリィ……!」

 リリィの唇をむさぼりながら、ゴズメルは傲慢にも獣になりたいと思った。祈りや神の力によらず、ただ純粋に愛の力だけでリリィを身ごもらせたい。

(どうして、そうじゃないんだろう。こんなに愛してるのに)

 ゴズメルは恋人を腕に抱きながら、泣いてしまいそうだった。まるで魂の片割れみたいに思う相手と体を重ね、交わって、このまま新しい命を宿せたらいいのに。

 そうしたら、きっともう二度と誰かの手でバラバラに別れさせられずに済むんじゃないのかと思うのだ。

 だが、この神の見る夢の中ノァズァークでは叶わないことだった。ゴズメルは回らない頭でどうしたらいいか一生懸命に考えて、リリィを呼んだ。

「リリィ……」

 角を撫でてくれるリリィに、ゴズメルは目を閉じたまま囁いた。

「あたし、あんたのこと絶対に幸せにするよ。だからもう離れないで……。ずっと一緒にいておくれ……」

 それを聞いてリリィは驚いたように黙った。だが、ゴズメルが片目で様子をうかがおうとすると「可愛いゴズメル」と言って、目尻にキスをしてくれる。

「その二つは同じことなのよ。あなたの傍にいられるだけで、私はこんなに幸せなんだもの……」
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