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急・異種獣人同士で子づくり!?ノァズァークのヒミツ編
93.nowhere
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ゴズメルは、つくづくリリィには敵わないと思った。自分よりも小柄な恋人の前で、泣き止まなければならないのに、優しく撫でられると涙がますます止まらないのだ。
リリィは「あらあら」と言って、アイテムボックスからハンカチを出してくれた。それはとてもいい匂いがする綺麗なハンカチで、ズビズビの洟をかむなんてしてはいけないと思ったのだが、リリィが「洗えばいいのだから、チンしなさい」と言うので、子供みたいに大人しく従った。
「あぁ、ちゃんとおはなをかめて偉いわ。なんていい子なの。ゴズメル」
「……」
「どうしたのー、甘えん坊さん。おねむかしら」
ぴとっと抱きついても、リリィは嫌がらなかった。お互いに酔っ払っているのだ。ゴズメルが「おっぱい」と呟くと、少し恥ずかしそうに乳首をしゃぶらせてくれる。そう、牛型巨女が授乳されちゃいけないなんて法はないのだ!
ゴズメルは角でリリィを刺さないように、正面からリリィの乳房をぱくっと咥えた。吸わずに乳首を舌でいたずらしても、リリィは息を詰めただけで怒らなかった。むしろ申し訳なさそうにゴズメルの髪を撫でてくる。
「ごめんね、ゴズメル」
「……なぜ謝るんだい」
「私ね、物心ついた時にはもうお母さんがいなかったから、これで合っているかわからなくて」
「合ってる。百点満点」
「ほんと? 嬉しい」
ニコニコしている。ゴズメルはいい加減恥ずかしくなって、リリィの胸から口を離した。オズヌ一家の団欒に混ざったり、グレンやダマキと仲良くしているのに目くじらを立てていたのが申し訳なくなってくる。リリィは家族というものに強い憧れがあるのだ。
「早く結婚したいね、リリィ」
「えっ! ええ! それはもう!」
ゴズメルの言葉に、リリィはびっくりするほど大喜びした。文字通りベッドの上で舞い上がっているように見える。ゴズメルは胸がきゅんとした。子供がたくさん欲しいというのも、きっと、そういうことなのだろう。
「…………兄弟、多いほうがいいと思う?」
リリィの瞳が大きく揺れたのがわかった。ゴズメルはあまり期待を持たせまいと「あのね、百人は無理だよ。物理的に」と先に断った。「魚や花じゃないんだから。母体に負担だってかかるし」
「ええ。わかったわ」
ゴズメルはリリィのきらきらした瞳から顔を逸らした。期待に満ち溢れた顔をされると、喋りづらい。
「……その、ある程度年が離れてんならね、まあ、何人かいてもいいんじゃないかな」
ゴズメルの脳裏には、オズヌの三人の子供たちが浮かんでいた。年が近いと一緒に遊べるかもしれないが、ケンカになるし、親の目も届かなくなる。
リリィはそっと囁いた。
「ゴズメル……」
「な、なんだよ……」
「授かるのが双子かもしれないわ……」
「う……」
「三つ子かも……四つ子かも……!」
そんなバカな、とも言い切れないのだった。祈願した後はアジリニ神任せなので、その後の展開はプレイヤーの埒外にある。できるのはお互いの好感度を上げるためにデートやセックスをしたりすることだけだ。あとは貯金だろうか。祈願には莫大な寄進が必要なのだった。
リリィはやけに嬉しそうに肌をくっつけてくるが、ゴズメルは不安で仕方なかった。
「……リリィ」
「はい」
「この大陸を出ようか」
「えっ」
ゴズメルは先ほど酒を飲みながら考えていたことをつらつらと話した。流れで地下にマリアが捕まっていたことを話すと、リリィはとても驚いた顔をしていた。
「つまり、冒険者協会はあたし達を逃す気はないんだよ。となると、やつらの支部がないとこへ行ったほうがいいわけだ。遠征任務で聞いた話なんだけど、この大陸の外には地図に載っていないちっちゃな島がいくつもあって、ひとが住んでいたりもするんだって」
「そうなの……」
「そこが子育てできるような環境かはわからないけど、とにかく追いまくられるのを回避しないと、安心して仕事もできないだろ。いいところを見つけて、一緒に暮らそう。……っていうか、暮らしてくれません、か」
リリィの行先を決めるのはリリィであるべきだ。表情をうかがってみると、彼女は恥ずかしそうに笑っていた。
「……ちょっと」
ゴズメルは肘でリリィの脇腹をつついた。
「なに笑ってんだよ……」
「……だって、真面目に考えていてくれたのが嬉しいから」
「ハッ? 何言ってんだよ。真面目に考えなきゃダメじゃないか。……あ、あたしのお嫁さんのことなんだから」
リリィは「あらあら」と言って、アイテムボックスからハンカチを出してくれた。それはとてもいい匂いがする綺麗なハンカチで、ズビズビの洟をかむなんてしてはいけないと思ったのだが、リリィが「洗えばいいのだから、チンしなさい」と言うので、子供みたいに大人しく従った。
「あぁ、ちゃんとおはなをかめて偉いわ。なんていい子なの。ゴズメル」
「……」
「どうしたのー、甘えん坊さん。おねむかしら」
ぴとっと抱きついても、リリィは嫌がらなかった。お互いに酔っ払っているのだ。ゴズメルが「おっぱい」と呟くと、少し恥ずかしそうに乳首をしゃぶらせてくれる。そう、牛型巨女が授乳されちゃいけないなんて法はないのだ!
ゴズメルは角でリリィを刺さないように、正面からリリィの乳房をぱくっと咥えた。吸わずに乳首を舌でいたずらしても、リリィは息を詰めただけで怒らなかった。むしろ申し訳なさそうにゴズメルの髪を撫でてくる。
「ごめんね、ゴズメル」
「……なぜ謝るんだい」
「私ね、物心ついた時にはもうお母さんがいなかったから、これで合っているかわからなくて」
「合ってる。百点満点」
「ほんと? 嬉しい」
ニコニコしている。ゴズメルはいい加減恥ずかしくなって、リリィの胸から口を離した。オズヌ一家の団欒に混ざったり、グレンやダマキと仲良くしているのに目くじらを立てていたのが申し訳なくなってくる。リリィは家族というものに強い憧れがあるのだ。
「早く結婚したいね、リリィ」
「えっ! ええ! それはもう!」
ゴズメルの言葉に、リリィはびっくりするほど大喜びした。文字通りベッドの上で舞い上がっているように見える。ゴズメルは胸がきゅんとした。子供がたくさん欲しいというのも、きっと、そういうことなのだろう。
「…………兄弟、多いほうがいいと思う?」
リリィの瞳が大きく揺れたのがわかった。ゴズメルはあまり期待を持たせまいと「あのね、百人は無理だよ。物理的に」と先に断った。「魚や花じゃないんだから。母体に負担だってかかるし」
「ええ。わかったわ」
ゴズメルはリリィのきらきらした瞳から顔を逸らした。期待に満ち溢れた顔をされると、喋りづらい。
「……その、ある程度年が離れてんならね、まあ、何人かいてもいいんじゃないかな」
ゴズメルの脳裏には、オズヌの三人の子供たちが浮かんでいた。年が近いと一緒に遊べるかもしれないが、ケンカになるし、親の目も届かなくなる。
リリィはそっと囁いた。
「ゴズメル……」
「な、なんだよ……」
「授かるのが双子かもしれないわ……」
「う……」
「三つ子かも……四つ子かも……!」
そんなバカな、とも言い切れないのだった。祈願した後はアジリニ神任せなので、その後の展開はプレイヤーの埒外にある。できるのはお互いの好感度を上げるためにデートやセックスをしたりすることだけだ。あとは貯金だろうか。祈願には莫大な寄進が必要なのだった。
リリィはやけに嬉しそうに肌をくっつけてくるが、ゴズメルは不安で仕方なかった。
「……リリィ」
「はい」
「この大陸を出ようか」
「えっ」
ゴズメルは先ほど酒を飲みながら考えていたことをつらつらと話した。流れで地下にマリアが捕まっていたことを話すと、リリィはとても驚いた顔をしていた。
「つまり、冒険者協会はあたし達を逃す気はないんだよ。となると、やつらの支部がないとこへ行ったほうがいいわけだ。遠征任務で聞いた話なんだけど、この大陸の外には地図に載っていないちっちゃな島がいくつもあって、ひとが住んでいたりもするんだって」
「そうなの……」
「そこが子育てできるような環境かはわからないけど、とにかく追いまくられるのを回避しないと、安心して仕事もできないだろ。いいところを見つけて、一緒に暮らそう。……っていうか、暮らしてくれません、か」
リリィの行先を決めるのはリリィであるべきだ。表情をうかがってみると、彼女は恥ずかしそうに笑っていた。
「……ちょっと」
ゴズメルは肘でリリィの脇腹をつついた。
「なに笑ってんだよ……」
「……だって、真面目に考えていてくれたのが嬉しいから」
「ハッ? 何言ってんだよ。真面目に考えなきゃダメじゃないか。……あ、あたしのお嫁さんのことなんだから」
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